言わんこっちゃない

 色々と書き始めてはそのままになっている。秋の植え付けが迫っているにもかかわらず、余りの暑さに作業を怠り、畑をぼう然と眺めている日々が続いている。朝晩はいくぶん過ごしやすくなったとはいえ、昼間の暑さは真夏に引けを取らない。さらにだが、17年あまり飼っていた老犬が数日前に息を引き取った。ペットロスが起こるほど入れ込んでいたわけではないし、すでに半年以上寝たきりだったので気持ちの整理はついていた。ただ、埋葬するまでの何時間か、腐敗を防ぐ為に入れるドライアイスの入手がなかなかできず走り回ってしまった。都会出あれば日本炭酸などの販売所に行けばすぐに手に入れることができるのだが、地方にはそうした販売所はない。

 あと1~2回ほどだらだらとつまらない話を書いて、TCA回路の話を完結させたい。週末以降に台風が来そうだから、来襲の日を執筆に当てる予定である。停電しないことを願っておこう。

 さて、7月2日にニュースの見方という記事を書いた。梅雨入りじゃなかった、梅雨明け宣言が早過ぎたのではないかと批判と云うほどではない文章だった。個人的には早過ぎるのではないかと感じたからである。「まあ、早めに出しておかないと7月半ば過ぎからだらだらと降り続けられると、梅雨明け宣言する機会を逸してしまう。一旦宣言を出しておけば、後は夏の長雨とか夏の豪雨とか云って済ますことができる。」かもしれないがと危惧した内容だった。この危惧が当たってしまったわけだ。今回は気象庁が正直に訂正したと云うニュースが流れた。

『2022年9月1日 17:10

 気象庁は1日、今年の梅雨入り、明けの時期の確定値を発表した。速報値で梅雨明けの時期を6月下旬としていた九州南部と北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信の7地方をそれぞれ24~28日間ずらし、7月下旬と大幅に修正した。北陸、東北南部と北部は特定できないとした。多くの地方で観測史上最速の梅雨明けとされていたが、記録ではなくなった。

 気象庁は、速報値で梅雨明けの根拠とした6月下旬から7月初めの記録的な猛暑は「梅雨の中休みと言っていいような状態」と説明。7月中旬から偏西風の南下に伴う上空の寒気で、大気の状態は不安定になり、梅雨が続いていたと判断した。(共同通信)』

 補償を求められたり犯罪とされる可能性がないため、気楽にと云えば失礼だが訂正に対するハードルは低かったのではないか。昔、球場周辺の弁当屋さんにとって次の日の天気を予想情報は重要な経営情報であったと聞く。いまでは殆ど全ての球場がドーム球場になった為、天候による経営リスクは減ったに違いない。この訂正、あなた達の梅雨明け宣言が間違っていたから、その後の商売で大きな赤字が出たなどと、海の家の組合などから提訴されていたとすれば、この訂正は絶対にされなかっただろう。そういう意味で、平時の気象庁は楽な省庁であるのかもしれない。これが戦時であれば、ある軍団の装備、構成に天気は極めて大きな関連性を持つ。身を削るようはストレスを感じながら、予報を出していたに違いない。 本日天気晴朗なれども波高し。

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いやはや忙しいこの頃です

 5月の終わりにギックリ腰をやった事が原因で、7月終わり頃まで動けなかった。日本の季節の中で最も草が伸びるこの3ヶ月を、腰を庇いながらヨロヨロしていたわけである。ドラえもんである。雑草と呼ばれる名も知らぬ草々が、伸びた伸びた。手入れの悪い畑に目隠しとして植えていたソルゴー(もろこしとも呼ばれる)、2mを超えたようだ。そんなに伸ばして種子を作らせると、来年はそれらが発芽して雑草になると書いてあるのだが、穂にはびっしり種が実っている。雑草であっても沢山実が実るのは嬉しいものである。でも茎はとても堅い。乗用モアでゆっくりと切っても良いのだが、この植物体をワラマルチの代用にしてみようと思いついた。

 ソルゴーの横にトラクターを走らせた後で、そこに秋作のカボチャを植える。いわゆる冬至カボチャである。抑制栽培が可能であるカボチャの種を購入し、数日前から苗を作っているた。良い具合に育ってきたのでこれを移植し、その周りをソルゴーでマルチングして草の生育を抑えだけでなく、果実の敷きわらとして利用しようと云う企みである。ワラに比べてはるかに堅いソルゴーの茎であれば、果実の重さによる沈み込みを抑えることができるのではと期待している。カボチャを収穫した後は、すき込んでしまえば土壌の物理性の改善も期待できる。さてどうなるか、11月には答えが出るだろう。

 世界では食糧危機が叫ばれている。アメリカの西部、ヨーロッパ、中国は干ばつらしい。ロシアとウクライナの小麦も輸出がほぼ停止している。インドは米の輸出を停止し、パキスタンは国土の半分が水に沈んだという報道があった。そうしたニュースに特段影響されたわけではないが、今年は秋ジャガをかなり大目に植え付けることにした。季節的には一寸早いのだが、体力を考え植え始めを2週間ほど前倒しにしたわけである。秋作に適したジャガイモは男爵系の品種である。現在の所、男爵20Kgとデジマ20Kgを植え終わった。台風が通り過ぎた頃には芽が出るだろう。秋作には向かないといわれるメイクイーンの売れ残りが、40Kg以上コンテナの中で発芽している。物は試し、これも植えることにする。こうやって無理を続けているのだから、ギックリ腰が完治するわけがない。朝は地獄の一歩手前である。

 5日前だったかな百舌の声を聞いた。3日前から、鈴虫の声が聞こえるようになった。日が暮れたあとの風が涼しくなった。昼間の気温が30度を軽く超える状況とはいえ、季節は進んでいるようだ。それにしても忙しい。9月の4日に町内清掃がある。それまでに畑の外縁の草刈りをしておかねばならない。返還予定の畑の草刈りも期限が迫ってきた。カミキリムシの被害を受けているクリの木も実を付けたまま何本か倒れている。田んぼには電柵を設置しなければならないし、田んぼの内部に雑草が群生している。何とかせねばならない。作業を行いながらあれこれと世情について考えるのだが、夕食をとったあと一眠りすると全てを忘れている。いやなことが多いので、その方が幸せなのかもしれないな。

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寒がりなトマト

 トマトと云う植物は寒がりである。夏場はわが世の春を謳歌するがごとく枝を伸ばし、脇芽を伸ばしてゆく。トマト農家は40度を超えるような暑いビニルハウスの中で、収穫と脇芽摘みという苦行を強いられる。トマトの原産地は南米ペルーのアンデス高原といわれているのだが、熱帯の高原であることから気候は暖かく且つ寒暖の差は少ない。従って、原産地では冬に枯れることなく多年草として生育しているそうだ。筑波万博だったかな、水耕栽培した1本のトマトからて1万3,000個の果実を収穫した話があった。要するに、冬場の気温を上手くコントロールすれば越年も可能と云うことだ。

 しかし、日本では露地で栽培すると越冬はできない、秋の終わりには見る影もなく枯れてしまう。従って、市場に出ている冬場のトマトは、加温したビニルハウスの中で作られたものである。言い換えれば、冬のトマトは灯油の消費とバーターである。近頃、ガソリンや軽油のみならず灯油の価格も高騰している。このまま灯油の値上がりが続けば、トマトの生産量は減り価格は上がって行くに違いない。

 ジャガイモはトマトに比べると寒さに対して抵抗性が高い。霜に当たった新芽が枯れる場合があるとはいえ、私は春ジャガの植え付けは3月初旬に行う。勘の良い方はもう気付いているかもしれないが、ポマトについて書いている。1978年に、マックス・プランク研究所(分子細胞生物学・遺伝学研究所)のゲオルク・メルヒャーズが、細胞融合技術を用いて作出した雑種である。日本人は横文字表記を有り難がる傾向が強い。雑種をハイブリッドと言い換えると、突然高級品に見えてくるらしい。今でも誤解している人を見掛けるが、このハイブリッドは地上にトマトを生らせ、地下にジャガイモを作らせることを狙ったものではない。ポテトの持つ耐寒性をトマトに持たせることを狙った実験であった。

 トマトとジャガイモはともにナス科の植物ではあるものの、交配は上手くいかないらしい。(この部分は確認していない)従って、当時開発された細胞融合というという手法を使って、ハイブリッド植物を作出したというのが実情である。作り出されたポマトは、確かにトマトより耐寒性があったらしい。しかしこの植物、地上には小さなトマトをつけ、地下には親指程度のジャガイモしかつけなかったため、世間では失敗であると判断されたようだ。でも科学的に見れば良い結果であると判断していいだろう。ポマトはハイブリッドではなく雑種であったと云うことだろう。

 その後、色々な融合植物が作られた。トマピー =トマト+ピーマン、シューブル= 温州ミカン+ネーブル、グレーブル = グレープフルーツ+ネーブル、ハクラン = ハクサイ+赤キャベツ、ベンリ菜 = 小松菜+チンゲン菜、千宝菜 = キャベツ+小松菜などである。シュープルとグレーブル以外は商品化されているので、誰もが気付くことなく食べたことがあるだろう。そうだ、オレンジとカラタチから作られたオレタチもあった。では、動物細胞ではどうなのだと云う疑問が湧くかと思うけれど、動物細胞の細胞融合については一寸ばかり生臭くなるので書きたくない。センダイウィルスにでも聞いて下さい。

 動物細胞を使った細胞融合を一つだけ、金魚の細胞と象の細胞を融合させたらどうなるか、目的は皆目わからない。ただ、食えないと思う。名前がゾウキンだ。

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嫌なものを見つけた

 いま統一教会の問題で国会は大騒ぎ、内閣改造のための身辺精査云々でバタバタしているそうだが、何人かいや何十人かの国会議員が、フェイスブックでの都合の悪い投稿をこっそり密やかに消去している。消した人や組織にとって困ったことは、彼らの以前の投稿のスクリーンショット(近頃は短縮してスクショと云うらしいなどと書くのが年寄りの証明である)を持っている人がいて、以前の画面を公表する事であろう。消しきれないと覚悟した人は、そんなこととは知らなかった、要請があれば祝電くらいどこにでも出す、私は知らない・事務所に問い合わせてくれなどと、白々しい回答を繰り返している。まあ予想されるみっともない行動である。

 アメリカ疾病予防管理センターは Centers for Disease Control and Prevention の和訳名だが、これは公式の和訳名ではなく米疾病対策センター・疾患予防管理センター・疾患対策予防センターなど幾つかの用語が入り乱れている。通常はそのままCDCと使われる場合が多い。1946年に創設されたCDCは、アメリカのみならず世界の人々の健康と安全の保護を主導する立場にあるアメリカ合衆国の機関である。人に対して脅威となる種々の疾病について、調査・研究・対策を講じる世界的な研究機関としての役割を果たしている。というのが一般的な理解である。私も数年前までは、一応そういう機関として受け止めていた。でもそんな重要な機関に、どうして統一した和訳が存在しないのか、一寸考えてしまうな。

 2年前くらいかな、新型コロナウイルス感染症が蔓延を始めたあと、訳のわからないワクチン擬を推奨するCDCは、私にとって信頼に値するものではなくなっていた。これはFDAも同様である。そこで何を見つけたか、以下に示す。

これはCDCの公式ホームページのスクリーンショットである。

Understanding mRNA COVID-19 Vaccines

Updated June 16, 2022

2022年6月16日にアップロードされたもの

Understanding mRNA COVID-19 Vaccines

Updated July 15, 2022

2022年7月15日にアップロードされたもの

 見比べてみると、2022年7月15日にアップロードされたものにおいて、Facts About mRNA COVID-19 Vaccines の説明の3番目の項目が削除されている。その項目は

The mRNA and the spike protein do not last long in the body.

  • Our cells break down mRNA from these vaccines and get rid of it within a few days after vaccination.
  • Scientists estimate that the spike protein, like other proteins our bodies create, may stay in the body up to a few weeks.

という部分である。一応和訳する。

mRNAとスパイクタンパク質は体内には長期に渡って存在することはない。

我々の細胞はこれらのワクチンのmRNAを分解し、ワクチン接種後数日以内に処理してしまう。

科学者たちは、スパイクタンパク質は我々の体が作り出す他のタンパク質と同様に、最大で数週間体内に留まる可能性があると見積もっている。

 CDC は何故この部分を削除したのだろう。接種に用いられるmRNAはそれ自身が安定になるように設計されているだけでなく、安定な脂質に包まれている。以前に体内において3ヶ月くらいは存在すると云う報告を見たことがある。6ヶ月と云う話を聞いたこともある。逆転写を起こし肝細胞のDNAに組み込まれると云う報告もある。言葉は難しい。長期にわたって存在することはないと云われても、長期とはどれくらいなのかは読者の判断だ。同じくらい難しいのが、 a few days と a few weeks で使われている a few の意味だ。我々は2~3 のと受け取る場合が多いが、これが several と同じであるとすればもう少し長くなる可能性もある。

 それにしてもこの「mRNAも生成されたスパイクタンパク質も、体内には長期に渡って存在することはない」という項目が密かに消された裏には、消さねばならない何か決定的な事実があったとしか思えない。アメリカのみならず、人類の健康と安全の保護を主導する立場にあるアメリカ合衆国の機関であり、人類に対して脅威となる種々の疾病について、調査・研究・対策を講じる世界的な研究機関としての CDC である。そのCDC が、ホームページの記載事項、それもワクチンに含まれる主成分であるmRNA とスパイクタンパク質の体内での存在期間に関する記載を、コメント一つないまま消去した。何故だろう。これから先を考え、どう行動するかを決めるのは良識と常識をもつであろう読者だ。陰謀爺はここで書くのを止める。

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お盆興行 3

 昨年も書いたが、お盆興行です。霊感はあまり無いと思う。ただ、住む場所がかなり異質な場合が多かったので、いくぶん以上に納得できない現象に出会ってきた。本人がそれを心から信じているわけではない。科学者として常に疑うという立場を失ってはいないつもりだ。でも、起これば何らかの対応は必要である。科学を志すとしていくぶん以上の躊躇いを感じながらも、あるお寺の門を叩いていた。

 三十路を少し過ぎて、ようやく職にありついた。論文を書くより実験を進めるほうが遥かに面白かったので、実験ばかりしていた。よくあんな状況の私を拾ってくれたと、その大学に少しだけ感謝している。何故たくさん感謝しないのか、その理由は横に置く。職を得て二月ほど経った頃から猛烈に体調が悪くなった。まあそのうち直るだろうと我慢していたのだが回復しない。夜間のソフトボールチームに在籍していたのだが、打率が2割ほど急降下した。研究室に誰かいるような気がするのだが、見える筈もない。

 仕方なく、お寺の門をくぐった。ご住職にどうしましたと聞かれ、とにかく体調が悪いと答えた。どこが痛いとは言わなかった。そこはまだ研究者としての意地が残っていたわけだ。そうですかと答えた彼は、ご本尊に向かい手を合わせ不動明王の呪を唱えた。暫くの沈黙の後にこちらに向き直り、あなたの前任者が頼ってきてますよ。お亡くなりになったのではないですかと聞かれた。一寸待て、私は前任者を知らない。その人がお辞めになったからポストが空き、私が採用されただけだと思っていたわけである。とにかく供養をしておきましょう。数日で直ります。

 次の日、以前の経緯を知っていそうな人に俺の前任者はどんな人と聞いた。「ああ○○先生ね、先月九大病院で亡くなっていますよ。知らなかったんですか。」「知るわけないよ、会ったことはないし誰も教えてくれないんだから。」彼はある臓器のガンだったと聞いた。私の痛い箇所と一致した。そう言えば暫く前に、同僚達が葬式に出かけて行ったことを思い出した。「やだよ、こんなの」と思ったが、どうしようも無い。症状は一週間ほどで消えた。科学者としては、完敗である。

 お寺に行ったその時、もう一つ云われたことがある。「前任者だけではなく、もう一つ関連がありそうなものがあります。あなたが居る建物の下に、亡くなった人がいます。一人ではないですね。貴方が元気であれば問題はないでしょうが、体調を崩された時は影響が出るかもしれません。」意味がわからなかった。七階建てのビルの下に遺体があるのか。都市伝説で、倉庫業者の○○組のどこどこの倉庫の下には、死体が埋めてあるなどと云う話はきいたことはあるが、ここは大学である。そんなことがあるものかと思いながら、長年勤めていた事務の人に尋ねた。この場所、以前はどんな場所だったんですか。嫌な答えが返ってきた。「炭鉱の跡地です。窓の外に見える小さな山を指して、あれボタ山ですよ。落盤事故があって会社潰れたと聞いています。

 そうした感受性を持つ学生もいて、ある教室で寝ると金縛りに会うと話してくれた。私も寝てみたが、私には何も起きなかった。別の学生は、ある教室には入れないと言い、授業がある時は盛り塩をして入っていた。もう捨ててしまったが、別の教室で写真を撮ると、幾つかのオーブが浮かんでいるのを頻繁に撮ることができた。

 半分諦めた、体調が悪くなったらお寺へ行こう。しょうがないな。その後、何度もその寺に通っている。まあ、ホームドクターみたいなものである。逃げ道があると思えば、人生楽しく暮らせると悟ったわけである。でもまだ、探求心は残っている。試すと云えば失礼だが彼に何が見えているのか、すごく興味があるのも事実である。

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