虫害

9月が終わるというのに、日中の気温は33度位ある。気象庁の報道する気温は、風通しの良い芝生の上、白く塗った百葉箱内の日影の気温であるから、この温度を信じて外出すると酷い目に遭う事が多い。とにかく今年は暑かった。

こんな暑い年は、害虫による食害が酷い。先ずカメムシ、色々な種類のカメムシが存在し、ほぼ全ての果菜類、果樹類、葉菜類のみならずイネをも食害して斑点米と呼ばれる等級の低い米の原因となる。我が農園でも甘柿が酷い被害を受けた。まともに食べられる果実は1本の木に1個あるかどうか分からないような状況である。渋柿がどうなっているかは未だ見ていない。ナスも8月後半から傷だらけである。とても売り物にはならない。もっとも、傷の部分を除いて自家消費という事になったため、夢にでるほど食べる事ができた。

ゴーヤも同様である。8月の半ば過ぎからワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ)が繁殖した後、ハスモントヨトウとカメムシによる食害で今季終了である。枝豆として食べようと植えた黒大豆もハスモントヨトウのために葉脈だけになってしまった。減反政策の続きで3年に一度水田での大豆栽培が行われているのだが、この大豆もハスモンヨトウのせいで葉っぱが食べ尽くされている。例年通りのスケジュールで農薬散布は行われたのだが、発生を抑えきれなかったと聞いた。来年は国産大豆も不足するかもしれないな。

梨とブドウは袋掛け栽培なので、さほど大きな被害は聞こえてこない。とはいえ、サツマイモやサトイモの葉はハスモンヨトウに食われて、茶色に変色している。農薬を上手く使っている人の畑はさほどでもないが、減農薬を目指して丁寧に育てている畑の方が被害が多そうである。我が農園のサツマイモは、草取りを全くしていなかっため、イネ科の雑草に覆われてハスモンヨトウがイモの存在に気付かなかったらしく、今の所食害はほとんどない。とはいえ、ようやく葉っぱに陽が当たり始めた状況だからちゃんとしたイモがはいるかどうかは別の問題である。

食害を受けた畑に見切りをつけ、秋作の野菜を植え始めている。ダイコン、カブ、キャベツ、白菜などがそうであるのだが、発芽したばかりの苗を、ヨトウムシが次々と食べていく。それは当然の話である。ヨトウムシが一杯いる畑から前作の野菜を取り除き、耕した畑に種まきをするのだから、食を奪われた彼らが次に生えてくる野菜を食べるのは当たり前であろう。不必要な農薬は使わないようにしているが、今年はベイト剤を使うしかないかなと考え始めている。

それはそうと、庭に植えていた桑の木に野蚕の幼虫がいた。飛ぶ能力を失っていない原種の蚕である。大きさからして最終令の幼虫らしく、突いてもほとんど動かない。サナギになる直前の眠(みん)の状態らしい。とすれば明日か明後日には繭を作っているだろう。

 

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