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本当? 投稿時間が微妙だな
我々の数十年にわたる常識に従えば、骨髄がほぼすべての血液成分を作っていると考えられてきた。とはいえ、肺の中に骨血小板を生成する「巨核球」と呼ばれる細胞の存在が知られており、少量の血小板が肺で作られる可能性は唱えられていた。
ところが、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームは「生体2光子励起イメージング」技術を用いて、肺組織の中に血小板を作る巨核球が驚くほど大量に存在していることを発見しただけではなく、マウスの肺のなかで1時間あたり1000万個以上の血小板を生産していることを報告した。この数は、マウスの全血液に含まれる血小板の過半数に相当するという。
The lung is a site of platelet biogenesis and a reservoir for haematopoietic progenitors
Emma Lefrançais, Guadalupe Ortiz-Muñoz, Axelle Caudrillier, Beñat Mallavia, Fengchun Liu, David M. Sayah, Emily E. Thornton, Mark B. Headley, Tovo David, Shaun R. Coughlin, Matthew F. Krummel, Andrew D. Leavitt, Emmanuelle Passegué & Mark R. Looney
Nature (2017) doi:10.1038/nature21706
Received 24 April 2016 Accepted 14 February 2017 Published online 22 March 2017
日本にも千島学説と呼ばれる一般的には認知されていない学説がある。この学説の8大原理といわれるものの中に、「腸造血説」と呼ばれる赤血球は骨髄ではなく腸の絨毛で造られるとする説がある。
ことの真偽は別として、常識的には腸と肺は内胚葉由来、骨と血球を含む血液は中胚葉由来とされている。とすれば内胚葉由来である肺の細胞から中胚葉由来の血液成分が造られるというこの結果は、幾分不可解な気がしないでもない。肺は増える場所を提供しているだけで、巨核球そのものは骨髄由来というストーリーの可能性もあるのだろうか。
私は、この分野にはさほど詳しくないことを自認している。大きなことを言える柄ではないが、いわゆる定説に対して一つだけ疑問を持っている。脊椎を持たない生物は、どこで血液を作っているのか。この話を進めると、免疫系となんらかの関連がありそうに思われる。即断はできないが、腸が免疫現象の大きな部分を担っていることが明らかになってきたことを考えると、少し突き詰めた実験をしてみたらどうだろう。
私は実験したことはないのでどちらが正しいか断定はできない、一応通常の学説が正しいだろうと思ってはいるが、千島学説が正しくないと断定する前に(世間では断定している)、同じ技術を使えば容易に腸造血説の検証ができそうに思える。正しい理論であっても、認められるまではとんでも学説として否定されるケースがとても多いのです。
私の Oxygenative explosion 仮説、 Hidden burden 仮説、レセプター乗っ取り仮説、人間バケツの穴仮説なども、間違いなくトンデモ理論として扱われています。いや、無視されています。本人は至極真面目に考えているのですが・・・。ふふふ
論旨に間違いがあるかもしれません。4月1日に書いた原稿ですので、注意してお読みください。
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忖度不感症
ブログを書き続けている。金にもならないのによくもまあ続くものだと、本人自身が思わないでもない。書き始めたのが2013年だから、もう足掛け4年になる。ネット上には、それなりのレベルと内容を含んだ科学系ブログが存在するが、数年で書き尽くした感じになり放置されているものも少なくない。一人が斬新な発想をそんなにたくさん生み出し続けるわけではないのだから、それはそれで仕方ないだろう。もう少ししたらネタ切れになる可能性が私にも存在する。ブログを閉じるための終活をどう進めるか、あるいは継続する場合はどのような形をとるかなど、いろいろと考えながら雨天と深夜を中心に書き続けている。
長年続いているブログを見ると、ネタが切れた様に見えた後、ブログ主の本を読んだ感想や時事問題への解釈と提言、新たな科学的知見の紹介などを織り込んで、上手くつないでいるようである。そういう方向での転換が私に上手くできるかどうか、これが今後を書き続ける上での課題になるだろう。とはいえ、このブログが、3月の訪問者4,500人余り、PVは約30,000、読まれた文書の容量が6GBを超えるまでに成長したことを考えれば、今少し書く努力を続ける価値はあるのだろう。
現状では農作業が結構忙しく、執筆時間が取れないのが枷になっている。もう少し年をとって、農業を縮小すれば執筆時間はあるのではと思わないでもないが、その頃には発想が尽きてしまっているかもしれない。書き続けるためのモチベーションはさほど高いとは思えないが、いつも世間とは離れた位置から判断を続けてきた「いつも少数派」としては、物事に対し少し違った視点を提供することは可能かもしれない。
例えば忖度、流行りである。美作のコムス、松友、加計、もったいない学会などで、指示か口利きか忖度か何もなかったかが大きな問題になっている。通常の社会人から見れば、少なくとも口利きか忖度程度は有ったとしか思えないが、なかったと強弁する人が権力を握っている。この問題をどう処理するかは横に置いて、なかったという人の忖度感について考えてみてもいいだろう。
この首相は、安倍晋太郎という有力な政治家の子供であり、反戦を貫いた安部寛の孫であると同時に、昭和の妖怪と呼ばれる岸信介の孫に当たる。岸信介の弟は日本では稀な長期政権を達成した佐藤栄作である。こうした背景を持つ安倍晋三氏は、子供の頃から本人はあずかり知らぬ忖度、追従、オベンチャラの海の中で育ってきたに違いない。安倍夫人の方も同様である。森永製菓創業者の家系に生まれ、父は第5代の社長である。この方もまた社長令嬢として、忖度、斟酌、顧慮、勘案の中で育ってきたと思われる。その結果、周りの人々が忖度を働かせていることに対する感受性を麻痺させていったのだろう。つまり、彼らは忖度不感症にかかっているのではないか。
本来なら周りからの忖度や斟酌、阿諛追従が、私にではなく私の座っている椅子に対してなされているに過ぎないと気づくべきなのだが、この二人にはその感覚が育っていたようには思えない。首相は、私が総理大臣であり私の言うことが正しいと、興奮のあまり論理から逸脱して”私が絶対正しい宣言”をしてしまった。出走馬がコースを走らずにパドックに走り込んだような気がした。夫人は夫人で、私は人と人をつなぐ善意の架け橋とばかりに、周りの思惑の牧柵を軽々と飛び越えてしまったように思われる。今回の森友疑惑、首相に怒られるかもしれないがアッキード事件、その裏に政治的動きがあったことは間違いないとしても、首相夫妻の未成熟な部分が表出したように見える。証人喚問確定かな。
明日、いや今日は4月1日、解散総選挙とか総辞職などと言うガセネタが飛び交うのでしょうね。
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過剰と蕩尽 32
ここまでの話の中にもあれこれと付け加えるべきことはあるが、ピリミジン塩基の生合成を見た後で総合的に考えることにしよう。まず、ピリミジン塩基を持つ核酸塩基類、即ちリボース残基を持つウリジン3リン酸、シトシン3リン酸、チミジン3リン酸と、それらに対応するデオキシリボース残基を持つ核酸塩基類の生合成系についてである。最初に、すべての塩基の生合成に共通な部分、つまりUridine monophosphate(UMP)までの経路についての議論を行い、その後にUMPから放散していく興味深い経路の部分を見ることにする。
下にヒトのピリミジン塩基生合成の図を示す。いわゆる高等生物においては系の重層度が高いためどの系を選択して議論すれば良いか良いかの判断が難しい。(KEEGからの転載)
図を見れば明らかだが、一つの系を動かすのに複数の酵素群が存在する場合が多くこれを簡潔に説明するのはかなり以上に難しく感じる。また、それらの系の関係を正確に把握するのも難しい。従って、プリン塩基生合成の場合と同じように系統樹の根元に近い位置に位置する古細菌 である Pyrodictium delaneyi の持つ系をモデルとして話を進めることにしよう。
では次の図を見てほしい。ここに示しているのがピリミジン塩基生合成の前半部分、即ちUMPまでの生合成を有機化学的に見たものである。
まず原料である二酸化炭素が水和して生成する炭酸のアニオンがATPを攻撃して炭酸とリン酸の混合酸無水物を形成する所から始まる。言い換えれば、炭酸のカルボニル基の活性化が起こった訳だ。この活性化されたカルボニル基が、グルタミンの加水分解で生じたアンモニアによる求核攻撃を受けカルバミン酸が生じる。カルバミン酸は不安定な物質で普通の条件下ではすぐに二酸化炭素とアンモニアに分解するのだが、多分この場合は酵素と結合した形で安定化しているのであろう。そのカルバミン酸がもう一分子のATPと反応して、カルバミン酸とリン酸の混合酸無水物であるカルバモイルリン酸が生成する。このカルバモイルリン酸においても、カルボニル基の反応性が高くなっているため、そのカルボニル基をアスパラギン酸のアミノ基が攻撃しリン酸が脱離する求核置換反応が起こりN-Carbamoyl-L-aspartate が生成する。化合物名から見て分かるように、アスパラギン酸のアミノ基がカルバモイル化されたモノとして見て良いが、視点を変えれば尿素の窒素原子がアルキル化されたモノとして捉えることも可能であろう。
N-Carbamoyl-L-aspartateのα位のカルボン酸とカルバモイル基のアミノ基との間で脱水を伴う閉環反応が起こると(S)-4,5-Dihydroorotateが生成する。次に、酵素の塩基性の部分が4位の炭素上にある水素原子を引き抜くのだが、この引き抜きに伴って図示したような電子対の移動が起こり、最終的に5以上の水素原子がハイドライドイオンとしてNADP+に存在するピリジン環の4位へと移動する。このハイドライドイオンの移動に伴う電子対の移動は図に示したとおりである。何度も繰り返すようだが、水に極めて不安定なハイドライドイオンが、ヒトを含むすべての生物の中で動き回っている訳だ。とにかく、NADP+の還元に伴う4,5-ジヒドロオロト酸の酸化(脱水素)によって、オロト酸が生成する。
次の反応は、このページの最終産物であるUMPの形に合わせるため、オロト酸を60度だけ右向きに回転させて描いている。オロト酸2位の水酸基のエノール化に伴い3位の窒素原子がアニオンとして5-Phosphoribosyl diphosphateの1位の炭素を攻撃し、ピロリン酸の脱離とともにオロチジン-5’-リン酸を生じる。生じたオロチジン-5’-リン酸は脱炭酸酵素によって脱炭酸され、このページの最終産物であるUridine monophosphate(UMP)を与える。
初めの頃から拙ブログを読んでいる方であれば、さほど難しい反応は存在しない。基質レベルでの酸化反応と脱炭酸反応がそれぞれ1段階あるのみで、それ以外はすべて単純な2分子求核置換反応である。この生合成に関与している物質については、グルタミンがよく出てくるな、アミノ基の導入にアスパラギン酸を使うのか、ATPの消費が激しいな、プリン塩基生合成と同じくリボース残基は5-Phosphoribosyl diphosphateに由来するのかなどという感想が存在するかも知れない。2種類のアミノ酸については、以前から疑惑の俎上にあげているTCA回路と呼ばれている系に由来する。5-Phosphoribosyl diphosphate はペントースリン酸経路から流れてくる化合物であり、この経路に意義づけに重要な役割を果たすべき物質であろう。ATPはATP問題として最後に議論する予定である。
そこで次の図だが、まず反応は横に置いて全体像を示すことにする。出発物質が右上で生成物が左になっているが、特に理由はない。KEGGの図を参照しながら描いていたら、こうなってしまったということである。
代謝の各段階の上にそこで働く酵素のECナンバーを示している。さらに青色で示した酵素反応はすべてキナーゼの仲間であり、ここで起こる反応すべてATPからのリン酸基の転移であり、いままで何度も描いてきた反応である。一方、赤色で示した酵素が働く段階は幾分難解である。とは言え、EC1.7.4.1およびEC1.7.4.2が働くリボース残基のデオキシリボース残基への変換反応は、プリン塩基生合成ですでに述べている。
では総論から始めることにしよう。前ページで生合成されたUMPが、UMP kinaseの触媒下にATPからリン酸残基の転移を受けUDPとなった後、再びATP:nucleoside-diphosphate phosphotransferaseの存在下にもう1個のリン酸残基をATPから受け取ってUTPが生産される。UTPまで来れば、EC6.3.4.2即ちCTP synthaseによってCTPへと変換された後、EC3.5.4.13つまりdCTP deaminaseによって脱アミノ化を受けdUTPになるのだが、後者の反応はUTPからCTPへの変換と逆向きの反応である。
とにかく生合成されたdUTPはATP:dUDP phosphotransferaseの触媒下に1つのリン酸残基をADPへ移してdUDP、dUDPはATP:dUMP phosphotransferaseの触媒下にもう1つのリン酸残基をADPへと移してdUMPとなった後、葉酸を補酵素とするメチル基転移酵素によりdTMPに導かれる。その後2段階に渡るATPからのリン酸基の転移を受けdTTPが作られる訳である。この生物には、UTPから直接dUTPに行く系も存在するし、dUTPからピロリン酸を除去して直接dUMPへ向かう系も存在する。
全体を眺めたときに感じる違和感は、シトシンをデオキシシトシンへとデオキシ化する系がなぜ重複しているのかということ、dUTPからdTTPへの変換が何とも遠回りだなということ、さらにRNAとDNAの生合成では使われないのにdUTPが生産されていることくらいだろうか。また、ATP-ADPの変換に伴う反応がこの系を支配しているように思えるのだが、読者の方々はどのように感じられるのだろうか。勿論、そうなっているのだから仕方ないだろうという捉え方があるのは理解している。神はそうお作りになったのだといわれれば平伏するしかないが、私は密教に興味を持つ仏教徒であり神が作ったとは考えない。少なくとも、知力の限りを尽くして考察した後で、そうなっているのかと思いたい。考えることなしにこの結論に至るのは、知的怠慢であるというのが私の意見である。
過剰と蕩尽 33 に続く
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豚と猪
今年の春に、12本アンズの苗木を植えた。苗木は結構高価であり、いつ元が取れるか分からない。とは言え、アンズはバラ科に属する樹木で、花は桜や梅に似てとても美しい。花を楽しめればいいかという気分が半分ほどある。実がなるのは2年後くらいからだろう。私は現代風の甘さを強調し酸味を抑えた果実の品種は余り好きではない。イチゴでいえばあまおう、イチジクでいえばとよみつひめ、リンゴではふじなどである。もちろんこれは個人的好き嫌いにすぎないので、そうじゃないという人がいても何ら問題はない。(どこかの幹事長みたいだな)ただ、甘さを重視する人が増え、酸味の強い品種が店頭に出なくなりつつある現状はいくぶん寂しいと感じているだけである。そんな理由から、アンズは酸味のきいた品種「信濃大実」2本、「新潟大実」2本、「平和」6本とし、甘い生食用の品種は「ゴールドコット」の2本に押さえた。
植える場所の周りを耕し堆肥を入れて丁寧に植え付けたのだが、悔しいことにそれから毎日3〜5本の苗木が、悪意でもあるかのごとく根っこから倒されている。原因はイノシシ、彼らは四つ足である。上側に通っている道路から、鵯越さながらの急斜面を駆け下って私の畑に侵入するらしい。罠をかけて捕獲するのはたやすそうだが、捕獲すれば猟友会にでも頼んで射殺するしか方法はない。畑は本来彼らのテリトリーであったのかも知れない。私が新規の侵略者かも知れないなどと考えて我慢していたのだが、昨日はまた3本が倒された上にワラビ畑を掘り返されてしまった。
豚を放牧して、耕作放棄地を再生させる話をいくつか聞いたことがあるが、確かにそれができるかも知れないと思う。イノシシは豚の本家筋に当たるだろう。話によれば、70Kgくらいの岩であれば掘り起こすという。上の場所も、ワラビの根っこが縦横に走っており、人力でここまで掘るのは大変な作業である。
桑の木の場合は、PVP(Plant Vareity Protecection: 植物品種保護)のかかっていない品種を必要な本数の3倍程度を挿し木しておき、被害があればすぐに補充するのだが、アンズでは母木がないのだからそういう訳にはいかない。掘られては植え直して水をやる繰り返しである。こんなことを繰り返していては活着など夢の話だと思い、仕方なく電柵を引っ張り出して設置することにした。二時間ほどかかってラインを張り出力チェック、果たして効果があるかどうか、明日が楽しみである。
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