臥薪嘗胆

 昔一度書いた事がある。法律に書いてある条文は、たとえ死文化した状態にあったとしても即座に生き返らす事ができることを考慮すべきであると。

 国際連合憲章の条文のうち、「第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国」(枢軸国)に対する措置を規定した第53条および第107条と、敵国について言及している第77条の一部文言を指す。一寸引用しよう。イタリック・ボールドの部分で、下がその解説である。

国際連合憲章第53条

 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。

 「第二次世界大戦中に連合国の敵国だった国」が、戦争により確定した事項を無効に、または排除した場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可がなくとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止できないとしている。また敵国の侵略政策の再現に備える地域的取極がなされている場合も、安保理の許可がなくとも敵国に対して制裁(軍事的若しくは経済的な。憲章第7章定義)を課すことができる。

 国際連合憲章第107条

この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。

第107条(連合国の敵国に対する加盟国の行動の例外規定)は、第106条とともに「過渡的安全保障」を定めた憲章第17章を構成している。第107条は旧敵国の行動に対して責任を負う政府が戦争後の過渡的期間の間に行った各措置(休戦・降伏・占領などの戦後措置)は、憲章によって無効化されないというものである[4]。

「敵国条項の対象国」
日本国政府の見解では日本、ドイツ国(現ドイツ連邦共和国)、イタリア王国(現イタリア共和国)、ブルガリア王国(現ブルガリア共和国)、ハンガリー王国(現ハンガリー)、ルーマニア王国(現ルーマニア)、フィンランド共和国がこれに該当すると解釈している。一方でタイ王国は連合国と交戦した国であるが、この対象に含まれていない。またオーストリアは当時ドイツによって併合されていたが(アンシュルス)、旧敵国には含まれないという見方が一般的である。

 107条の「責任を負う政府」についてはアメリカ合衆国・イギリス・フランス[5]・ソビエト連邦(継承国はロシア連邦)・中華民国(継承国は中華人民共和国)を含む51の原加盟国すなわち第二次世界大戦における連合国を指すとする説が有力である。

 私は国際法の専門家ではない。全くのド素人である。しかし、日本政府が自らを敵国条項の対象国であるという認識を持っているだけでなく、北方領土問題や尖閣諸島の領有権問題に関してロシア。中国がこの条項に言及した経緯を考えれば、この敵国条項が死分化したものとして安易に考えるのは余りにも愚かだと考える。

 政治、特に国際政治においては正しいか正しくないかは、倫理や道理によって決まるものではなく勝者が決めるものである。机の上ではにこやかに握手をしながら、机の下では鉄を入れた靴先で蹴りあっているのが国際政治であり国際交渉である。我々の世代だけでなくそれ以降の世代も、国連は正しい、国連は公平である、国連は倫理的であると教え込まれてきた。しかし、安保理の不条理な決定、常任理事国の身勝手な行動、ユネスコの行った文化破壊、近年金の亡者になったWHOの暴走などなど、きれい事では済まされない状況を見るにつけ、我々は賢い現実主義を身に付けなければならない。尖閣諸島問題で中国と対立し、ロシアと戦争をしているウクライナに金銭的援助を与えるのみならず自衛隊機を派遣してロシアと対立し、北朝鮮のミサイル問題で北朝鮮と対立し、一応自由主義圏の仲間であるにも関わらず韓国とも対立する。アメリカは後で掛け声をかけ武器は輸出して儲けるが、ウクライナを直接支援はしないという現実を考えれば、周辺4カ国全てと対立するのは無謀だと考える。

 私だって好悪を聞かれれば、濃淡が有るにしろ前に書いた国々の全てが好きではない。ロシア・・・やはり不信感は捨てきれない、北朝鮮・・・理解の範疇の外にいる、韓国・・・約束をしても政権が変わればすぐに反古になるだろう、中国・・・金の亡者で総書記が代われば政策も変わる、アメリカ・・・他国に内政干渉の限りを尽くす世界の疫病神、これらの国々だけでなくそれ以外の国であっても同じような条件は存在する。では鎖国をするかといわれれば、この時代に完全な鎖国は難しそうだ。

 何が言いたいのかといえば、我々の国は色々な言い分は有ったにしろ先の大戦で敗北し、ポツダム宣言を受け入れた。サンフランシスコ講和条約を締結し、国連憲章を受け入れて国連に参加した。アメリカとの安全保障条約を受け入れ、その傘の下で一時的な経済成長を享受したが、その果実は外国資本に持ち去られ続けている。これらの歴史は、正しいとか正しくないとかではなく、もはや動かないものである。勿論、その中に動かすべきものが多々ある事は認識しているし、改善すべき事項はいくつも存在する。その一つが先に述べた敵国条項である。しかし、いくつもの不満が有るという理由で、全ての枠組みを白紙に戻せ、日本は正しかったという主張をし、その主張に従った行動をとれば、他の国々から凄まじい批判と攻撃を受けるだろう。当時の日本政府は、そうした不満を飲み込んだ上で、国際社会に復帰する道を選んだのである。従って、その原点を認めたうえで、日米修好通商条約をはじめとする不平等条約軍の改訂に明治政府が苦労したように、凄まじい労力を費やしながら少しずつ進めるしかない。

 「第二次世界大戦中に連合国の敵国だった国」が、戦争により確定した事項を無効に、または排除した場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可がなくとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止できない」とする敵国条項の下で、日本という国家がロシアーウクライナ戦争にどこまで関与できるのか。ロシアに入れ込めば米英、特にアメリカからの圧力が絶え難くなるだろう。ウクライナに入れ込めばロシアと中国から敵国と判断されるに違いない。日本政府とマスコミの現在の対応には、アメリカに対する忖度と追従する姿勢しか見えない。殆どの場合、戦争は一方的に片側が悪いなどという事はない。双方の国家の言い分を過不足なく報道し、公平な立場で論評する。どちらかに加担するにしても、人道的援助という形で収め軍事的関与は避ける。都合のいい事に、憲法9条がある。こんな時に使わなくて何時使うのだと思う。

 日本のマスコミは殆ど伝えないが、ハンガリー ドイツ イタリア オランダ オーストリアはアメリカによるロシアに対する石油・天然ガスを含む経済制裁に反対の意向を持っている。それは当然である。各国とも50%前後のエネルギー源をロシアに依存している。もしルペンがフランスの大統領選に勝てば、フランスも上のグループに加わるだろう。アメリカはEUという統合組織に経済制裁を強いているのだが、内実は一枚岩ではなさそうである。もっと矛盾しているのは、先週の木曜日、インドを訪問した米国のダリープ・シン国際経済担当国家安全保障副顧問は、ニューデリーで、ワシントンはインドのロシアからの石油購入が「急速に加速」することを望んでいないと語った。にもかかわらず、米国自身によるロシアの石油の輸入量は、3月19日から25日まで、前週に比べ43%増加したという。データによると、米国は同期間に1日当たり最大10万バレルのロシア産原油を輸入した。

 政治的善悪は無視してお金の流れを追うとすれば、アメリカのみならず各国の軍事関連企業はすごく儲かっている。在庫処分も順調に進んでいるだろう。石油の値段が上がったし天然ガスの値段も上がった。どこが儲けているか言わずもがなであろう。このまま進むと、ヨーロッパの国々が疲弊して行くだろう。要するに全ての国が、外見上どちらかの陣営に所属して得るように見えるが、実際には自国のおかれている状況に応じて被害を最小に抑えるよう実利を求めて動いている。そうしたずるさを持たない政府は、国民のためにならない。

 ちょっと焦っています。このままでは、ロシア軍を東西に分裂させるための戦争をアジアで始めさせられるのではないかと危惧している。負け犬的思考としてではなく国のおかれている状況と我が国の成り立ちからの、現実的対応策を考える必要がある。置かれている状況すなわち地政学的リスクについては上に書いた。成り立ちの問題を少し書いておく。

 日本という国は、戦争には向かない国土を持っている。まず、戦略的縦深性がない。敵に上陸を許しても国内で退却を続けて敵の補給線が伸び切るのをまって反撃するなどできそうもない国である。日本の国土で海岸から100Km以上離れた場所は北海道中央部だけであろう。これは軍事関係者にとっては常識であり、それ故に日本は海外での戦争しかしてこなかったわけである。さらにだが、基幹的交通インフラが近接して走っている部分がある。よく知られている事だから隠すほどではないかと思うが、具体的な地名は書かない。そういう理由のため、核兵器3発で国家としての組織的軍事行動は麻痺するのではないか。

 では日本の山岳地方にこもってゲリラ戦ができるかといえばこれも疑問である。チェ・ゲバラの言葉をいくぶん変えて引用すれば、《地元住民の積極的な支持と献身的協力 ・逃亡、休養、訓練、再編成などを安全に行うための後背地(聖域) ・兵器や物資の安定供給を約束してくれる支援国家を必要とする。これら三要素がゲリラ戦には必須であり、さらにゲリラ戦だけでは最終的勝利は得られない。最後には正規軍同士の決戦に発展させる必要がある》としている。日本の山岳地帯に軍事工場がある訳もなく、国内では自衛隊にしか重火器は存在しない。まずガソリンも軽油がすぐに底をつくだろう。スイスなどと違い民間人はすべて丸腰であり軍事行動などできるはずもない。つまり継戦能力を考えると、水際で防ぐタイプの戦争しかできないと考えてよいだろう。海外出兵は敵国条項が生きている限り自殺行為である。

 まだ不利な条件はある。1944年(昭和19年)12月7日に、M7.9の地震である東南海地震が紀伊半島南東沖を震源として発生した。2年後の1946年12月21日には、南海トラフの西側でマグニチュード8.0の昭和南海地震が発生しました。別に脅す訳ではないが、現在は政府自体がかなり高い地震発生確率を発表し注意を喚起している状況下にある。1944年の東南海地震では、名古屋周辺にあった軍需工場が被災して大きな損害を被ったという。日本はそんな不安定なプレート上に存在する国家である。遠くない時期に巨大地震の発生が予想されるだけでなく、いくつかの火山にも大きな噴火の可能性が報道されるこの時期に、片方の国家に入れ込み過ぎて戦争に巻き込まれる事に凄まじい危うさを感じている。日本国政府よ、日本人のために働いてくれ。

 ついでだが、つけ加えておく。農業用運搬車の納期がかなり遅れている。12月初旬に頼んだものがまだ入らない。乗用草刈車の納期もいつになるかはっきりとしない。何が言いたいかといえば、日本は民生用機械部品の多くを中国に依存している。新車の納期が長くなっているのも、中国依存が原因の一つであろう。上海のロックダウン、どこに真実があるのか分からないが、機械類の生産・修理に甚大な影響を与えている事は間違いない。まさか自衛隊の装備品を外国企業に依存しているとは思いたくないが、実際のところどうなんだろう。コンピュータ用のチップの生産も同じだ。日本企業を潰したのは日本の政治家である。そしてコンピュータチップが足りないから車の生産が滞っていますなんて、よく言えたもんだと思うのは私だけだろうか。先日、TSMCの工場を熊本に作る話がまとまったようだが、そこに出す支援金をルネサスをはじめとする日本企業に出すべきだと思っている。国内企業を差し置いて外国企業に金を出し続ける経産省に、怒り心頭の状態である。TSMC、見かけは台湾企業だが、どうも人民解放軍とのつながりがあるらしい。さらにだが、外国人労働者、留学生など、考え方を変えればスリーパーである可能性も捨てきれない。そんなことを言っていたら何も出来ないではないかという反論がある事は重々承知しているが、長野オリンピック直前に起こった事件はまだ忘れられない。

追記 政府はウクライナにドローンを送るそうだ。武器輸出禁止3原則に抵触しないのかな。「国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合」には、武器を輸出しないと決めていたと記憶している。どういう判断でここまで前のめりになるのか理解できない。ああ、ワクチンと一緒か。免疫寛容現象に似ているな。

 

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ケシは何故「モルヒネ」を作るのか・・・追記

 ケシは何故「モルヒネ」を作るのかという記事を書いた。書いた本人の中では結構気に入った記事である。まず、適用範囲が広い仮説を作ったなと思うからである。ケシの部分に別の植物名を入れ、モルヒネの部分にその植物の作るアルカロイド名を入れれば一つの物語が描けてしまう。つまり、何故チョウセンアサガオはアトロピンを作るのか?とか、何故マチンはストリキニンを作るのか?とか、何故ヒガンバナはリコリンを作るのか?など、この仮設の適用範囲は非常に広い。或るアルカロイドを生合成する植物と対応するアルカロイドの名称を代入して、それらの生合成系で起こっている窒素サルベージ系からの離脱反応を見つければ物語は完成する。いや完璧だな?

 勿論、問題がない訳ではない。何にでも通用する仮説は何も述べてはいないという適応主義者の「Just so story」のように受け取られかねない事だ。だが、この仮設は説明できる多くの例を含んでいるが故に、その中から反証を見つけるという行為は可能である。反証の機会を担保する無数の例があるのだから、どなたでも良い、是非この仮説の綻びを指摘して欲しい。そこでの議論のなかで、植物に対する理解が進めばよいと考えている。

 この仮設においてもう一つ気に入っている論点がある。ある植物がアルカロイドを作る理由に、アルカロイドの持つ生理活性を使う必要がない事である。いままでは、アルカロイドの持つ多様な活性を存在理由を説明するための材料としていたため、読むに堪えないほどの混乱が起こっていた。その場凌ぎの説明ばかりで、それらの説明の間に多くの矛盾が発生していたのである。その矛盾を隠蔽するために各化合物を小さなカテゴリーの中での議論にとじ込め、俯瞰的、横断的立場からの議論を回避していたとしか思えない。

 この仮設・・・そうだ「窒素サルベージ仮説」と名付けよう・・・においては、各化合物の生理活性に考慮する事なく、その化合物が作られる代謝系にその存在意義を求めている。ある植物はあるアルカロイドを窒素サルベージ系からのスピンアウト物質として作ってしまった。それはアミンとアルデヒドという反応性の高い官能基が、植物体内で近接して存在することから起こる必然の結果である。この惑星上で起こっている膨大な種類のアミノカルボニル反応・・・パンが焦げた時の色、味噌や醤油の着色、肉を焼いたときの褐変、玉ねぎを炒めたとき褐変、ブラウンソースの着色、コーヒー豆焙煎時の褐変、黒ビールやチョコレート製造時の着色など・・・とともに、植物体内においても同じ反応群が機能していたのである。

 偶然といえば偶然、必然といえば必然の結果として生起したシッフ塩基がその高い反応性故に植物体内に存在する種々の酵素の基質となり生成したものが、いわゆるアルカロイドという化合物群であるという理解になる。この化合物群は多様な構造を持つが故に、いろいろな生物に対して興味深い生理活性を持っていた。とはいえ、生理活性を基礎とした多くの物語はアルカロイド作られた後に発生したものであり、その活性がアルカロイドが作られた理由にはなり得ない。この時間的関係こそ、歴史生物学が主張している根幹にある考え方である。

 いまひとつ、もっと気に入っている理由がある。この窒素サルベージ仮説においては、アルカロイドへと向かって続く系路と、そのアルカロイドから分解して行く系路全体を、窒素サルベージ系路のバイパスとして考える。そう考えれば、どのアルカロイドでもよい、その生合成系と生分解系を構成する全ての中間体に、窒素の再利用系の構成物質としての存在意義を認める事ができるのである。現在の社会では、一部の金もうけの巧い人々が高い評価を受け、社会の底辺というと語弊があるのだが、この社会のインフラを担っているような人々を低く評価する場合が非常に多い。こうした風潮が今も強まっている事に嫌悪感を感じていた。バランスのとれた社会を構築して行く上で、いろいろなカテゴリーとヒエラルキーで働く人々が必要であり、不可欠である。そうした人々に対する見方の中に、代謝マップの上で生理活性がなく存在量も少ないため無視されがちな中間体に対する評価基準の間に通底する要素があると考えていた。この仮説においては、生理活性を持たず存在量も少ないサイレントマイノリティーとも云える物質群に、大きなレゾンデートル(存在意義)を付与できたと自己満足しているわけだ。

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花それぞれ

 畑では町中では見る事が少ない花が咲き始めた。私は大きく艶やかな花は余り好みではない。道端で思いがけず咲いている花の方に共感を感じる。イヌフグリの仲間やキュウリグサ、スミレも好きだな。スミレの仲間は変種が多くて、名も知らぬスミレとしておいたほうが無難だろう。カタクリの花も山の畑で見る事がある。家の庭には、仏壇に供えるために何種かの植物を植えている。この時期であれば金盞花、矢車草、撫子など、変化をつけたい時はそのあたりから野生化した水仙とか菜の花をつけ加える事にしている。近頃販売されている花苗は、花は豪華だが花茎が伸びないためお供えに向かないものが多い気がしている。従って、古い品種で価格の安いものを買って植える場合が多い。

 数日前からクワ、柿、甘夏、レモンなどに薬剤の散布をしているのだが、今日の時点でクワとブルーベリーが満開である。ブルーベリーはツツジ科の植物で、同じくツツジ科に属する馬酔木とよく似た花を咲かせる。

ブルーベリー 満開です

 一方、クワの花は全く花らしくない。

クワの花 長径が1cm程度

 いや花ではあるのだが白く小さな雄しべが一寸覘いているだけで、目立たない事この上ない。そこにクワの木がある事を知っており、かつ今ごろが花期である事を知っていたとしても、間違いなく見落とすに違いない。まあ多くの人が言うだろう。ブルーベリーは虫媒花だから虫に見つけてもらい効率的に受粉ができるように進化した。クワは風媒花だからきれいな花は必要ではなく、みすぼらしいとは言わないまでも目立たない花を作ったと。でもそこには統一した基準がない。次の世代のために効率的は受粉を達成する事が重要な事であれば、いやそれがもっとも重要な事と考えるが、そうであればこの2種類の植物は絶滅する事もなく世代をつないできたという意味において同じであろう。花が目立つか目立たないかで受粉効率を速断し、それを進化と結びつけるのは論理の飛躍が大き過ぎる。

 ブルーベリーにはブルーベリーの生き方があり、クワにはクワの生き方があったに過ぎない。虫媒花の方が受粉効率が高いという判断に、確とした根拠があるのだろうか。

風媒で受粉を行う裸子植物として、針葉樹類に分類されるマツ、カラマツ、スギ、ヒノキ、トウヒ、セコイア、メタセコイア、アスナロ、モミ、イチイ、カヤ、ナギなど、イチョウ類のオハツキイチョウ、ラッパイチョウ、キレハイチョウ、シダレイチョウ、ソテツ類のソテツ、オニソテツ、シダソテツ、ディオーンなどがあるのだが、一部の植物は胞子を飛ばして花粉症を引き起こすほどに繁栄している。

 一方、風媒で受粉を行う被子植物としては、ブナ科のブナ、カシ、ナラ、クヌギ、ヤナギ科のシダレヤナギ、ネコヤナギ、ポプラ、クワ科に分類されるクワ、イチジク、カバノキ科のシラカバ、ハンノキに加え、イネ科のイネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、イグサ科のクサイ、スズメノヤリ、カヤツリグサ科のカヤツリグサ、パピルスなどが知られている。それ以外にも、ヨモギ、ブタクサ、クルミ、ヤマモモ、イラクサ、アシ、ガマなどが存在する。

 イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシは我々の食糧として不可欠な植物群である。それ以外のイネ科やカヤツリグサ科、あるいはキク科植物なども水田や畑の雑草として除草剤で殺され続けているが、減るような気配もなければ受粉効率が悪いなどという評価が当てはまりそうもない。

 ブルーベリーは実が熟すまで食べられないが、クワの若い葉っぱは天麩羅にするととても美味しい。タラの芽と似た味である。1−デオキシノジリマイシンが含まれているそうなので、食後の急激な血糖値の上昇を抑えるだろう。

ブドウ糖と形が似ているので、グルコシダーゼの活性部位にはまりこみ多糖類の分解を抑えるといわれている。
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Tajikistan residents called for food for two years and be prepared for protection of sovereignty

 1 Apr 2022  https://www.silkway.news/tajikistan-residents-called-for-food-65152/

President of Tajikistan Emomali Rakhmon called on citizens of the country due to the tense and dangerous political and economic situation in the world to stock food for two years. His words are given on the website of the head of state in the text of congratulations on the occurrence of the month of Ramadan.

Today, in addition to the problems associated with climate change, its negative consequences, the infectious disease of COVID-19, the lack of food and price increases, all human society is deeply concerned about the unstable situation in individual regions and countries of the planet. … in this regard I would like to emphasize once again that each family should think about ensuring your family, to produce as much as possible and stock food for two years as possible, “said Rakhmon, whose words leads RBC.

The President of Tajikistan noted that humanity is now “in the most sensitive and challenging period” history, whose consequences “are unpredictable and long-term.” “This year will be the most difficult and difficult for humanity in all respects and, above all, in terms of ensuring food security,” the head of the Tajik state suggested.

In the conditions of the “extremely tense” setting in the world, it is necessary to be cohesive and vigilant, ready to protect the sovereignty and security of the state, the President of Tajikistan added: “When the political, military, economic and social situation in the world is extremely tense, crisis, complex and dangerous, The issue of independence and freedom of individual countries and their statehood is seriously raised, which encourages each of us to be cohesive and ensure the security of the state and society. We are obliged to always be ready to protect the invaluable gift of our life – state independence and its achievements. “

 エイプリルフールの話題に過ぎないのなら良いのだが、ヨ−ロッパ諸国では購入制限や配給制導入のニュースがいくつも流れている。

スイスの備蓄制度・・・4年に一度備蓄計画の見直しが行われている。
義務貯蔵(:de:Pflichtlager) – スイスが供給危機による影響を受けている場合、又はスイスが国際的に放出を義務づけられている場合にのみ、連邦国民経済大臣の決定により放出することができる備蓄
 1:義務的責任在庫(obligatorische Pflichtlagerhaltung) – 連邦政府が民間企業と契約している4か月分(目標6か月)を乗り切る食料、エネルギー、医薬品の備蓄
 2:任意的責任在庫(freiwillige Pflichtlagerhaltung) – 連邦政府が民間企業と契約している政府指定の備蓄物資以外の備蓄品
家庭内備蓄(Haushaltvorrat) – 各家庭にパンフレットを配り推奨している備蓄
 基礎的備蓄(Grundvorrat) – 食料14日分
 追加的備蓄(Ergänzungsvorrat)- 食料以外(生理用品、燃料、ペットフードほか)
 飲料備蓄(Getränkevorrat)- 飲み物2日分

                      ウィキペディアより一寸変えて引用

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不安だな

 近頃、政府が地震の発生が近いとする情報を出し続けている。北海道東岸域、東北から関東までの太平洋側、東海から日向灘に連なる東南海ー南海地震域、首都直下型地震の可能性、沖縄近海もだ。能登半島沖から秋田県西岸域もキナ臭い。太陽活動が激しくなると、地震の発生確率が上がるという説もある。先日からCME(太陽でのプラズマ爆発現象)のせいでデリンジャー現象が起こっているみたいだ。

 来るものはしょうがない。ある程度の物質的、精神的備えをしておくしか方法はない。何しろ地震予知は必ず当たる。このあたりは危ないといっておけば、いつかは起こるからである。では何時起こるのか。これはわからない。緊急地震速報を当てにしている人が結構いるようだが、あれは遠くの地震には有効だが直下型の地震には対応できない。P波とS波の伝わるスピードの差を利用したシステムであるため、直下型の地震においては、緊急地震速報が出る前に強い揺れが襲ってくる。あのシステムは地震予知研究会だったかな、なかなか予知ができないじゃないかという批判を躱すために・・・むにゃむにゃ。

 火山活動もすごく活発である。世界の状況と同期しているような風情である。何でこんなことを書くかといえば、ここ数日、雲がおかしい。いわゆる地震雲とされている形の雲をよく見かける。今日は長い時間西から東に肋骨状形地震雲あるいは弓状型地震雲ともみえる雲が流れていた。もっとも、予知に繋がる地震雲が本当にあるのかどうかは知らない。信じるのかと聞かれれば、いまの所余り信じないと答えるだろう。

 とはいえ、今回気になるのは、入るはずのないAM局が聞こえているからだ。地震予知にFM電波が使われる例は聞いた事があるが、地震前にAM電波が異常を示すとは聞いた事がない。春先とか秋口に電波の受信状況が乱れるという現象があるのは聞いた事がある。現在も電離層が何らかの撹乱を受けているという事だろう。

 そうだ、今日昼過ぎだったかな、東南の空に彩雲がでていた。大きなものではなかったししばらくしたら消えてしまった。以前もっと大きな彩雲がでた時も大きな地震は起こらなかったので無視していたのだが、ヤフーニュースによれば佐賀県でも大きな彩雲が見られたという。だからといって、なんだというつもりはない。いろいろな現象が重なっていますねというだけです。

 どうせ何時かは起こるものだから、いわゆる地殻プレート間で起こるM8~M9の巨大地震だけでなく、プレート内で起こるM7.5前後の地震にも注意しましょうねという話に過ぎない。後は読者のリテラシーにお任せする。では

 

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