頭の切り替えが難しい

 政治的なことは嫌いだ嫌いだ嫌いだと書きながら、荒唐無稽なことを書き連ねている。少々以上に矛盾した行動であると自覚してはいる。この行動をどう理解すればいいのかと考え始めたら、ほの白い朝の空を見ることが多くなってきた。年寄りは朝が早いと聞くが、歳をとっていよいよ遅く寝るように、そして遅く起きるようになってきた気がする。朝の涼しい時間に働かない農民は、まともな作物を作ることはできない。確かにそうだ。春から植えていたタケノコイモ、本来ならサトイモより大きく育つ筈なのだが、現状ではサトイモの半分以下の状態である。理由は2つ、肥料不足、そして草の海に埋もれているからである。

 何とか生き返らせようと、草を刈った。でも夏草の茎は堅く、古くなった刈り払い機の刃は上滑りするだけで切るべきではない芋の茎だけが切れてしまう。仕方なく、森林の下草刈り用の高価な刈り刃を買い、これをつけてイモ周りの草を刈った。草丈は60cmを超える。まだ完全に復活したわけではない腰に負担がかかるのだが、しないで済ますわけには行かない。3日かかった。昨日、肥料をまいた。その後、切り残した草を手作業で切り始めたのだが、10株も進まないうちに疲れてしまった、やはり体力も落ちているようだ。後数日はかかりそうだ。それにしても、肥料の値上がりが尋常ではない。昨年末から2.5倍くらいになっているようだ。さらに、リン酸肥料は入手すること事態が困難になり始めている。熔リンという肥料は6ヶ月待っても手に入らない。取り次ぎ店が諦めている。仕方なく、過リン酸石灰を何袋か買った。でもこの肥料、一寸ばかり溶脱が早い。

 そこでタイトルの話だが、実はTCAサイクルの話が中途半端で終わっていることに気付いてしまった。本人はもう最後まで書いていた気がしていたのである。惚けかな?これは続きを書かなくてはと、今までの投稿を読み返してみた。結論というより本論をかいていないではないか。このブログ、閲覧者はほんの少数であるにもかかわらず、月に一万ページくらい読まれている。一旦、この頁に来られた方の半数以上が、30分以上の滞在時間を記録している。にもかかわらず、TCAサイクルが終わっていないじゃないかという指摘をされる方はいない。優しいな。ネタが切れ気味なのかなと、労ってくれているのかもしれない。陰謀論ばかり書きやがってと離れて行った人もいるだろう。そこが面白いと、お気に入りに追加された人もいるだろう。こればかりは読者の判断である。訪問数を気にして、私が読者グループの意向に阿ったら、棘の在る内容にはならない。

 それでTCAサイクルについて続きを書こうとしたのだが、ここ数回書いたブログとTCAサイクルの意義を問うブログでは、思考様式を変えないといけないことに改めて気付いた。近頃書いたブログにおいて一つの事象を見る場合、誰が何を目的にしてこの事件を起こしたのかという枠組みで考える。要するにある事象がもたらした結果の影響を基礎として、その事象を起こした人の意図を推測する事が可能であるという前提に立っている。現代の社会においてこの考え方は当たり前であり、当然過ぎるものとして受容されている。車の燃費を上げたい場合、設計者がボディの曲面を空力学的に最適化した設計を行い、優れた燃費を持った新型車が発売されたとしよう。この場合、他社の技術者はその新型車をリバースエンジニアリングにより解析すれば、各部分の形の意義、その製造方法など、設計者が意図していたデザインについてほぼ間違いなく解析できる。理由は、設計者も解析者も同じロジックの上で考えているからである。そういう観点から見ると、最新の車や列車やジェット戦闘機が幾つかのよく似た形に収斂してくるのは合理的な結論となる。

 ではこの考え方を生物に敷衍できるかといえばそうではない。トンボは4枚の羽を使って実に優美に飛ぶのだが、トンボが空を飛ぶことを意図して4枚の羽を設計し、創り出したわけではないだろう。(トンボといってもサナエトンボ科、ヤンマ科、トンボ科、イトトンボ科、モノサシトンボ科、カワトンボ科等々、多くの種類があり、その飛び方と飛翔能力には大きな差がある。上記の文は、サナエトンボ科、ヤンマ科、トンボ科をイメージして書いている)どうしたわけか、進化のなかで羽が生えてきた。この羽のような構造が出来てきたためこれを飛ぶために使ったら、空を飛んでいる他の昆虫を捕食するという新しい生き方が可能になったに違いない。トンボという生き物が、空を飛ぶ他の虫を食べることを意図して羽を作ったのではない。確かに、羽の獲得によって新たなニッチを獲得が可能になったとはいえ、新たなニッチの獲得が羽の創製の原因ではないのである。そこには、因果関係は存在しない。

 さらに、3億年ほど前ー石炭紀の森には、現在のトンボとほぼ同じ大きさのトンボとともに、翼開長が70cm に及ぶ巨大なオオトンボ類などが生育していた。但し、これらのオオトンボ類は比較的単純な翅脈の構造から、現生のトンボ類に見られるようなホバリングの能力はなく、翅を時折はばたかせながらよたよたと滑空していたと考えられる。まあ、そういう古代種から華麗な飛翔能力を持つ現生種への進化が起こったのである。(https://bamboolab.yamasatoagr.com/wp/wp-admin/post.php?post=7648&action=edit) そこで問題となるのはまたもや同じ問題である。トンボが意図的に飛翔能力を向上させるように進化したのか、飛翔能力を向上させるような進化が起こってしまったため華麗に飛べるようになったのか。多分というより間違いなく後者が正しいに違いない。現生のトンボの羽を解析して、そういう羽を作ったトンボの意図として説明するのは無理である。

 植物においても同じ論理が存在する。以前に述べたように、ケシという植物がモルヒネを生合成するのは、動物からの食害を免れるためではなく、常に窒素不足状態にある植物に存在する窒素サルベージシステムからのスピンオフした物質であり、動物からの食害を免れるなどという事後に起こった現象を基に作られた理由を考えるのは間違いである。

 要するに、人の行うことと自然界で起こることでは、因果関係のあり方が違うのである。ここの切り替えが、なかなか上手くいかない場合があるので少々困っているわけだ。

 数日前、梅雨末期の豪雨であった。気象庁はそう言えずに九州に線状降水帯が発生しますなどとNHKを通じてほざいていたようだが、どう考えてもまだ梅雨の最中であり、昨今の雨は梅雨末期の豪雨である。そんなことはどうでも良い。NHKがこの豪雨に対して「直ちに命を守る行動を」と連呼していたそうである。こちらでは被害が殆どなかったので有り難かったのだが、あの《素直》な竹中平蔵氏がパソナのCEOを辞めると言い出しました。NHKの助言を受け入れたようです。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長も、バイデン大統領の1期目の任期満了前に退任するそうだ。イタリアのドラギ首相も21日午前、マッタレッラ大統領に辞意を伝えたという。スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は14日、辞表を提出したと聞く。日本維新の会の松井代表も、近く代表を辞任する意向を固めました。足が速いな。

 何か裏で大きく動いているように感じている。まあ、竹中氏と松井氏は笹川良平氏の弟子であることは明らかで、竹中氏は統一教会が強く進めようとしている日韓トンネル推進絡みで、松井氏もやはり日本財団を通して統一教会との関係を探られるのが嫌だったのではないかと邪推している。ああまた、因果の糸にからめ捕られようとしている。邪推邪推、邪推です。頭を切り替えてTCA回路について考えよう。

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何が何だかわからない

 腰がまだ痛いのを言い訳にして、PCの前で遊んでいる。とはいうものの、何もしていないわけではなく、今日はニガウリに薬をまいた。例年であればまだ農薬をまくほどの時期ではないのだが、今年はカメムシの発生数が多い。カメムシに効く薬には、悪名高いネオニコチノイド系のものが多いのだが、私はネオニコチノイド系の薬は使いたくない。とはいえ、ネオニコは効くんですよね。

 ネオニコに未練を感じながらも、ピレスロイド系でニガウリに適用のある農薬を選んだ。散布して次の日には出荷可能と書いてあるとは言え、客に撒き立てのものを食べさせるわけにもいくまいと思い、出荷まで数日空けることにした。残効を考えるとよろしくないのだが、水やりをして薬を洗いながすことにする。こんなことで悩んでいるなど消費者に伝わる筈もなく、彼らは虫食いのない綺麗なものから買って行く。一寸虫食い気味の私の野菜は訳あり品として扱われそうだ。夕方からは、草に覆われたサトイモ畑で草刈りをしてきた。刈り払い機は、やはり腰に悪い。1時間ほどで止めた。

 安倍元首相の事件、陰謀論的な解釈が凄まじい勢いで流布しているようだ。不謹慎だが、読んでいるとそれなりに興味深い。陰謀論的と書いたが、その中の一つが正しい解釈である可能性を否定せずに読んでいる。私は、今暗殺される可能性が高いのは、バイデン氏、ゼレンスキー氏、プーチン氏、そしてムハンマド・ビン・サルマーン氏であろうと予測していた。

 それはそうと、もうすぐバイデン氏がサウジアラビアを訪問します。EU-アメリカのために石油を増産してくれ、そしてロシアとの接近を控えるようにと言う要求をするのでしょう。しかし、カショギ氏の事件以来サウジアラビアはアメリカをすごく嫌っています。通常、国家のトップが訪問する時は、交渉事項の内容についてほぼ合意が得られてからの話になるのだが、今回の訪問では事前合意があるようには見えない。合意なしで何とか話をまとめる芸当は、今のバイデン氏には無理だろう。国務長官のブリンケン氏が随行するかどうかわからないが、彼が随行したとしても強硬に要求するだけで、硬軟織り交ぜた交渉をするタイプの人ではない。

 その結果、訪問時に大規模な反米デモが多分起こるように思う。そしてこの訪問中にバイデン氏が狙撃される可能性が高いと予想している。弾が当たるか当たらないかは別にして、それが原因でアメリカとサウジアラビアが極めて険悪な関係になるのでしょう。では、撃つのは誰かという問題ですが、サウジアラビア人ではないでしょう。そこまでやるとサウジアラビアが不利になります。でも、サウジアラビア人が撃ったという形はとるでしょう。真犯人は、アメリカとサウジアラビアが敵対する関係になったほうが都合が良いと考える国家、あるいは組織であり、それが原因で中東で戦乱が起こるのではないかと感じています。

 ジャッカルの日やオデッサファイルを読み過ぎた、なんの情報も情報源も持たない田舎の爺のトンデモ陰謀論です。当たるとは欠片も思っていません。ただ、テロによる人の死など見たくないので、サウジアラビアもアメリカも、水も漏らさぬ警備をすることを願っています。

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A 氏 死す

 政治にかかわるのは嫌いなので、本音では書きたくないのだが、ほんの最近まで首相をしていたA 氏が銃撃されて死んだとなっては一寸だけコメントしておいても良いだろう。

 著者も、日本人として亡くなった方を罵倒するようなことは書きたくない。ましてや、死んで良かった良かったなどという言説とは一線を画しておきたい。また、状況がわからないのに、想像であれこれと書くことも控えたいと思う。まず、政治信条においては、A 氏とは遠いところにいたとはいえ、ここに哀悼の意を表しておく。

 そこでである。基本的には警察からの発表を認めるところから始めるしかないだろう。加害者であるI 氏の供述について、捜査関係者に以下のように発表している。

 「母親は熱心な統一教会の信者で、今も現役のようだ。山上容疑者は母親と統一教会の関係が家庭崩壊につながったと憎悪を募らせ、犯行に及んだと供述している。母親については調べを進めているが、かなり熱心な信者であったとみられる。犯行前日には、安倍氏が岡山県で演説をすると知り、追いかけて行っている。パソコンやスマホには拳銃、爆発物を検索した履歴がかなりある。計画的な銃撃とみられるが、意味が通じない供述もある。」

 「統一教会と安倍が親しいので狙った。殺してやると銃を持ち出した。ネットで毎日、参院選の予定を調べていて、奈良にきたのでチャンスだと思った」

「政治的な意味合いで狙ったのではない」

「自宅でこれまで、拳銃、爆発物など複数作っていた。インターネットなどから、調べて作った」

 その他にも色々と詳細な話が出てはいるが、少なくとも上の話を補強する内容のものが多い。これを前提に考えれば、これはテロではなく怨恨による殺人事件として捉えるべきだろう。マスコミでは、この事件を民主主義への挑戦でありテロであったかのように扱い始めているが、彼の供述の中にテロ的色合いは全くない。

 上記の警察関係者の発表で統一教会とでているので、統一教会と書くが、この宗教団体を日本に引き入れたのは安倍首相の祖父である岸信介氏である。岸氏は、韓国において広がり始めていた統一教会が強い反共的性格を持っていたことから、この団体を日本に囲い込み左翼的色合いの強かった日本の学生運動・労働運動と対峙させる道を選んだのである。我々が大学生だった頃、学内には原理研究会というクラブ活動擬のグループが跋扈していたし、国際勝共連合という団体の活動も活発だった。ただ、狂信的なところがあり霊感商法で信者に高価な壺や書籍など売り付けるという批判は存在していた。普通の方々であれば、数百人を集めての合同結婚式を行う団体といったほうが通りがいいかもしれない。

 要するにこの統一教会が入信した母親に多額の金銭を払わせたため、家庭の崩壊を招いた。その恨みを、統一教会の広告塔的動きをしてきたA 氏にぶっつけたというストーリーである。であるとすれば、単なる怨恨による殺人事件ということになる。

 とはいえ、少しだけ疑問は残る。犯行現場における警固のあり方、犯行時のSPの動き、犯行現場の血液の量、倒れているA 氏の顔色、クライシスアクターらしき人の存在、犯行の時期、A 氏の演説場所の変更を何時知ったのか、背景を推理するいくつかのサイトが接続できない等々を基に、ジックリ考えれば様々な仮説を語ることは可能だが、どうだろう。

 問題はマスコミの過剰反応だろう。単なる怨恨による殺人事件であれば、この犯行を言論の自由への攻撃と騒ぎ立てる方が異常である。この犯人が言論の自由への攻撃と意識して犯行を行ったのであれば、その報道は必要だと思うが、本人ははじめから政治的な意図はないと供述している。現在、統一教会は3つのグループによる内紛が起こっていると聞く。彼の母親はその一つに属しているのだが、彼も別の会派に所属しているらしい。統一教会が反共的な組織であり、さらに彼自身が一時的にしろ海上自衛隊に属していたことを考慮すれば、左翼的心情でこの犯行を行うことは考え難い。

 この犯行をもたらしたものは、マスコミの強いものには巻かれ続け、報道しない自由に浸りきってきた報道にあると考えている。そうか、マスコミへは自身への批判が起こるのを防ぐために、この事件を政治的テロ、言論の自由への攻撃として煽っているのか。でもね、言論の自由の名を借りた報道しない自由を悪用し続けてきたマスコミこそが、この事件の原因であろう。

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誰がやったのか

 一寸だけお知らせ。誰が何のためにこれを行ったのか、については読者の推理力のお任せします。

 悪名高き、作者不詳?のジョージアのガイドストーンが爆破されたようです。詳しいことは未だ判りませんがニュースの提供です。検索は、ガイドストーンについては「ジョージアガイドストーン」、爆破のニュースは「ガイドストーン 爆破」をキーワードとすれば、色々と読むことができます。陰謀論の入り口かもしれません。注意!   以上です。

帰ってきたらこのニュース

 日銀、6月の国債購入16兆円 指し値オペ連日実施で過去最大だそうだ。先月から凄まじい乱高下をしていたのは知っていたが、16兆2038億円か。日銀だから、お金はなんぼでも刷れるかもしれないが、無制限買い入れがこの状況においてどこまで続くか疑問である。

 売り崩したヘッジファンドはブルーベイ・アセット・マネジメント社、これはカナダロイヤル銀行の子会社です。ということは、イギリスの王室つながりですね。どうして急に攻撃を仕掛けたのかは私にはわからない。何かが裏で動き始めているのは感じます。以上です。

 https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=TVC%3AJP10Y

 

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ニュースの見方

 梅雨明け宣言が出されたそうだ。まあ、早めに出しておかないと7月半ば過ぎからだらだらと降り続けられると、梅雨明け宣言する機会を逸してしまう。一旦宣言を出しておけば、後は夏の長雨とか夏の豪雨とか云って済ますことができる。1993年は最悪だった。そして、気象庁は賢くなった。ほんのしばらく前までは(熊本の地震)、地震が起こったら、「今後一週間くらいは震度○○程度(起こった本震より震度を1〜2小さくした値)の余震に気をつけて下さい」と放送していたのに、近頃は震度を小さくすることなく報道するようになった。熊本の地震で学んだらしい。気象庁は賢くなった。昔は良かった。明日、北九州では晴れ後曇り、山沿いでは雷を伴い一時強く降ることがあるでしょう。地形を考えれば、日本中どこでも山沿いだ。そうか、明日は晴れか曇りか雨のどれかだなと、にっこりしていた。出かける時は天気予報ではなく天気図を見ていた。

 気象庁を批判しているのではない。自然界で起こることを正確に予想することを求める世論を揶揄しているのが本心だ。いま頭上に在る雨雲がどちらに向かってどんな早さで流れるかなんて、正確に答えることができると思っているのだろうか。大まかな方向は天気図を見ればわかる、でもそこに在る雨雲が山の向こう側を通るかこちら側を通るかは、通ってみないと判らないのが現状だろう。昨日、バタフライ効果について話していた人が、今日は雨雲レーダーが全く当たらんと嘆いている。これを理系の学問に触れることなく成長してきた若者が云うのであれば、今後の教育で修正できるかもしれないと思う。但し、予測・予知できないことを認識していながら、如何にもそれが可能であるかのような文章を書き、研究費を取り続けてきた研究者集団に対しては、怒りを通り越して幻滅を感じている。

 地震予知は色々な意味を持つ。何時何分にこの地方にマグニチュード○○の地震が起こると云う予知が出来れば良いのだが、これはまず不可能である。昔の地震予知連絡会はこのタイプの予知を狙っていたように思う。その幻想を基に長い間研究費を貪ってきたのだが、2011年の東北大震災さえ予知できず、さすがに化けの皮が剝がれてしまった。私は、以前から余震予知連絡会と揶揄していたのだが、地震が起こった時その後に起こる余震を一寸小さめマグニチュードにして発表するだけだった。いまは一寸変わったな。余震の震度を本震に合わせるようになった。さらに、地震後知を含めて再生したようだ。

 地震予知に関しては無理であるという結論に至ったらしく、各地方で起こる地震の可能性を何年以内に何%と云う表現にしたことである。これは賢いやり方で当たっても当たらなくても当たったことになるという奇妙な予知である。今後30年間に地震が起こる確率は70%であると予知しておけば、起こった場合は「ほら起こったでしょうと言えるし、起こらなかった場合も30%の確率があったのだから間違いではない。この間、ひずみはたまり続けていますので、次の30年間の発生確率は85%になりますと言っておけば良い。それでも起こらなかったら? 昔の発生確率を出す計算式のパラメーターがムニャムニャと言えば済むだろう。何しろ、その頃には連絡会委員は全部変わっているからだ。

 地震後知、なんだそれは?聞いたことがないと思う人も沢山いるだろう。緊急地震速報を凄い進歩と考えている方を時々見かけるが、それが地震後知である。地震が起こる。大きな被害を起こす地震の起こる深さは10Km程度のものが多い。そこで地震が起こると、地震波が発生するのだが、地震波には縦波であるP波と横波であるS波があり、P波の伝達速度は6~7 Km/秒、S波の伝達速度は3~4Km /秒である。P波が初期微動を起こしS 波が主要動を起こす。震源近くに在る測定地点ごとの2つの波の到達時間の差から震源を割り出し、得られた震源の位置からの距離によって、他の地点への地震動の到達時間を計算し警報を出す。その警報が緊急地震速報である。

 つまり、緊急地震速報は地震が起こった後にしか出せない地震後知警報であると言うことだ。困ったことに、最も被害が大きいであろう震源の真上では警報より揺れが先にやってくる。安全な遠距離の地点では、対応する余裕時間をもった警報がやって来るのである。どこか矛盾しているように感じるが、現実はそうである。このシステムは首都直下型地震には対応出来ないだろうし、東南海地震で最も被害が大きいと推定されている高知県でも間に合うかどうか疑問である。ミサイル防衛システムは近距離で撃たれたミサイルには対応できないが、遠くから打たれたミサイルであれば機能する余裕があるかもしれないと言うことと同じである。

 批判ばかりしているようだが、色々な地震対策システムがあるとは言え、それらに頼り過ぎるのはいけないと言っているだけである。自らの経験と知識と漠然とした予知能力(第六感)を使って生き延びるしか方法はない。ニュースをニュースの中に入って読むのではなく、ニュースの外から眺めると言う読み方が必要だろう。例えば、昨日のヤフーニュースを引用する。

「10センチほど隆起で車4台が損傷 中央道韮崎IC‐須玉IC間に段差 道路のアスファルトのつなぎ目部分

山梨県北杜市の中央道で道路の一部が10センチほど隆起して段差になり、走行した車4台が損傷していたことが分かりました。

10センチほど隆起で車4台が損傷 中央道韮崎IC‐須玉IC間に段差 道路のアスファルトのつなぎ目部分

6月29日午後3時ごろ、北杜市明野町の中央道下り線で道路のアスファルトのつなぎ目部分が隆起し段差になっているのが見つかりました。

中日本高速によりますと段差は高さおよそ10センチ、長さ7メートルほどで走行車線と追い越し車線にまたがっていたということです。

この段差により走行した車少なくとも4台が損傷しました。

けが人は、いませんでした。

段差が見つかったのは須玉インターからおよそ2.4キロの場所です。

中日本高速では29日に韮崎インターから須玉インターまでの下り線を およそ8時間通行止めにして段差を取り除く作業をしました。

現在は復旧しています。        テレビ山梨」

 何とも生硬な日本語でAIが書いたのかななどと邪推したのだが、それはそうとして記事には何故と言う問いかけがない。午後3時頃であれば、暑さのために熱膨張した路盤が両側から押され継ぎ目部分が隆起するという可能性は認める。もしそうなら他の部分にも何らかの異常が起こっていても不思議ではない。だが、そうした報告はないようだ。路面部分だけの問題なのか、それとも橋脚自体が隆起したのかで、かなり判断に差が出そうに感じたのである。後に続くニュースがその内容を伝えてくれればいいのだが、多分この程度の事件であれば、原因についての報道はないだろう。

 さて、この隆起が起こったのが北杜市明野町の中央道下り線で韮崎IC‐須玉ICの間である。ここはフォッサマグナ(大地溝帯)のど真ん中に位置する。ここから北に向かって日本海に入れば、先日震度5弱を記録した地震の発生地、その北側には近頃地震活動が活発な珠洲市周辺が存在する。南に下がると何となく異常な駿河湾、それに続いて活発な火山活動が続いている小笠原列島が存在する。千葉県辺りもスロースリップ現象が起こっている。それらの活動を眺めながら今回の異常を見ると、地盤そのものの隆起もあり得るかなと感じる。だからといって、危ない危ないとは叫ばない。その程度の異常は常にどこかで起こっている。

 ではどう考えるか。私が現地付近に住んでいるとすれば、一寸気になるな。水だけは一週間分くらい買っとこうか。保存食と家族の連絡方法のチェックもしとこうかと言う程度である。年中、来るか来るかと緊張して暮らすのでは身が持たない。でも、突然の地震で驚かされるのはいやだから、起こった時は、来たか、さてどの選択肢を採用して動こうかと、その行動の選択肢だけはインプットしておく。それだけである。時々起こる地震ごとに、備蓄品(大した量ではない)をチェックし、賞味期限が近いものから消費して補充しておく。相手は天変地異、こちらの都合に合わせてくれる筈はない。起これば驚くかもしれないが、驚かされるのは避けたい。驚かされた場合は、適切な行動が取れない可能性が高いからである。国や地方自治体には、報道に乗せることのできない限界があるため、全面的に依存することは危険である。緊急時の心の用意のためにニュースを使いたいと思っている。

 

 

 

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