一寸したまとめ

  昨年の4月の終わり頃、このブログを書き始めた。これまでの研究活動の中で、考えたことの1%も公表していないという焦燥感が後押しした結果である。6月にカウンターをつけ(付けたのはI 先生である)、どれくらいの人が見に来てくれるか楽しみにしていた。

  昨年6月は400件くらいの訪問数であり、読まれたデータ量は350 Mbくらいだった。それでも、地味かつ偏屈な個人ブログとしては良い方だと励まされ書き続けて来たのだが、今年に入って様相が変わってきた。ちょっとばかり変なコメントが山ほど来た1月は除外するが、月あたりの訪問数が700から800件と約2倍に増え、読まれているデータ量は2月3月が700から800 Mb 、4月には1.53 GBと4倍以上に急増した。何か特別のことでもあったのかと思っていたのだが、5月も13日まででアクセス数800件をこえ、データ量も730 Mbを越えた。今月も1.5 Gb近くいきそうである。

   アクセス時間の分布を見てみると、5〜15分に2.8%、15〜30分に2.8%、30〜60分に2.6%、それ以上の訪問時間に1.1%と、かなり読み込んでいる方々が存在する。有り難いことである。どこからアクセスされているかについては殆ど分からないが、今年の大学のサーバー経由でのアクセスが93件、1971ページが読まれ、読まれたデータ量は678 Mbである。

  学会で10分程度の一般講演、招待や依頼講演でも 40分程度の時間では、どう頑張ってもここで書いている内容は伝わらない。ネットの有り難さを感じている。もうしばらくはネタ切れすることはないと思うので、今後ともよろしくお願いします。

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体内と体外

   世の中の多くのヒトが、胃の中や腸の中は身体の中だと誤解している。私自身、全く同じ誤解ではないとは云え、似たような感覚を持っていた。細菌(古細菌を含む)や酵母が、酵素を体外に分泌して栄養分を分解し分解産物を吸収する生き方は、ロスが多いなと感じていたのである。それに比べ、「真核生物になると、ゾウリムシやアメーバであっても体内に取り込んで消化・吸収するという効率的な方法を編み出している」と脳天気に考えていたのである。

  しかし、ゾウリムシは体内に食物を取り込んではいないのである。彼らは、食胞という形で体内に体外を作り、そこで消化を行っているのであって、食物を体内に取り込んでいるのではない。食胞とは入り口と出口の閉じた胃袋である。その内部は外部であって、必要時には外界に向かって開口しモノの出入りを行うのである。

  よくよく考えてみると、細胞外に酵素を分泌して食物を分解するという行動は、高等動物でも細菌でも変わらない。高等動物は、一見食物を独り占めして有利であるように見えるが、使える酵素は自分の持つ酵素のみである。細菌の場合、周囲にいる仲間の酵素が働いた産物も吸収できる。異種のバクテリアやカビと生態系をつくって共存している場合、他種の分泌する酵素類の助けにより、一種では利用できない化合物でも利用可能となる可能性が出てくる。共存という現象により利用できる食物の多様化が起こると、生存域の拡大が可能になるに違いない。このような現象を定義するとすれば、共存ではなく協存(Cooperative survival)という用語が適切かもしれない。もちろん勝手につくった用語です。

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料金改定

値上げ

通勤に高速道路をちょっとだけ使っていた。走る距離は11.7 Km、所要時間は10分程度である。この区間の料金、いろんな割引があって3月までは250円であった。それが4月から470円、ほぼ倍である。この11.7 Kmの途中にスマートICがある。農作業からの帰りに、いつも混み合う交差点を避けるため、このICからの5.1Kmを利用していた。その利用料金は150円から300円と2倍になった。約4分の利用で300円、多分、もう、絶対使わないだろうな。でも、Nexco西日本さんによれば、料金値上げではなく料金変更だそうだ。これに似た表現どこかで聞いた、そうか、新聞料金の改定だ。

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田の形

  新米農民の日々のブログ更新が全く止まっている。だからといって作業をサボっているわけではない。延々と続く柿の剪定は何とか終わった。一週間ほど前から、柿若葉と言われる若緑色の新芽がではじめていたが、ここ数日の寒さで足踏み状態である。昨日は午後から半日かけて、椎茸の駒打ちをした。昨年11月に切ったクヌギには先々週に駒を打った。昨日は一昨年駒打ちしたにもかかわらず椎茸が生えてこなかった原木に、再度駒打ちをしたわけである。いわゆるダメもとの作業である。数日間にわたって水をかけ、かなり入念に湿らせたつもりだったが、ドリルで穴を開けたときにでる木屑は乾いた状態にあった。残念だが、この作業は多分無駄になったと思う。

  1週間ほど前から、ワラビ畑のワラビも芽を出し始めた。一雨降ったことだし、暖かくなる今週末は一気に芽吹くと思われる。友人達よ、時間を見計らってご来園下さい。

  それはそうと、水田を2反7畝程買うことが決まった。いま持っている田んぼは山裾の過疎地にある田んぼだが、今度買う田んぼは田んぼ銀座の一等地である。そんな場所で、私の田んぼだけ出来が悪かったら恥ずかしいではないかと少し躊躇したが、これも縁であろう。身体が動く間はきちんと維持するつもりである。

  以前から、この田んぼ銀座を歩きながら考えていたことがある。田の形が、えらく細長いのである。もう少し、黄金比に近い形に区切れば落ち着きが良いのにと思っていた。しかし、自ら耕作をするようになって、その細長い形の機能性に気付いた。まず、トラクターを回す回数が少なくてすむ、これはコンバインについても言える。田の中の作業をする場合、短い距離で作業部分にアクセスできる。泥濘の中を歩く距離が少なくなるため、疲れずにすむのである。さらに、薬剤を散布する作業が楽になるし、投げ込み式の薬剤の正確な投げ込みができるようになる。

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GM作物

  4月13日の西日本は、春の嵐が吹き荒れた。昼になっても気温は15℃に達せず、横なぐりの雨とあって体感温度は10℃以下であったようだ。こんな日には、たまの休みを楽しむべきかもしれないが、別の用事があり結局出かけていくことになった。

  別の用事、ある人からGM作物について話をしてくれと頼まれていた。「物事の判断は良く知った上で行うべきだ」というのが、私の持論である。従って、賛成・反対と言う立場ではなく、GM作物とはいかなるものかという立場からの話をした。グリフォサートを始めとして、遺伝書操作による耐性化の対象になっている化合物群、GM作物として開発されつつある作物群、化合物の毒性と製剤の毒性の違い、ADIを算出する時の基本的考え方、毒性試験の方法、食品の安全性審査、作物への遺伝子導入の方法と導入に伴って起こりうる問題、アレルギーをどう考えるか、種子産業と食糧の安全保障などについて説明したのだが、感動的であったのは、居眠りするヒトが居なかったことである。眠気に襲われたヒトがいたのは間違いないが、それでも眠らないようにと努力されていた。大学の講義とは大違いである。

  話が終わった後も、TPPとの関連、情報入手の方法と情報の質の見分け方、ネオニコチノイドとミツバチの関係などなど、2時間近い密度の濃いディスカッションとなった。聴衆となった人達が非常に意識の高い人達であったのだろう。

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