歴史生物学 TCA回路への異論 2

 さて、次の反応からが、常識的に見た本来のTCA回路を構成する反応群である。図-5から図-8に反応機構を描いておく。

図-5 アセチルCoAから2-オクソグルタル酸まで

 最初の反応はアセチルCoAがオギザロ酢酸と反応してクエン酸を与えるのだが、この段階で起こる反応は、解糖系の中で出てきたアルドール縮合と同じメカニズムを持つ。エノール化したアセチルCoAがカルボニル基に戻ろうとしたときに生じる炭素アニオンがオギザロ酢酸の2位のカルボニル基に付加し、クエン酸とCoAのエステルが生じるが、このチオールエステルはすぐに加水分解を受けクエン酸が生じる。最初の縮合反応をクライゼン縮合と書いてある場合もあるが、本来のクライゼン縮合は2分子のエステルからβ-ケトエステルを与える反応であるから、アルドール縮合タイプの反応としておいた方が無難かもしれない。

 このクエン酸から水分子が脱離してcis-アコニット酸が、cis-アコニット酸に脱水反応の場合とは逆向きに水が付加すると、イソクエン酸となる。イソクエン酸はNAD+を酸化剤として基質レベルでの酸化を受け、オギザロコハク酸が生じる。オギザロコハク酸は脱炭酸反応を受けやすいβ-ケト酸の構造を持つため、1位のカルボキシル基が二酸化炭素として脱離し2-オクソグルタル酸を与える。但し、この2-オクソ、2-オキソ或いは2-ケトグルタル酸という名称は、我々の世代にはちょっとだけ違和感がある。我々はα-ケトグルタル酸として教わってきた。郷愁が少しだけ邪魔をしているだけである。

 図-6には、2-ケトグルタル酸からスクシニルCoAまでのメカニズムを示しているが、これは先に言ったとおりピルビン酸からアセチルCoAへの変換メカニズムと同じであるため説明は省くことにする。

図-6 2-ケトグルタル酸からスクシニルCoAまで

 図-7においてはスクシニルCoAが遊離のリン酸による求核置換を受けSuccynyl phosphateを与えるが、この非対称酸無水物は非常に反応性が高いため、GDPの末端のリン酸残基による求核置換反応をうけ、GTPとコハク酸(Succinic acid)となる。コハク酸は、補酵素であるFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)の存在下に脱水素を受け、還元型FADとフマル酸を与える。蛇足だが、フマル酸は高校の科学の授業においてcis-trans異性について学ぶときにtrans体の例として取り上げられている化合物である。

図-7 SuccinylCoA からフマル酸まで

 図-8は最終段階に入って、フマル酸にエノラーゼと呼ばれる水付加酵素が働いて、リンゴ酸となった後、リンゴ酸の2位の水酸基の部分がNAD+の存在下に基質レベルでの酸化を受けオギザロ酢酸とNADH+H+を与える反応を示している。ここにおいてアセチルCoAの2個の炭素原子はCO2へと酸化され、次の電子伝達系で酸化されATP生産に関与する還元型補酵素{3x(NADH+H+)とFADH2}が生成する。

図-8 フマル酸からオギザロ酢酸まで

 CoAやNAD、あるいはFADの構造式が幾分難しそうに感じるかもしれないが、ナニそれは慣れに過ぎない。それぞれの構造式を一日に10回ほど描くことを10日も続ければ、殆どの人が描けるようになる。この構造を描けるようになって初めて、補酵素としての機能が理解できる。例えば、図-5においてNAD+がNADH(本当はNADH+H+と描くべき)に還元されると共に、イソクエン酸がオギザロコハク酸に基質レベルでの酸化を受けるのだが、一寸だけ違和感を覚える人はいないだろうか。この反応においてイソクエン酸の水酸基の根元に位置する水素が、水素アニオンとしてNAD+のピリジン環の4位の炭素を攻撃している。

 生物の体はその大部分が水である。今まで述べたすべての反応が水中で起こっている。さて、水素アニオン(水素化物イオンといったほうが良いのかな)は水中で安定に存在し得るのか。あまり安定ではない。還元剤として良く使われるLAH(リチウムアルミニウムハイドライド)、塩基として使われるNaH(水素化アルミニウム)などから発生する水素アニオンは、水があると激しく反応して爆発的に燃える。NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)から発生する水素アニオンは幾分マイルドで、含水メタノール中での反応に使われることがあるとは言え、さほど安定であるとは言えない。その水素アニオンが我々の体の中で実に効率的に移動しているのである。何故そんなことが可能であるのか。簡単な話で、酵素の活性部位において反応する化合物の反応部位が近接するように制御されていること、そして活性部位の周りをアミノ酸の疎水性の残基が取り囲み、反応する部位が無水状態になっているからである。

 昔ある女性研究者と話をしていた時、(反応とは関係ありません)、一寸だけ姑さんに対する愚痴を聞いた。「私、上品でしょう、言いたくてもクソババ」なんて言えないんです。だから心の中で「おクソババ様と敬語」を付けて呼んでいます。「おクソ」か〜、2-オクソグルタル酸を思い出した。ああ、皮膚の酸化が進んでいるんですね。あとはご想像に任せます。やはり、α-ケトグルタル酸が無難で良いな。

 次回から、今までの解釈を無難に信じている方々にとっては意外に感じるであろう批判を始めることにする。面白いか面白くないかは各人の受け止め方次第だが、主流の考えに背き足下を掘り続けてきた結果を書くことになる。天の邪鬼的な感性しか持たない私にとっては非常に楽しい作業であったようだ。 

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歴史生物学 TCA回路への異論 1

 いま、世の中ではクエン酸健康法というものが流行っているようだ。クエン酸を飲むと、血液の浄化、血管の強靱化、腎機能改善、血圧の正常化、排泄排便障害の緩和、体内老廃物の排泄、中性脂肪とコレステロールの抑制、免疫力の向上、糖尿病の予防、諸臓器への正常な酸素の供給、弱アルカリ体質化、自然治癒力の向上・・・・・と 、何が何か分からないが万能の効果が得られるという。生きていく上でのエンジンであるクエン酸サイクルが十分に機能すると、体の各細胞が活発に働き、健康と美が得られるらしい。???

 でもね、何にでも効くと言われるものは、何に対しても効かないのが世の常である。マスコミがどこからか引っ張り出してくる医学博士達が語る世界は、私にはからきし不可解な世界である。近年流行の「血液さらさら」だって、本当にさらさらになったら怪我しても血が止まらない。世の中のかなり多くのお父さんたちが服用している「ワルファリン」は血栓塞栓症の治療や予防に使われている薬である。このワルファリン、ムラサキウマゴヤシ(マメ科植物)を醗酵させたときに生成するジクマロールが、ウシの出血を止まらなくする原因であることをヒントに開発された農薬で、長い間「殺鼠剤」として使われてきた。いや、いまでも殺鼠剤である。この話をすると、あの医者はおれに殺鼠剤を飲ませているのかと怒る人がいるのだが、その通りである。まあまあ、あんたの薬がネズミにも効くと思いなさいと笑って答えているが、この薬、実は血液の凝固を押さえてさらさらのままにするのである。(図-1)

 図-1 ジクマロールとワルファリンの構造

 ワルファリンをネズミに食べさせると、網膜での出血が止まらなくなる。このため目が見えなくなり明るいところに出てくる。明るい所に出てくれば、猫などの天敵に遭遇する事故に遭うわけだ。天敵に襲われなくても、さらさらな血液ゆえに腹腔内での出血が止まらず最終的には死亡する。「血液さらさら」が死の原因になるわけだ。人においても、ワルファリンを飲んで交通事故でも起こしたら最悪である。怪我からの出血が止まらない。手術が出来ない。つまり世の中、中庸が一番で、血液は「適切にサラサラ」かつ「適切にトロトロ」であることが正常なのである。この言い方は間違いかな?「流れるべき時に流れ、固まるべき時に固まることが求められている」としておこう。そういえば近頃、核酸も販売ネタに使われるようになってきた。

 また初めから脱線してしまった。ここでは常識的なTCA 回路の解釈に批判を加えようと思っている。TCA 回路はクエン酸回路という別名を持つことから、クエン酸健康法の話へと脱線しただけである。さて、TCA回路はクレッブス回路、クエン酸回路、トリカルボン酸回路、TCAサイクルなどという多くの別称を持ち、内容は殆ど理解されていないにもかかわらず、知名度だけは異常に高い代謝系である。この点で解糖系によく似ている。まず、図-2に通常描かれているTCA回路図を示す。

図-2 一般的教科書に示されているTCA回路

 実はこの程度の図であっても構造式が難しいという理由で、ほぼすべての学生には不評である。理系に来ている学生にさえ不評なのだから、一般の人たちに不評なのは当然であろう。こんなん見たら、頭が痛うなるわと関西弁風に否定されてしまうのである。でも、しかし、そういって否定する人たちが、クエン酸健康法に嵌まりまくっているというこの矛盾は実に悩ましい。グダグダと理由も原因も述べず、効く効く催眠術を使う詐欺師等の勝ちということか。

 まずTCA回路と呼ばれている代謝経路について、常識とされている解釈に関する知識を持ってもらわないと、私が、一般的に流布している考え方にどのような異を唱えるのか、理解してもらえないことになる。従って、まず教科書的な意味での解糖系と、生物有機化学的に見たTCA回路について述べた後、考察に入ることにする。生物有機化学的に見たTCA回路については、有機反応論にアレルギーのある型は読み飛ばしていただいても結構である。でもね、これらの図を作るのは結構大変だったのです。読者にいくらかでも憐憫の情があるのであれば、目を通して頂きたい。

 図-2を見て欲しい。TCA 回路は通常はアセチルCoAから始まるように描いてるが、ここにはPEP即ちホスホエノールピルビン酸から描いている。前章に於いて、ミトコンドリア内に運搬されたピルビン酸を出発物質にすることを提案しておきながら、矛盾した行動のようだが、TCA 回路の意義を考える場合に青の矢印で流れ込む経路が無視できないからである。この話は後で説明するとして、ピルビン酸から先の反応をトレースすることにしよう。

 さて、ピルビン酸からアセチルCoAへの変換は図-3で示すように進行する。

図-3 ピルビン酸からアセチルCoAへの変換

 補酵素であるチアミンピロリン酸のちょっと変わった炭素アニオンが、ピルビン酸の2位のカルボニル基に求核的に付加反応を起こす。H+の処理にいくぶん問題が残るかもしれない描き方だが、そこは勘弁して欲しい。付加化合物が脱炭酸反応を起こして生成したエノール化合物は、窒素原子上の孤立電子対がN-C結合へと戻るときに、リポ酸の1位の硫黄原子を求核的に攻撃して、S-S結合の解裂を伴う付加反応を行う。付加生成物のチオアセタールの部分がカルボニル基を再生する反応に伴って、最初に反応していた補酵素(チアミンピロリン酸)の再生が起こる。

 リポ酸8位のチオールエステルのカルボニル基をコエンザイムAの末端に存在するチオール基が攻撃して、ジヒドロリポ酸が脱離すると同時にアセチルCoAへの変換への変換が完成する。(但し、このリポ酸は独立して動いているのではなく、この段階で働く酵素のリジン残基のε-アミノ基と結合した形で働いている)こう描くと初心者は難しく感じるかもしれないが、慣れればなんということはない。さらに、この部分が理解できれば、2-ケトグルタル酸からスクシニルCoAへの変換はほぼ同一の反応であるため、記憶は不要となる。最後になるが、アセチルCoAという言葉、TCA回路を炭素2単位のアセチル基を酸化する代謝系という意識で見ていると、アセチル基が主体であるかのように感じるが、アセチルCoAという分子の分子量809.6の中の43を占めているに過ぎない。言い換えれば、アセチル基を次の反応で機能させるにはCoA(コエンザイムA)という乗り物が必要だということを意味している。アセチルCoAという名詞の中で、アセチルは形容詞でありCoAが本体である。

 定義上、ここまではTCA回路には含まれない。解糖系とTCA回路を結ぶ上記の反応を経ることによって、ようやくTCA回路の入り口に辿り着いたわけである。

  TCA回路への異論 2 に続く

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田植えと草刈り

 昨年田植え機を買った。新品は田植えのやり方と、植える速度、さらに何条植えかによって変わってくるが、私が買った小さな4条植えであっても100万は優に超えてしまう。僕が買ったのはもちろん中古です。さほど末長く使うわけではないだろう。それはそうと、この田植え機にも沢山の切り替えるべきレバーとアタッチメントがあり、なかなか覚えるのが難しい。この難しさは、練習が出来ないことに起因する。たった3反の田んぼ、私は6時間ほどかかったが、慣れた人なら2時間かからずに済ませるだろう。では少し練習しようと思っても、田植えは年に1回しかない。トラクターであれば、何度か使う練習が出来るのだが、田植え機の練習は出来ないのである。乾燥した畑地で練習しようとしても間違いなく植え付けようの爪を痛める。練習できるような何も植えていないドブドブの田んぼなんてあるはずはない。記憶力の良い年代に馴染んでおかないと、歳をとってからの記憶はすぐに消失する。私、近くの農機具屋さんのTさんが気に掛けて見に来てくれるので、何とかやっている程度である。すべて人頼りの爺である。

 ということで、一昨に日田植えが終わった。トラクターと田植え機を洗い余った苗と苗箱を片づけて一段落と思っていたら、そうは問屋が卸さない。次の朝田んぼを見に行くと、ジャンボタニシがイネの苗に取りついて食い散らかしている。違法な堆肥を使うわけには行かない。慌てて農薬を買いに行く。ジャンボタニシ、別名スクミリンゴガイはなかなか判断の難しい生物である。確かにイネの幼苗を食べるので困った存在なのだが、大きくなったイネは食べない。イネが生長した後は、そこに生えてくる雑草の芽を食べる。つまり生きた除草剤になるのである。イネが少し大きくなるまでしばらく眠ってくれると有り難い。

 ということで開発された薬剤、スクミハンター(チオシクラム粒剤)という農薬が存在する。                          http://www.env.go.jp/water/sui-kaitei/kijun/rv/t06_thiocyclam.pdf https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000656918.pdf                本来はアセチルコリンエステラーゼを阻害する殺虫剤として開発された薬剤だが、これがジャンボタニシを殺しはしないが、その摂食動を抑制するという。もちろん殺す農薬があるのだが、ここは共存共栄でいくことにした。3反の田んぼで、イネが水に浸かっている部分にだけこれを散布した。エスカルゴの代用品にしようと狙った業者がこの貝を輸入し、養殖を始めたもののうまく行かず、養殖場を放棄したのが原因で西日本の31府県に広がったという。原産地は南米、日本には台湾の養殖業者を経由して入ったらしい。塩ゆでした後、白ワインで煮込んで臭みをとりニンニクなどの香辛料を加えてバター焼すると、結構いけるという話は聞いているが、寄生虫がいるという話もあり食料難になるまでは食べる気にはならない。

 今日はゴーヤ畑の草刈り、乗用草刈り機で約1500坪を刈った。とはいえ、畑として使っているのは300坪くらいかな。残りは草だけでも切ってくれという地主さんの要望で切っている。半分は元がブドウ畑だったので番線が張ってありコンクリート製の支柱が立っていのだが、老朽化しておりいつ倒れてくるか分からない。恐怖である。残り800坪程はナシ畑だったためかなり大きなナシの木が生えている。ナシをまともに作れば3〜400万くらいの収入になるとは言われているが、私に作る気はない。冬場の剪定と整枝、春先から続く農薬散布、受粉、摘果、収穫を考えれば体力的に無理であるだけでなく、農薬散布用のSSつまりスピードスプレイヤーが必要になる。スピードスプレイヤー、自分が農薬のミストを浴びないようにしようと思えばキャビン付きの物を買わねばいけない。そうするとレクサスRXくらいの価格になる。

 支柱や木が生えていると、乗用草刈り機での作業はすごく難しくなる。1500坪、何にもなければ2時間もかからずに終わると思うが、今日いや昨日は5時間くらいかかった。でもまだ終わったわけではない。支柱や木の周り、さらには外周に残っている草刈りに同じくらいの時間がかかるだろう。その部分の草刈りはエンジン式刈り払い機を使っての作業となる。帰ったら、1.5Kg程体重が落ちていた。草刈りはここだけではない、あと2000坪ほど残っている。年寄りの冷や水、そう言われても反論は出来ない。ああまた夜更かしをしてしまった。もう寝よう。

掘り上げたジャンボタニシならぬジャンボニンニク 大きいものは1本で1キロを超えます。今年は、葉枯れ病が蔓延したため一寸小振りなものが多くなっている。左側の草の中で育った、野性味満点の品なのだが、通販で売ろうとすると重たくて送料ばかりかかります。葉っぱの部分はなかなか乾かないため焼却は無理、処分が大変。
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代掻き終了

 数日前荒代掻きをした。キャビン付きのトラクターを使って3時間弱、まあ少しはトラクターの取り回しに慣れてきたという所である。還暦を過ぎて初めてトラクターに乗った。世の中の殆どの人と同じように、トラクターとは乗って耕せばいいと思っていた。ところが、ノンビリと耕しているように見えるトラクター、見た目とは違って細やかな気配りと高度な技術そして数学的才能を必要とする。私のトラクターヤンマー製の23馬力のキャビン付きのもので、一応エアコン付きである。主変速は前進3速後進1速、その各ギアに4段階のギアがある。ハンドアクセルもついている。簡単に言えば前進12速後進4速で足と手に合わせたスロットルがあるいうことになる。そこに、ロータリーの回転速度が1〜3速と逆転1速がつく。これに加えてローターに上げ下げと位置調整、前部バスケットの上げ下げとすくいと持ち上げ、ローターの水平調節、倍速ターン、バック時の自動ロータ上昇スイッチ、などなど、もちろん車と同じく前照灯のスイッチ、ワイパースイッチ、戻りのない方向指示器、ラジオのスイッチなどもついている。まだ使い方の分からないものがいくつかある。

 私も自分が乗るまでは全く知らなかったのだが、トラクターで作業をする場合曲がってはいけないというのが基本である。もちろん曲がらないと往復できないのだから、曲がるには曲がるのだが、その際ロータリーを下ろしていたら土をえぐって凄まじいことになる。慣れない時にこれをやって、土を元に戻すのにスコップとクワで奮闘した記憶がある。さらに、耕耘の初めにロータリーを下ろす時は後ろに土の山が出来るし、上げる時には溝が出来る。ロータリーの上げ下げをうまくできるようになるにはかなりな経験が必要なのである。こうして出来た土の山を元に戻すには、ローターを順回転にしてバックするとか、逆回転にして前に引っ張るとか色々な技術があるのだが、まずローターを目的とする土の上に置きながら動作をさせる必要がある。なんとも奥が深い。近所にトラクター乗りがすごく巧いというという人がいる。彼が耕しているのを見つけたら、必ず軽トラを止めて観察することにしているのだが、なかなか上達しない。

 前荒代掻きから3日目に代掻きをした。私の田は粘土質で一つ間違うとトラクターが動かなくなる。今年は、安全な部分を先に述べたトラクターを使い、周辺のやりにくい部分は小型のトラクターを使った。それでも悪戦苦闘したのだが、やっていると田んぼの中にスッポンがいた。これは困る。トラクターで走ればまず間違いなく殺してしまいそうだ。何も知らずにそうなったのなら諦めが付くが、知った上で殺したスッポンの死体を見ながら田植えなんてやりたくない。ドブドブの泥の中を潜って逃げるヤツを孟宗竹を使って掘り起こし、少しずつ誘導しながら畔に追い上げ、横を流れている川に逃がしてやった。一時間くらいかかった。スッポンも疲れたと思うが、ドロドロの土の中をサイズの合わない長靴を履いて奮闘したこっちも疲労困憊である。夕刻7時頃に代掻き終了、1〜2日置いて土が落ち着いたら田植えである。暑くならなければいいのだが、数日晴れが続きそうである。

 新型コロナとワクチン擬の話ばかり書いてきたが、イギリスの英国航空ではワクチンを打ったパイロットが5人亡くなったと聞く。デルタ航空でも3人が亡くなったそうだ。アメリカン航空でも従業員の病欠で土曜日は123便、日曜日は178便が欠航し、6月中は少なくとも毎日50〜60便、7月も50〜80便がキャンセルし続ける可能性があるという。大丈夫かね。

 そんなことばかり考えていると気分が暗くなる。鬱々とした気分で生活すると、罹らなくても良い病気に罹りそうだ。少しリラックスしよう。懐かしいハーモニカの音でも聞くかな。

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PCRについての再考

 ことの進展が早過ぎて、色々なニュースの裏撮りが追いつかない。ワクチンを打ったらスプーンがくっつくとかスマホがくっつくとか、血栓が出来やすいので飛行機に乗ると危ないとか、打ったヒトは2〜5年で死ぬとか、打った人に近づくと健康を害するとか、DSが後ろにいるとか、いや後ろにいるのはロックフェラー財団だとか、とてもじゃないカバーしきれない。さらには、mRNAワクチンは接種者のゲノムDNAに取り込まれ永遠に変化させるとの報告まである。すべてを陰謀論として切り捨てられればすっきりするのだろうが、それぞれの論には認めるべき事実がありそうなところが悩ましい。スプーンやスマホがくっつくことについてはまだ判断していないが、それ以外の項目についてはそれなりの裏付けがある。その裏付けが正しいかどうかはまだ分からない。

 ワクチン接種者は血栓が出来やすいので飛行機に乗るなというスペインとロシアの話であっても、2021年6月4日 uncut-newsというドイツの独立系ジャーナルサイトで報道されたもので、頭から陰謀論と切り捨てる訳にもいかない。https://uncutnews.ch/medien-in-spanien-und-russland-fluggesellschaften-gehen-das-problem-der-blutgerinnsel-an-und-empfehlen-geimpften-personen-nicht-zu-reisen/ 血栓が出来やすい、血管障害を引き起こすという発表はソーク研究所からも出ている。ソーク研究所は、ポリオ(小児麻痺)の生ワクチンを開発した所で、複数のノーベル賞受賞者を輩出している信頼できる研究所である。ビル・ゲイツ財団でワクチン開発を担当していたギアート・バンデン・ボッシェ博士も、ワクチン接種によってできる特異性抗体が、元々われわれに備わっている非特異性抗体を無力化し、生来の免疫システムを破壊するということで、コロナワクチン接種の緊急停止をWHOと世界各国に呼びかけている。一方、JALとANAは社員に対するワクチン接種をするという発表を見た気がする。自衛隊員にも接種するという報道があった。ワクチンを接種した人は飛行機に乗るな、ではパイロットはどうなるのだろう。客室乗務員は?旅客機であれば副操縦士がいるが、自衛隊の戦闘機の場合はどうするのか。

 ワクチンを接種されたヒトは2〜5年で死ぬというのも本当かなと思いはするものの、このワクチン政策に携わっていたファイザー社元副社長の告発というのが気にかかる。これは人の免疫に関する問題なのだが、もう一つmRNAワクチンは接種者のゲノムDNAを永遠に変化させるというのも悩ましい。ゲノムに組み込まれるというのであれば、人に逆転写能力があることを意味する。そんなことは習ってこなかったと思うかもしれないが(私も初めはそう思った)、ハーバード大学とMITの研究者が、mRNAの「ワクチン」が逆転写によりヒトのDNAを永久的に変化させている可能性があると警告している。ハーバード大学とMITの研究者というのが判断を迷わせるな。さらに、https://www.technologynetworks.com/genomics/news/human-cells-can-convert-rna-sequences-into-dna-349748によれば、トーマス・ジェファーソン大学のリチャード・ポメランツ博士が、哺乳類細胞内の14種のDNAポリメラーゼのうち、ポリメラーゼ・シータと呼ばれる珍しいポリメラーゼが「RNA の遺伝情報を DNA に逆転写することができ、実際にDNAとDNAを複製する場合よりも高い効率で働く」ことを確認したと書いている。ヒトもレトロアニマルであったのかとそれなりに驚くのだが、ラマルクの用不用説が再浮上するかもしれないな。

 本題のPCRについての再考、あれこれと書くことに疲れてしまったので、ざっと書くことにする。よくPCR詐偽などといわれるが、詐偽のネタはいくつかある。コロナ感染症についての発表において、今日の感染者数は○○人と書いてあるのだが、何人調べたかの母数は書いてない場合が多い。要するに検査数を操作すれば、感染者数はどうにでもなるのである。さらに、母数に対する感染者割合を東京都のデータで見てみると、感染率が大きく上下している。相当意図的に数字を出しているなと推測している。

 PCRで使うプライマーについても問題がありそうなのだが、それはそうとしてPCR試験陽性者と発病者を感染者という名称で括っているのが、実に良くない。よく比較の対象とされるインフルエンザ、流行時には通勤電車の中で多くの人がインフルエンザウイルスを吸い込み、上気道にウイルスを持っている筈である。しかし、発病するのはその中の一部、インフルエンザ感染者という場合は、発熱、咳、頭痛など症状を示して病院へ行き、インフルエンザの検査で陽性となった人のみをいう。無症状者は感染者ではないのである。従って、本来のコロナ感染者は発表数よりかなり少なくなる。

 いまひとつ ct 値の問題がある。これは最近良く議論されているので皆さんもご存知だと思うが、要するにウイルスの遺伝子を検出するために何回増幅を掛けるかという問題である。初期の頃、日本では45回という途方もない数字が使われていた。45回も増幅すれば1本の遺伝子断片が約35兆本に増えることになる。これは余りにも酷い。国立感染症研究所は「ウイルスRNA1コピー」の増幅が確認できるポイントが概ね38か39サイクルであり、試験ごとに多少のずれが生じるため40サイクルとしている。機器、測定システムの性質上、40サイクルからの増幅を確認するためには、それよりも5サイクル上まで増幅反応を行う必要があるため、45サイクルとした」と答えていたようだが、上気道に1個のウイルスがいたら感染者かという問いには答えていないようだ。後は想像に任せるが、要するに通達を出してct 値を操作すれば、感染者の数などどうにでも出来るわけである。

 最後の一つ、これが私にまだ理解できていない問題である。キャリー・マリス博士、PCR法の発明で1996年ノーベル賞を受賞した研究者だが、「PCRを感染症の診断に使ってはならない」という言葉を残して、謎の死を遂げたといわれている。PCR法によるコロナ診断に批判的な方々がこの言葉を良く引用されるのだが、詳しい理由を述べている人はいない。上に述べたいくつかの理由を指しているのだろうと、半分くらい納得はしてきたのだが、いまひとつ腑に落ちない。以下、私論である。正しいかどうかは分からないが、こんな場合もあるのではと考えたことを書き留めておく。

 ヒトは病害菌やウイルスの感染を未然に防ぐシステムを持っている。免疫といわれるシステムが頭に浮かぶが、体内に侵入される前に存在する防御システムがある。例えば、ヒトにおいて涙や鼻水、母乳などに含まれているリゾチームは、真正細菌の細胞壁を構成する多糖類を加水分解して真正細菌つまりバクテリアの感染を防いでいるといわれている。とは言うものの、ヒトの皮膚や粘膜上には多数の常在菌が存在しているのも事実である。また余り知られていないが、ヒトは体表面にRAase(RNA分解酵素)を分泌している。カビも細菌もまた菌体外にRAaseを分泌している。さらに、ヒトが体表面にプロテアーゼ(タンパク質分解酵)を分泌しているかどうかは寡聞にして知らないが、種々の細菌が菌体外にプロテアーゼ素を分泌することは知られている。

 何をイメージしているかといえば、ヒトの上気道と呼ばれる場所には一定の感染防御システムがあるのではないか。そこにはホストである人やカビや細菌が一つの生態系を構成しているわけである。そして、色々な細菌やカビ、あるいはヒトの細胞が相互に破壊しあいながらも、一定の秩序を維持しているのである。つまり、上気道の粘膜上には各生物が分泌する加水分解酵素、プロテアーゼ、RNase、あるいは脂質分解酵素が存在するに違いない。呼吸を介してここにコロナウイルスが付着した時、ウイルスを構成している外被のタンパク質や脂質膜部分が分解を受け、不活性化するケースがあると考えるのが合理的である。そうするとウィルスの外被はが破壊されて内容物であるウイルスの遺伝子すなわちmRNAがむき出しになるに違いない。外被を失ったウイルスmRNAをヒトや周りの微生物が分泌したRNaseが攻撃して切断すれば、もはや感染力は失われることになる。

 しかしながら、上気道からサンプリングしてPCRを実施する場合、フォワードプライマーとリバースプライマー及び両プライマーに挟まれた領域が壊されていなければ、PCR検査では陽性となる。つまり、コロナウイルスを吸い込んだにも関わらず、上気道においてこれを破壊し、感染力を失ったコロナウイルス遺伝子断片を持っているだけのヒトを、コロナウイルス感染者であると判断しているのではないかという疑問である。プライマーの特異性や ct 値の問題は良く議論されているが、断片化したウイルス遺伝子からの増幅に基ずく誤判定の可能性は聞いたことがない。キャリー・マリス博士の「PCRを感染症の診断に使ってはならない」という言葉に、この可能性が含まれるのかどうか、判断は読者にまかせます。この部分がPCRを再考するというタイトルで書きたかった部分です。

 それにしても、ワクチンは絶対に安全だと言う関係者の方々より、一寸待て、危険だと訴える人々の方が人格、学識、識見に富んでいるように思えるのは、私だけだろうか。免疫のシステムは、我々が考えるよりはるかに複雑で矛盾に富んだものであるようだ。そのシステムに対し、まだ私は完全に理解していない。従って何が起こるか分からないと真摯に言う人の方が信頼に値すると考えている。

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