雑記

タイトルに新型コロナ感染症などと書きたくないため、雑記として書くことにする。昨年の12月初め頃に、このコロナワクチン騒ぎは何なのかと疑問を持っている人から、人を少し集めるので話してくれないかと依頼があった。些か迷った。またあいつは陰謀論者であるとの悪名を広めることになるかもしれないと思ったわけだ。しかしながら、都合が悪くなるとさっさと逃げてしまった厚労省の役人、ワクチン輸送屋の河野太郎、コビナビの連中やフリップ百合子、そして口を拭って中立面をしているマスコミを見ていると、彼らに騙された一般庶民が余りにも気の毒である。今でも騙されていることに気付いていない多数の人が存在する。皮肉にも、未だ騙されているこの多くの人々が、騙した首謀者達を援護しているのが現状だ。考えた。先は長くない老人として一暴れするか。

ワクチンに触れはするが、ワクチン主体の話にしなくて良いのであれば受けましょうと答えたらそれでよいという。承諾した。何を考えたか、今回のワクチンについてある程度正確に理解をするためには、生化学、分子生物学、遺伝子工学、細胞生物学、免疫学などの学問について、高いレベルでの正しい知識が必要である。「ある程度正確に理解する」と書いたのは、最先端の研究者であってもこれらの分野を跨いだ詳細な全体像の理解はできないだろうという私の実感を反映しているからである。従って、現在の社会を担っている社会人を無知である、ワクチンについて詳しい話はわからない、だからこの壮大な詐欺に騙されたのだとして批判しているのではない。各々の社会人はその仕事内容に関して他の人の知りえない知識や手技を持っているわけであり、大多数の社会人に、生化学、分子生物学、遺伝子工学、細胞生物学、免疫学などの詳しい知識を求めるのは現実問題として無理だと言っているだけである。私は、今回の新型コロナ感染症とm–RNAワクチン騒ぎは、この騒ぎを仕掛けた集団が一般的社会人との知識ギャップ、さらには社会心理学的手法を利用して引き起こしたものであると考えている。

そうであるとすれば、「社会全体がコロナコロナ狂騒の中でワクチン接種に向かって追い込まれて行った現象を冷静に分析すべきである。そうした分析こそが次回に仕組まれる(かもしれない)何かの社会現象を判断する基礎になるだろう」と考えた。そうした考え方そのものが陰謀論者の特性であるという批判が『正常化バイアスに浸ったグループ」から出るかもしれないが、反論は以下を読んでからにして欲しい。先ず新型コロナ感染症は怖い病気であるのかについて検証し、続いてコロナ感染症の診断に用いられたPCRという手法を見直してみることにする。

1.新型コロナ感染症は怖い病気か

新型コロナウイルス感染症、即ちSARSコロナウイルス2の罹患者は、2019年11月22日に中国武漢市で(初めて)確認され、同年12月31日に最初にWHOに報告された。

日本においては、2020年1月16日に中国・武漢から帰国した神奈川県の男性が感染していたことが初めて確認された。

1月後半になると、国内の店頭ではマスクが品薄になった。ほかにも除菌スプレーや除菌シートなどの衛生用品にも影響が出始めた。

2月5日、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員のうち10人から新型コロナウイルスの感染が確認された。

これ以降、厚労省を先頭に各と道府県知事、新聞、TVのワイドショー、週刊誌等での煽りが激化、一寸待て、落ち着いて考えようよと言うと、陰謀論者、時には非国民と云われる状況になって行く。

2月初旬から新型コロナウイルスの感染拡大につれ、使い捨てマスクだけでなく、トイレットペーパーやティッシュペーパーが店頭で品薄になった。

3月1日 ダイアモンドプリンセス号の全ての乗員乗客(3711 人)の下船終了

3月24日、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が電話で協議し、1年程度の延期を検討することで合意した。

4月7日、感染の拡大に伴い安倍首相は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に、特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令、4月16日には対象区域を全国に拡大した。

私も4月の半ばを過ぎた頃までは、幾分煽られていたように記憶している。とは云ってもマスクは求められれば装着するがほとんどはめない、不必要な人混みへの外出は控える、気が向けばうがいと手洗いを丁寧にする程度であった。理由は今回の新型コロナウイルス感染症によく似た SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)に関する報告を読んでいた事も一因である。それはそうとして、国民を恐怖に陥れた誘導が上の期間に行われていなかったか。

以下の4枚の図はコロナウイルスといわれているモノを現しているものである。毒々しい赤、ヌメヌメとした如何にも病原体らしい青いウイルスの図はコンピュータで描いたものにすぎない。

下の二枚はコロナウイルスの電子顕微鏡写真なのだが、モノクロの方が本物である。橙色のバックに赤黒いウイルスが写っている毒々しいほうは、電子顕微鏡写真に色をつけたものである。透過型電顕を使おうと走査型電顕を使おうと、得られる画像はモノクロの画像である。このモノクロの画像に色付けをする場合がないことはないが、その場合色付けをする人の意図が反映される。ならばこのおどろおどろしい着色は、誰がいかなる目的で行ったのか。ネットで新型コロナウイルス・画像として検索して欲しい。私の言う意味がお分かりになると思う。

このコロナ騒ぎの初期の頃、武漢であるかどうかは不明だが突然人が手を上げて回転しながら死亡する動画が出回った。あれを見て怖いという刷り込みを受けた人はかなりいるのではないかと思う。私は疑っていた。あまりにも都合よく倒れる人が画面の中心にいるのである。あの動画はかなりな確率でフェイクだろうと判断していた。あれ程ショッキングな動画であれば現在も残っているだろうと探してみたが見つけきれなかった。あんな形でなくなる人は日本には出現しなかったようだ。

何処か見えない所で、この新型コロナウイルス感染症を途轍もなく恐ろしい病気であると思わせようとする力が働いている様な気がした。何しろ、政府を先頭にして、地方自治体。TV、新聞が走っていた。SNS上では冷静な意見を書く人が何人かはいたが、コロナ怖いの大合唱の中では無力だった。戦前だなと感じた。

何か腑に落ちないままニュースを追っていたのだが、このような場合は原点に戻り、何か一つ確実なデータが得られる事件を追うべきだと思い直した。そこで一応区切りのついているダイアモンドプリンセス号についてのデータを見直してみたのである。データを示そう。

ダイヤモンド・プリンセス号 新型コロナウイルス騒動の経緯

2020 年

ダイヤモンド・プリンセスには、56カ国の乗客2,666人と1,045人の乗務員、計3,711人が船内に乗船していた。

1 月 20 日横浜港出港。香港やベトナムを巡るクルーズが始まり!
1 月 25 日 :乗客の 80 歳代男性が香港で下船
2 月1日 :那覇に入港。那覇検疫所の検疫終了。横浜向け出港

2 日 :香港下船の男性が新型コロナウイルス感染の連絡入る
3 日 :検疫やり直し。横浜検疫所がウイルス検査のための検体採取開始
4 日 :乗客乗員 10 人の陽性判明
5 日 :船内隔離開始・陽性者 10 人巡視船で下船
6 日 :横浜港大黒埠頭着岸 12 日:検疫官 1 人感染・厚労省職員も次々感染
15 日 :米国人下船・17 日チャーター機で帰国
19 日 :陰性の乗客一斉下船
3 月 1 日 :全ての乗員乗客(3711 人)の下船終了

従って怒濤のような報道が始まったのは2月の初旬あたりだったのだろう。そこでだが、全ての乗員乗客(3711 人)の下船が終了した後、何人が新型コロナに罹り、何人が亡くなったのかというまとめの報道を記憶している方はどれくらいいるのだろうか。厚労省の発表しているデータが以下のページに残っている。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00108.html

必要な部分だけを下に転載する。

クルーズ船


※1 那覇港出港時点の人数。うち日本国籍の者1,341人
※2 船会社の医療スタッフとして途中乗船し、PCR陽性となった1名は含めず、チャーター便で帰国した40名を含む。国内事例同様入院後に有症状となった者は無症状病原体保有者数から除いている。
※3 退院等している者659名のうち有症状364名、無症状295名。チャーター便で帰国した者を除く。
※4 37名が重症から軽~中等症へ改善(うち37名は退院)
※5 この他にチャーター便で帰国後、令和2年3月1日に死亡したとオーストラリア政府が発表した1名がいる。
※6 新型コロナウイルス関連疾患が軽快後、他疾患により重症の者が1名いる。令和2年2月3日に横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」については、海上において検疫を実施し、同年3月1日にすべての乗客、乗員の下船が完了しました。
(※)なお、本件については、WHOの各国の発生状況の報告において、日本国内の発生件数とは別個(その他)の件数として取り扱われています。
令和2年3月15日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客のうち、船内で14日間の健康観察期間が終了し同年2月19日から23日にかけて順次下船した計1,011人の方への健康フォローアップが終了しました。

 

簡単に言えば、3711人の中で感染した人は712人、死亡した人は13人に過ぎない。クルーズ船の空調が何系統あったかしらないが、各室に一つというような事はないだろう。つまり極めて感染しやすい危険な状況にあったと考えて良い。また乗っていた乗客の年齢層を推測すれば60歳から80歳の人が多かったのではないかと推測する。つまり新型コロナ感染症で亡くなる確率の高い世代の人である。さらに、対症療法も未だ手探りであっただろう。こうした不利な条件下において、感染した人が712名(19.2%、但し331名は無症状)、死亡した人が13名(感染者に対して 1.80 %、全乗船者に対して 0.35%)であったわけである。この死亡率0.35%という値が緊急事態宣言を発令しなければならないような値かどうか、冷静に考えればあり得ない話であろう。毎年流行する通常の季節性インフルエンザの死亡率は0.1%前後である。これは全世代に対する値であり、60歳から80歳の人に限れば0.35%という値はインフルエンザと変わらないだろう。

しかし、そんな話は決して通らない社会ができ上がってしまった。マスクは要らないとかコロナはさほど怖くないというと、変人ならまだ良いほうで非国民扱いされた。いわゆる「アタオカ」である。

この頃、志村けん氏(享年70)が20年3月29日にコロナで死んだ、2019年度末に乳がんで手術を受けていて、2020年1月末から2月半ばまで放射線治療を受けていた岡江久美子氏も20年4月23コロナ感染症で死んだというブースター報道がなされ、ダイアモンドプリンセス号のその後についての報道は表舞台から消え去ってしまった。これ以降、コロナが怖い怖いの社会的狂騒が止めどなく広がって行ったのである。ヨーゼフ・ゲッペルスが本当に言ったかどうか、あるいはその真意は分からないが、「嘘も100回言えば真実になる」「大衆は小さな嘘よりも大きな嘘に騙される」を地で行くが如き時代に突入したのである。

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ようやく復帰

 とにかく忙しい日々が続き、このブログも放置したままになっていた。義母が家の中で転けて入院したのだが、当初は左腕の骨折と云う診断だったのに、十日ほど経つと大腿骨の近い位部に骨折があると云う診断に変わった。まああたり前だが人工骨頭挿入の手術を行い、十日ほど経った本日次の病院に移された。ところが、移送先の病院で検査した所3ヶ所の脊椎骨折があるという。これからどうなるのか、面会は週1回3人まで、15分、かつタブレットを使うと云う条件下では、患者との意志の疎通もままならない。どうすれば良いか悩んでいる最中である。

 ここ一月あまりいろんな会合が連続して、現役の時よりも忙しかった。敬老会の宴会や免許の高齢者講習、腰痛治療のための診療所通いなど、昔は関係なかったわけだから、回数が増えてもおかしくはない。この種の用事で忙しいのは、あまり嬉しいことではない.

少し弱音らしきものを書きたい。ペントースリン酸経路の存在意義について書いているのだが、このままの様式で書き続けて行くと途轍もない時間がかかりそうなことに気付いた。原生動物はまだなんとかなりそうな気がするがバクテリアと古細菌を、今の調子で進めて行ったのでは結論に行き着く前に本人の息が絶えそうである。適当にと云うか適切にと云うか、私の考えを支持する菌種を選んで纏めるしかなさそうに思える。都合の良いデータだけを選んだのだろうと云われそうだが、学術論文ではない爺の殴り書きと云う位置づけということで、ペントースリン酸経路の存在意義の項は幕を引くことにしたい。

今日は再開前の殴り書き、気になる話を紹介したい。前回の記事で、トキソプラズマの感染による人格の変容の可能性について次のような文章を書いた。

 ニュースを辿りながら、社会が荒れているな、何かおかしいな、まさかと思わせられる事件や事故が多発している様に感じている。ワクチンを打ったであろう約一億人のうち三千万人位の人がトキソプラズマの慢性感染者であるとする。免疫低下に伴うトキソプラズマの活性化によりパーソナリティ障害を起こす割合など全くわからないが、0.1%の人が影響を受けるとしても三万人が異常を示すことになる。そんなことはあり得ないと否定する方がおられると思うが、ワクチンを打った後、性格が変わったと云う話は時々耳にする。偽相関であれば良い、私の推論が間違っていれば良いなと願っている。

ところが今日、オーストラリアのクイーンズランド州メンタルヘルス研究センターの精神科医ジョン・マクグラス氏らによると、過去44年間に米国や英国を含む11カ国から発表された17件の研究の分析を実施した結果として「広義の猫の飼い方と統合失調症関連障害の発症確率増加との間に関連性があることを発見した」とする報道がなされていた。

Mysterious Link Between Owning Cats And Schizophrenia Is Real, Study Says : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/mysterious-link-between-owning-cats-and-schizophrenia-is-real-study-says

https://zapzapjp.com/archives/61077361.html(和訳はこちらから)

私の予想が当たっただろうなどと自慢する気などさらさらないが、人類の3割近くが感染していると云う現実と、コロナワクチン接種による免疫低下を考慮すると暗澹たる未来が見えそうで・・・。相手が原虫だからイベルメクチンや 5−ヒドロキシクロロキンなどの抗原虫剤が効果を示す蓋然性があると思われるのだが、新型コロナ騒ぎの初期の経緯を思い出すと気分は良くない。

もう一つ気になっているのが、パンディミック条約(WHO)と平行して進められている国際保健規則(IHR)の改正と批准問題、これについて書き始めるといつまでかかるか分からない。国の主権をWHO に譲り渡す内容のこの二つの条約に批准を国会の審議もなく進めるのか。パンデミックであるかどうかはWHO事務局長に委ねられると云う内容を認められるのか。

WHOの現事務局長であるテドロスはエチオピア人で、大学卒業後に保健省に勤務しながらエチオピアでクーデターを起こした人物である。1990年代に米国によって「テロ組織」指定された「共産党革命人民解放戦線TPLF」のナンバー3だったと指摘されている。今回のコロナ感染症対策で彼がやった判断は、とても評価できるものではない。書きたいことは山ほどあるが、とても書ききれない。この問題はマスコミに出ない、国会で議論されない状況にあるため、ほとんどの人は全く知らない状況にある。以下に添付したサイトを見て、まず危機感を持って欲しい。

 

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ペントースリン酸経路への異論・・・6

 どうも考えることが多すぎてアピコンプレックス門のコクシジウム綱に属するトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)を書き落としていた。この失念が本当に失念であるのか、この生物に対する私の嫌悪感が失念を引き起こしていたのかは区別がつかないが、とにかく補足することにする。ともかくToxoplasma gondii のもつペントースリン酸経路を以下に示す。

Toxoplasma gondii のもつペントースリン酸経路

 この経路は、NADPH2 生合成のみならずリボース–5−リン酸の生合成系が可能な植物のもつ経路とほぼ同じ経路であり、ここで取り立てて議論するようなものではない。ただ、寄生する生物であってもこうして完全な経路を維持するものがいるというだけである。

 このアピコンプレックス門に属する生物群は、先にも書いたように寄生性の生活史を持つ。私だけの感覚に過ぎないのかもしれないが、貴方は○○細菌感染症だと告げられた場合はああそうかと思うに過ぎない。しかし、○○と云う原生生物が寄生していますと云われたら、背中がゾクゾクしそうだ。

 さて知られているアピコンプレックス門の生物は全てが寄生性である。宿主は後生動物全般に渡るが、個々の種の宿主特異性はある程度高いと考えられている。腸管、体腔、組織、血液などに寄生し、宿主に対して病原性を示すものが多い。人に寄生するマラリア原虫を初めとして、アピコンプレックス門の原虫によって引き起こされる代表的な疾病には以下のようなものがある。

 バベシア症(Babesia): マダニの吸血の際に唾液を介してスポロゾイトが宿主内に侵入して発症する。症状は発熱と溶血性貧血を主とする。日本ではギブソン犬バベシア Babesia gibsoni 、および犬バベシア Babesia canis 感染による犬のバベシア症が存在する。

 クリプトスポリジウム症 (Cryptosporidium): 土壌や水、未調理もしくは感染者・感染動物の糞便に接触して二次的に汚染された食物などにより経口感染し、哺乳類の腸が障害を受ける寄生虫病である。免疫系が健全なヒトに対しては自然寛解性の2週間程度続く下痢が主な症状である。しかし免疫不全状態にある人では、重症化ししばしば致死的になる。クリプトスポリジウムのオーシストは塩素系漂白剤などの消毒剤に高い抵抗性を示す。

 マラリア (マラリア原虫、Plasmodium): マラリアについてはよく知られているので、説明は省くことにする。必要な情報は、大まかにはウィキペディアのマラリアの項を参照されるか、https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB のマラリアの項を見れば良い。一寸興味深いのは、マラリア原虫はアピコンプレックス門 胞子虫綱 コクシジウム目に属するのだが、分子系統解析の結果に従えばアルベオラータという系統に属する。ここには渦鞭毛藻類も属することが知られているのみならず、近年マラリア原虫からも葉緑体の痕跡が発見された。そのため、その全てが寄生生物であるアピコンプレックス類も、祖先は渦鞭毛藻類と同じ光合成生物であったと考えられ始められている。そうであれば、植物とほぼ同一のペントースリン酸経路を持っていても不思議はない。

 トキソプラズマ症 (Toxoplasma gondii): トキソプラズマ症 についても必要な情報は、大まかにはウィキペディアのトキソプラズマの項を参照されるか、https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB のトキソプラズマの項を見れば良い。そんな説明で済ますのであれば書くなといわれそうだが、幾分気になることがあるのでその部分について書くことにする。

 トキソプラズマは人を含む幅広い温血動物に寄生するが、終宿主はネコ科の動物である。人間への感染は、シスト(感染した生物の脳や筋肉の組織中に厚く丈夫な壁に包まれた球形の塊をシストと呼ぶ。シストは数千におよぶ緩増虫体(ブラディゾイト)を含み、無性生殖によりゆっくりと増殖している。)を含んだ食肉を食べること、オーシスト(終宿主であるネコ科の動物に感染すると、有性生殖を行ってオーシストを形成する。オーシストは糞便中に排出され、環境中で数日間かけて成熟後、数ヶ月以上生存する。)を含むネコの糞便に由来する経口感染が主である。

 トキソプラズマ症 は世界でも広く存在する感染症で、世界人口の3分の1が感染していると推測されている。健康な成人では感染しても無症状に留まるか、数週間のあいだ軽い風邪様の症状が出る程度である。しかし免疫不全状態にある人においては、重篤な日和見感染を引起こして死に至らせることもある。ということから、二つほど暗い未来が予測できる。

 私はコロナワクチンに関して陰謀論者に属している。このワクチンに関して明るく前向きに考える至極まともな人は、以下の議論を無視して欲しい。陰謀論者の界隈では、このワクチンによって免疫のレベルが下がり、種々の病気を誘発していると考える。よく知られているのは帯状疱疹だが、ターボ癌と呼ばれる急速な癌細胞の増殖も免疫レベルの低下が原因であると考えられている。この二つ以外にも色々とあるのだが、それらを列挙して人を脅すのは本意ではない。

 問題はトキソプラズマである。世界の3分の一の人が感染しているとされるこの原虫、いままでの普通の生活においては人の免疫系によって無害なレベルに制御されていたのだが、ワクチン接種者の免疫レベルが低下した時どんなことが起こるのだろう。免疫抑制状態の人が罹患すると、中枢神経系障害や肺炎・心筋炎、さらに重篤なトキソプラズマ脳症を発症するとされている。我が国のマンションでもネコの飼育が増えている状況であるため、一寸気になるな。屋外で飼えばネコが感染する可能性が高くなるし近所への迷惑が気になる。室内に閉じこめて飼ったほうが安全だとは思うが、室内で飼うとネコとの距離が近づいてしまう。さらに、ネコと云う生き物は必ず脱走する生き物である。油断はできない。これが一つである。

 さて、ロバート・A・ハインラインの作品に「人形つかい」という寄生生物を扱ったSFがある。具体的な詳しい内容は忘れたが、宇宙から侵入した寄生性の異生物についての物語で、その異生物はナメクジのような形状をしており、それが人の背中に張り付いて人間の脳を乗っ取ってしまう。服を着れば通常の人間と見分けがつかないという状況の中で、この異生物と戦うと云う内容だった。読んだのが 50 年以上前なのでディテールは記憶していないが、気色の悪い小説だなと記憶に残っている。

 じつはトキソプラズマの慢性感染が、宿主の精神や行動に影響を与えるという研究報告がいくつも存在する。例えばトキソプラズマに感染したマウスは、ネコを恐れなくなるという。これはネコを終宿主とする原虫にとっては都合がいい。ネズミだけではなくトキソプラズマの慢性感染によりヒトの行動や人格にも変化が出るとする研究報告も存在する。男性はリスクを恐れなくなる、集中力が散漫となり、規則を破り、独断的、反社会的になるという。女性は社交的で男性に媚びをうるなどと云う傾向が出るそうだ。こうなるとまるで人形遣いの世界である。これが私のトキソプラズマに対する嫌悪感の原因である。勿論、真偽についてはわからない。とは言え近年の研究によって、アルツハイマー病、パーキンソン病だけでなく、統合失調症、双極性障害、パーソナリティ障害、間欠性爆発性障害など多くの精神疾患との関連が指摘されるようになってきた。いわゆる切れる人が近年増えているように感じているが、免疫レベルの低下でトキソプラズマの活動が高まっている可能性はないのだろうか?これが2つ目。

 ニュースを辿りながら、社会が荒れているな、何かおかしいな、まさかと思わせられる事件や事故が多発している様に感じている。ワクチンを打ったであろう約一億人のうち三千万人位の人がトキソプラズマの慢性感染者であるとする。免疫低下に伴うトキソプラズマの活性化によりパーソナリティ障害を起こす割合など全くわからないが、0.1%の人が影響を受けるとしても三万人が異常を示すことになる。そんなことはあり得ないと否定する方がおられると思うが、ワクチンを打った後、性格が変わったと云う話は時々耳にする。偽相関であれば良い、私の推論が間違っていれば良いなと願っている。

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マダニ

 TCA サイクルの話は終わったのか・・・7 においては、マダニの嫌らしさが全開だった。このマダニ、中山間地のみならず都会の周辺でも大きな問題になりそうだ。

 マダニか、嫌ですね。里山から山里へのイノシシ、シカ、サル、ハクビシンなどの侵入が酷い。獣害に耐えかねて農地を放棄する人が増えている。さらにこれらの動物が農作物の被害を引き起こすだけではなく、マダニを人里にばらまいている実態がある。日本紅斑熱、Q熱、ライム病、回帰熱、ダニ媒介性脳炎、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、など、命にかかわる危険な病気を媒介するしキャンプや山歩きなどで感染する人も散見される。困ったことにマダニには農薬である殺ダニ剤がほとんど効かない。誰がとか何処でとかいう話は抜きにして、かなり高濃度の旧来の殺虫剤の散布をしていると云う噂を聞くことがある。

 獣害に耐えかねて狼を復活させようと云う計画が、真剣に議論され始めている。勿論、反対論は強いのだが、狼を導入しようと云う計画がなされるほどにイノシシとシカの被害が酷いと云う実態が先にあるわけだ。撃ってジビエにしろと云う意見もあるが、そもそも人家の庭に現れたイノシシやサルは撃てない。人家のある所での発砲は法律で禁止である。射線を上に向けての射撃も禁止である。猟期が決まっていて年中撃てるわけではない。猟をする人の年齢が上がるだけではなく若者の参入も少ないため、猟友会の会員は激減している。狩猟に使うライフルを持つためのハードルは異常に高い。イノシシやシカに対して取得しやすいエアライフルでも撃てると云う人がいるが、止め打ち、つまり罠にかかった動物を撃つには使えても狩猟用には無理である。散弾銃の場合は小さな銃弾が体内に散らばっているため、肉に血液が残り臭みが強く残ることが多い。とにかく狩猟では生活が成り立たない。ジビエ、ジビエという人がいるがさほど売れるものでもない。

 行政はフェンスや電柵に補助金を出してはいるのだが、設置はしてくれない。水田にフェンスを張りそれを維持するには途轍もない労力が必要だ。その後の農作業も極めてやり難い。電柵の設置であればいくらか楽だが、下に生えた草が電線に接触すると漏電が起こって効果が低下する。夏季であれば10日おきに下草刈りが必要になる。除草剤?、草が枯れると保水力が落ち、畔が崩れやすくなる。バスタなどそんな事を起こさないことを売りにしている薬もあるが、やはり崩れやすくなるのは否定できない。急斜面であるほど畔や法面の崩壊可能性が高まるわけだ。

 あまり知られてないが、イノシシ猟はかなり危険である。瓜坊を見て可愛いなどと近寄ってはならない。日本に生息する猪は、体長でオスなら140cm前後、メスなら125cmとなり、肩高は60cmから90cm、体重は80kgから190kg、大きいものでは体調160cm、体重200Kgを越す個体もいる。可哀そうに猟犬はいつも怪我をしている。保険がないため治療費は思った以上に高い。さらに撃ったシカやイノシシの解体ができるかどうか。死んだ動物からは、多数のダニやノミなどの寄生虫がワラワラと這い出してくる。まあバーナーで焼けばいいのだが。解体後の内臓や骨などを処理するのも狩りをした人に委ねられている。狩猟用の高価な車も必要である。猟銃はとても高い。安物の銃では命にかかわる。道路に出たイノシシを撥ねてとった人の話では、肉の値段より車の修理費の方が遙かに高かったそうだ。

 狼の復活もロマンがあって良いなと思わないでもないが、世論が許さないに違いない。感傷的な動物愛護論が蔓延しているからである。現実的な案として里山に近い集落では柴犬、紀州犬、ビーグル犬などの中型犬を夜間に放す事を認めたらどうだろう。イヌの放し飼いが里山において禁止されたことが、イノシシなどの住宅地への侵入の一因であると考えている。都会のマンションでチワワやトイプードルを飼うための法律と、山間地で柴犬、紀州犬、ビーグル犬などの中型犬を飼う法律が同じであるのは理解できない。勿論大型犬は除かないと理解は得られないだろう。

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ペントースリン酸経路への異論・・・5

 次はディスコセア綱(class Discosea)に属する Acanthamoeba castellanii ペントースリン酸経路である。

acan Acanthamoeba castellanii の持つペントースリン酸経路

 Acanthamoeba castellanii はアメーバ型の原生生物の一種で、淡水域やその他の場所にも広く分布する土壌微生物である。アカントアメーバ属の大半はバクテリアを捕食して生活する従属栄養生物であるが、一部の種は感染性を持ち、ヒトや他の動物に対して角膜炎や脳炎(アメーバ性肉芽腫性脳炎)を引き起こす。このAcanthamoeba castellanii もアカントアメーバ角膜炎を引き起こすらしい。とはいえ、Acanthamoeba castellanii の持つペントースリン酸経路はいままで何度も見てきたものであり、NADPH2のみならず完全な形の糖相互変換系を持つオーソドックスなものでありこれ以上の議論は不要であろう。

 次は原生生物の大きなグループであるアピコンプレックス門(Apicomplexa;またはアピコンプレクサ類)に属する原生動物についてである。アピコンプレックス門の下位分類については分子系統解析による再検討が行われている段階である。Aconoidasida (無コノイド綱)は分子系統解析の導入以前に微細構造に基づき設定されたものであるが、主要な生物群においては分子系統解析でも比較的安定的なクレードを形成する。おせっかいかもしれないが、クレードとは共通の祖先から種分化により派生した子孫のすべてを含む種の1群を意味する分岐群をいう。アピコンプレクサ類は、生活環のどこかでアピカルコンプレックス(apical complex、頂端複合構造)という構造を持つ原生生物の大きなグループである。寄生性であり、配偶子の時期以外は鞭毛や仮足を持たない。

Apicomplexa (apicomplexans)
 Aconoidasida
  Haemosporida
   pfa Plasmodium falciparum 3D7
   pfd Plasmodium falciparum Dd2
   pfh Plasmodium falciparum HB3
   prei Plasmodium reichenowi
   pgab Plasmodium gaboni
   pyo Plasmodium yoelii
   pcb Plasmodium chabaudi
   pbe Plasmodium berghei
   pvv Plasmodium vinckei vinckei
   pkn Plasmodium knowlesi
   pvx Plasmodium vivax
   pcy Plasmodium cynomolgi
  Piroplasmida
   tan Theileria annulata
   tpv Theileria parva
   tot Theileria orientalis
   beq Theileria equi
   bbo Babesia bovis
   bmic Babesia microti
   bbig Babesia bigemina
 Conoidasida
  Eucoccidiorida
   tgo Toxoplasma gondii

  という事で、まず Haemospororida(住血胞子虫)から始めよう。住血胞子虫は赤血球や白血球に寄生する原生生物の一群で、代表的なものはマラリア原虫である。陸上脊椎動物を中間宿主、吸血昆虫を終宿主とする場合が多い。 Plasmodium falciparum 3D7から Plasmodium cynomolgiまで、12種のマラリア病原体類は、ほぼ同じペントースリン酸経路を持つ。

apfa Plasmodium falciparum 3D7 の持つペントースリン酸経路
pfd Plasmodium falciparum Dd2 の持つペントースリン酸経路

 下段にPlasmodium falciparum Dd2のペントースリン酸経路を示している。それ以外の11種のマラリア病原体は、上段に示した Plasmodium falciparum 3D7 の持つペントースリン酸経路と同じものを持っている。この系を見れば、NADPH2 生合成もできているしリボース−5−リン酸の生合成も機能している。共生微生物であるにもかかわらず大事な遺伝子は残しているという解釈で良いだろう。ただ、全ての種においてペントースリン酸経路の華とでも言うべき酵素(個人的感想にすぎない)であるTransaldolase (EC 2.2.1.2:Sedoheptulose-7-phosphate:D-glyceraldehyde-3-phosphate glyceronetransferase )を欠いているのは興味深い。この酵素が無くてもペントースリン酸経路は機能するのである。この酵素の反応を有機電子論的にトレースできず、長期間悩んだことを思い出している。

 下段に示したPlasmodium falciparum Dd2 の持つペントースリン酸経路 においては、Ribose phosphate isomerase(EC 5,3, 1,6: D-ribose-5-phosphate aldose-ketose-isomerase)に触媒される反応が欠損している。EC 2.2.1.2と同時にEC 5,3, 1,6を欠いた場合、リボース–5–リン酸の生合成が上手くできないのではないかと思うのだが、この反応は酵素が無くても少しづつ進むのではないかと思われる。

 水中で、リブロース–5−リン酸(上図右)の1位と2位の間でケト–エノール異性化が起こり1位の炭素がアルデヒドとなった後、この炭素原子を2位の水酸基が攻撃して閉館すれば左のリボース−5−リン酸が生成する反応は、糖化学においてはよく起こる反応である。両化合物の水中における平衡定数を精査すべきだとは思うが、さほどの問題が起きない可能性はあるだろう。

 次はアピコンプレックス門無コノイド綱ピロプラズマ目の Theileria 科とBabesia 科の生物である。過去からの分類学の流れで、小型のタイレリア科と大型のバベシア科に分けてはいるが、これは生物の系統を反映しておらず Babesia 属や Theileria 属は多系統的であることが明らかになっている。両者ともにマダニを終宿主とする寄生虫で、吸血された哺乳動物や鳥類の血球に寄生する原生生物である。 熱帯において家畜に対する致死的な病原体として警戒されているが、日本でも放牧牛の間で蔓延している小型ピロプラズマ症病原体も含まれている。

 ペントースリン酸経路の構成から見ると、Theileria 科の4種とBabesia bovis が下に示した同じ経路を持っている。

tan Theileria annulataの持つペントースリン酸経路

 先に述べた Transaldolase (EC 2.2.1.2:Sedoheptulose-7-phosphate: D-glyceraldehyde-3-phosphate glyceronetransferase )を欠いているだけでなく、3単糖、4単糖、5単糖、6単糖、7単糖の相互変換を担っている経路が抜け落ちている。にもかかわらず、NADPH2 の生合成もできているしリボース−5−リン酸の生合成も機能している。あの理解が難しかったペントースリン酸経路が、その存在意義を維持したままこんなに簡素化できるのかと驚いている。とはいえ、ペントースリン酸経路を、解糖系の一部とあわせて回路を形成していると見なしペントースリン酸回路と称する場合があるが、これら生物のペントースリン酸経路は最早回路を形成していないため回路と云う用語は適切ではないようだ。

 次は Babesia microti の持つペントースリン酸経路である。

Babesia microti の持つペントースリン酸経路

 この原虫の主要な病原体保有生物は齧歯類であり、通常はマダニ科のシカダニが媒介する。ダニ幼虫は感染を受けた齧歯類を吸血して感染し、変態して若虫となり、原虫を他の動物またはヒトに伝播する。詳しくはhttps://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/13-%E6%84%9F%E6%9F%93%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%85%B8%E7%AE%A1%E5%A4%96%E5%AF%84%E7%94%9F%E5%8E%9F%E8%99%AB/%E3%83%90%E3%83%99%E3%82%B7%E3%82%A2%E7%97%87 を参照のこと。この原虫の持つペントースリン酸経路 においては、NADPH2 の生産のみならずいわゆる解糖系との接続も切れてしまっており、経路としての体をなしていない。これを見てどう解釈すればいいのか、途方に暮れるしかない。寄生生物であると云うロジックに頼るしかなさそうだ。

 次はBabesia bigemina についてだが、牛、水牛および鹿に感染し、中南米、東南アジア、アフリカ、豪州に分布し、オウシマダニをはじめとするコイタマダニ属のマダニによって媒介される。これまた詳しくはhttps://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_fact/k13.htmlを参照して下さい。

Babesia bigemina の持つペントースリン酸経路

 この原虫においては 6-phosphogluconolactonase(EC 3.1.1.31)を欠いていて、一見二つの系が繋がっていないように見えるのだが、この酵素は次の反応を触媒する。

 都合の良い解釈ばかり持ち出して気が重いのだが、これは単なる分子内環化反応であり水中であっても進まないわけではない。他の反応で機能する基質特異性の低い脱水酵素が、この段階を担っているかもしてないし、ホストのもつ酵素を借用している可能性も捨てきれない。などというでたらめに近い言い訳で NADPH2 生合成は可能かもしれないということにしておこう。言うまでもなく、そのスピードは高くはないに違いない。Babesia bigemina についての詳しい情報は下記を参照のこと。

https://www.rakuno.ac.jp/wp-content/themes/rgu/file/reserch-report_1212.pdf

 今回は何となく自信を持てない。共生と云う現象に頼りすぎているのかもしれない。でもここを通らないと次にいけない気がしています。とにかく中間段階にあるという事です。

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