死都日本

 トンガでの噴火、大きなものでした。あの画像を見ていると、船も航空機もなかなか近づくのが難しそうな気がしています。首都のあるトンガタプ島の最大標高は海抜30m弱だと聞く。降り積もった火山灰と雨による大規模な土石流はないかもしれないが、積もった量によっては建物も多くが倒壊しているのではないだろうか。首都の標高が2m位しかないのに、最大波高20mの津波が襲っているなどという報道(何処まで信じていいのかは考慮中)を見ると、電気、ガス、水道を含め生活インフラは壊滅したに違いないだろう。携帯は太陽光パネルを使って充電すれば良いなどと云う楽観論は成立しない。今の所、出来るだけ早い救助活動が行われるのを望むしか出来る事はない。

 2011年の東北の大地震の時、具体的な金額は忘れたがこの国からも援助金が送られてきたのを記憶している。何とか恩返しをしたいものだ。最近、我が国はトンガからは大量のカボチャを輸入している。日本のカボチャが値上がりする?そんなチャチな話ではなく、トンガの復興をどう支援できるのか、彼の国民の生活基盤をどう再生するのかと云う課題である。しばらくの間の食料援助は当然としても、食糧の自給体制を構築する事が不可欠であろう。とはいえ、火山灰に覆われた農地の復興はなかなか難しい。大規模な客土の持ち込みは地理的に困難だと思う。火山灰の量によるが、そのまますき込んでしまうと肥料成分、特にリン酸の不足で植物の生長は非常に悪くなる。大規模な天地返しで火山灰を埋め込んでしまえば何とかなるかもしれないが、これには大型の重機が必要となる。

 火山噴火の規模を表す火山爆発指数(VEI)は、噴出物の量によって決定され、破局的噴火と分類される大規模噴火はVEI7から最大の8に相当する。今回の噴火については、VEI7に相当するのではという推測が出始めている。日本には今回の噴火を超えるような大噴火をした火山がいくつも存在する。ウィキペディアでも参考にしてもらえば良いのだが、日本の西南部で起こる可能性のある巨大噴火は、何度か日本全土を火山灰で覆い尽くした。今回の噴火に対する支援活動は、我が国で起こるかもしれない災害への対策を立てる上で、貴重な機会となる可能性を持つ。情けは人のためならず、こんな時なら、大型の土木機械をODAとして援助する事に異論はない。但し、機械操作、整備、燃料供給などを遂行できる人の教育を同時に行う事が条件だ。「富士山の噴火が迫る」とか「南海トラフ巨大地震、40年以内の発生確率「90%程度に引き上げ」などという物騒なニュースが流れ続けている昨今、今少し科学的素養をもち、時間的スパンを広げた視野をもった政治家が増える事を願っている。

 それにしても、噴火の映像は衝撃的なものでした。世界的な日照の減少と気温の低下が起こるかどうか、大いに気にしています。ピナツボ山の噴火が起こった1991年、米の作凶指数が95まで落ち込み、タイ米の緊急輸入が行われました。あの頃はまだ日本経済はそこそこ強かったため、買い負ける事はなかったのですが(買えなかった国では食料不足が起こっていた)、現在はどうなのでしょう。中国には間違いなく買い負けるでしょうね。大きな事はできないが、私も定期購入を続けている人達に滞りなく供給できるように作付け等考えて行く必要があるかもしれない。

参考1  https://www.jiji.com/jc/v8?id=202201tatsumieqvx              参考2  著者 石黒耀 発行日 2002年9月1日 発行元 講談社 ISBN 978-4-06-276195-6

 時々続報をみていますが、火山爆発指数(VEI)7には届かないようだ。被害は風向きの大きく左右されるし、噴煙の高さの報道もまだ混乱しているが、当初伝えられていたよりは少なそうだ。とはいえ、迅速な水と食料の支援は必要だ。

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