日々こんなもの

 久しぶりの雨、とても有り難い。だがこの雨で息を吹き返すのは作物だけではない。畑の畔で雌伏していた雑草といわれる名も知らぬ植物が、一気に伸び始める。今までもそうだがこれからも草刈りと草取りと除草剤散布の毎日が続く。

 昨日は育てているゴーヤにカメムシの幼虫がかなり発生していた。今年のカメムシは間違いなく発生が遅い。冬が寒かったのが原因かもしれない。土日の出荷に合わせて前もって採果し、仕方なく殺虫剤を散布した。ゴーヤに発生しているのであればカキにも発生しているに違いない。隣のナシ畑が収穫期に入っているので、ポジティブリストの規制に引っかからないように薬を選び、ドリフトがないように風向を考えて散布せねばならない。私のカキは半分遊び、隣のナシは専業のナシであるため、その程度の配慮は必要だろう。

 今日はナス畑、スリップス(アザミウマ)とテントウムシダマシ、そして昔日本が送り込んだ生物兵器とまで言われたマメコガネの食害が目立ち始めただけでなく、黒枯れ病(多分)も発生している。出荷用に水ナス、長ナス、白ナスを前もって収穫し、コテツとトップジンMを散布したのだが、散布後しばらくしたらかなり強い雨が降った。再散布するかどうか、様子を見ながら決めることにするつもりだが、散布回数が決められているのでそれとのバーターである。

 午後から田んぼに行くと、イノシシが畔を壊している。隣のブドウ畑では昨日電柵を設置したという。田んぼに入られると取り返しがつかなくなるため、慌てて水路脇の草刈りをし電柵を設置した。とはいえ、全面を囲うには時間が足りなかったため、侵入口となっている隣の耕作放棄水田との境に設置した所で日が暮れた。残りは次の日に回すしかない。明日出来ることを今日するなという格言を信じて終了である。田植えが終わってしばらく経つが、そろそろイネの病虫害にも目配りをする必要のある時期になった。いやいや、忙しいし考えることが多い。周りの農家の方は実に淡々と作業をこなしている。私はドタバタと、その場凌ぎの作業に追われている。経験の差だな、これは。

 ゴーヤ畑にいった時、採りそびれた巨大なヤツが良い色に熟していた。写真をお見せしよう。左が通常の出荷品、右は少しだけ過生長。この黄色い果実からジャムを作ると希少なジャムができるのだが、ジャム製造の免許がないため販売は出来ない。差し上げることなら可能なのだが・・・。

 ついでである。電柵の写真をいくつか貼っておく。左側の耕作放棄地、法面の草は切ったのだが、その上に生えている部分も切る必要がある。生長した葉っぱが電線に触れるとそこで漏電が起こり、電圧が下がり効果が亡くなるからである。この草刈りで半日以上かかるかもしれない。この薮の中に獣道がある。草の先端にはマダニがくっついて次のホストを待っていることがある。マダニ、日本紅斑熱 ライム病 ダニ媒介性脳炎 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を媒介する。コロナより怖いな、用心用心!

 電柵のコントローラーである。実に単純な機器だが、これで3万円程する。サツマイモ畑、カボチャ畑などなど、あちこちに設置するとなると結構な出費となる。さらに、単一の乾電池8個が必要であり、1ヶ月程度しか持たない。消費者からは気付いてもらえそうにもない出費だ。太陽光の発電パネルを持つものも販売されているが、通電距離を考えると5万円程度の装置が必要になる。

 上の放棄地の草刈り、考えただけでも億劫になるが、やらないと田んぼがイノシシのぬた場になってしまう。暑いけど仕方ないか。気温の予想、今日は34℃、明日は36℃だ。

 

 

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