田植えと草刈り

 昨年田植え機を買った。新品は田植えのやり方と、植える速度、さらに何条植えかによって変わってくるが、私が買った小さな4条植えであっても100万は優に超えてしまう。僕が買ったのはもちろん中古です。さほど末長く使うわけではないだろう。それはそうと、この田植え機にも沢山の切り替えるべきレバーとアタッチメントがあり、なかなか覚えるのが難しい。この難しさは、練習が出来ないことに起因する。たった3反の田んぼ、私は6時間ほどかかったが、慣れた人なら2時間かからずに済ませるだろう。では少し練習しようと思っても、田植えは年に1回しかない。トラクターであれば、何度か使う練習が出来るのだが、田植え機の練習は出来ないのである。乾燥した畑地で練習しようとしても間違いなく植え付けようの爪を痛める。練習できるような何も植えていないドブドブの田んぼなんてあるはずはない。記憶力の良い年代に馴染んでおかないと、歳をとってからの記憶はすぐに消失する。私、近くの農機具屋さんのTさんが気に掛けて見に来てくれるので、何とかやっている程度である。すべて人頼りの爺である。

 ということで、一昨に日田植えが終わった。トラクターと田植え機を洗い余った苗と苗箱を片づけて一段落と思っていたら、そうは問屋が卸さない。次の朝田んぼを見に行くと、ジャンボタニシがイネの苗に取りついて食い散らかしている。違法な堆肥を使うわけには行かない。慌てて農薬を買いに行く。ジャンボタニシ、別名スクミリンゴガイはなかなか判断の難しい生物である。確かにイネの幼苗を食べるので困った存在なのだが、大きくなったイネは食べない。イネが生長した後は、そこに生えてくる雑草の芽を食べる。つまり生きた除草剤になるのである。イネが少し大きくなるまでしばらく眠ってくれると有り難い。

 ということで開発された薬剤、スクミハンター(チオシクラム粒剤)という農薬が存在する。                          http://www.env.go.jp/water/sui-kaitei/kijun/rv/t06_thiocyclam.pdf https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000656918.pdf                本来はアセチルコリンエステラーゼを阻害する殺虫剤として開発された薬剤だが、これがジャンボタニシを殺しはしないが、その摂食動を抑制するという。もちろん殺す農薬があるのだが、ここは共存共栄でいくことにした。3反の田んぼで、イネが水に浸かっている部分にだけこれを散布した。エスカルゴの代用品にしようと狙った業者がこの貝を輸入し、養殖を始めたもののうまく行かず、養殖場を放棄したのが原因で西日本の31府県に広がったという。原産地は南米、日本には台湾の養殖業者を経由して入ったらしい。塩ゆでした後、白ワインで煮込んで臭みをとりニンニクなどの香辛料を加えてバター焼すると、結構いけるという話は聞いているが、寄生虫がいるという話もあり食料難になるまでは食べる気にはならない。

 今日はゴーヤ畑の草刈り、乗用草刈り機で約1500坪を刈った。とはいえ、畑として使っているのは300坪くらいかな。残りは草だけでも切ってくれという地主さんの要望で切っている。半分は元がブドウ畑だったので番線が張ってありコンクリート製の支柱が立っていのだが、老朽化しておりいつ倒れてくるか分からない。恐怖である。残り800坪程はナシ畑だったためかなり大きなナシの木が生えている。ナシをまともに作れば3〜400万くらいの収入になるとは言われているが、私に作る気はない。冬場の剪定と整枝、春先から続く農薬散布、受粉、摘果、収穫を考えれば体力的に無理であるだけでなく、農薬散布用のSSつまりスピードスプレイヤーが必要になる。スピードスプレイヤー、自分が農薬のミストを浴びないようにしようと思えばキャビン付きの物を買わねばいけない。そうするとレクサスRXくらいの価格になる。

 支柱や木が生えていると、乗用草刈り機での作業はすごく難しくなる。1500坪、何にもなければ2時間もかからずに終わると思うが、今日いや昨日は5時間くらいかかった。でもまだ終わったわけではない。支柱や木の周り、さらには外周に残っている草刈りに同じくらいの時間がかかるだろう。その部分の草刈りはエンジン式刈り払い機を使っての作業となる。帰ったら、1.5Kg程体重が落ちていた。草刈りはここだけではない、あと2000坪ほど残っている。年寄りの冷や水、そう言われても反論は出来ない。ああまた夜更かしをしてしまった。もう寝よう。

掘り上げたジャンボタニシならぬジャンボニンニク 大きいものは1本で1キロを超えます。今年は、葉枯れ病が蔓延したため一寸小振りなものが多くなっている。左側の草の中で育った、野性味満点の品なのだが、通販で売ろうとすると重たくて送料ばかりかかります。葉っぱの部分はなかなか乾かないため焼却は無理、処分が大変。
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