ことの進展が早過ぎて、色々なニュースの裏撮りが追いつかない。ワクチンを打ったらスプーンがくっつくとかスマホがくっつくとか、血栓が出来やすいので飛行機に乗ると危ないとか、打ったヒトは2〜5年で死ぬとか、打った人に近づくと健康を害するとか、DSが後ろにいるとか、いや後ろにいるのはロックフェラー財団だとか、とてもじゃないカバーしきれない。さらには、mRNAワクチンは接種者のゲノムDNAに取り込まれ永遠に変化させるとの報告まである。すべてを陰謀論として切り捨てられればすっきりするのだろうが、それぞれの論には認めるべき事実がありそうなところが悩ましい。スプーンやスマホがくっつくことについてはまだ判断していないが、それ以外の項目についてはそれなりの裏付けがある。その裏付けが正しいかどうかはまだ分からない。
ワクチン接種者は血栓が出来やすいので飛行機に乗るなというスペインとロシアの話であっても、2021年6月4日 uncut-newsというドイツの独立系ジャーナルサイトで報道されたもので、頭から陰謀論と切り捨てる訳にもいかない。https://uncutnews.ch/medien-in-spanien-und-russland-fluggesellschaften-gehen-das-problem-der-blutgerinnsel-an-und-empfehlen-geimpften-personen-nicht-zu-reisen/ 血栓が出来やすい、血管障害を引き起こすという発表はソーク研究所からも出ている。ソーク研究所は、ポリオ(小児麻痺)の生ワクチンを開発した所で、複数のノーベル賞受賞者を輩出している信頼できる研究所である。ビル・ゲイツ財団でワクチン開発を担当していたギアート・バンデン・ボッシェ博士も、ワクチン接種によってできる特異性抗体が、元々われわれに備わっている非特異性抗体を無力化し、生来の免疫システムを破壊するということで、コロナワクチン接種の緊急停止をWHOと世界各国に呼びかけている。一方、JALとANAは社員に対するワクチン接種をするという発表を見た気がする。自衛隊員にも接種するという報道があった。ワクチンを接種した人は飛行機に乗るな、ではパイロットはどうなるのだろう。客室乗務員は?旅客機であれば副操縦士がいるが、自衛隊の戦闘機の場合はどうするのか。
ワクチンを接種されたヒトは2〜5年で死ぬというのも本当かなと思いはするものの、このワクチン政策に携わっていたファイザー社元副社長の告発というのが気にかかる。これは人の免疫に関する問題なのだが、もう一つmRNAワクチンは接種者のゲノムDNAを永遠に変化させるというのも悩ましい。ゲノムに組み込まれるというのであれば、人に逆転写能力があることを意味する。そんなことは習ってこなかったと思うかもしれないが(私も初めはそう思った)、ハーバード大学とMITの研究者が、mRNAの「ワクチン」が逆転写によりヒトのDNAを永久的に変化させている可能性があると警告している。ハーバード大学とMITの研究者というのが判断を迷わせるな。さらに、https://www.technologynetworks.com/genomics/news/human-cells-can-convert-rna-sequences-into-dna-349748によれば、トーマス・ジェファーソン大学のリチャード・ポメランツ博士が、哺乳類細胞内の14種のDNAポリメラーゼのうち、ポリメラーゼ・シータと呼ばれる珍しいポリメラーゼが「RNA の遺伝情報を DNA に逆転写することができ、実際にDNAとDNAを複製する場合よりも高い効率で働く」ことを確認したと書いている。ヒトもレトロアニマルであったのかとそれなりに驚くのだが、ラマルクの用不用説が再浮上するかもしれないな。
本題のPCRについての再考、あれこれと書くことに疲れてしまったので、ざっと書くことにする。よくPCR詐偽などといわれるが、詐偽のネタはいくつかある。コロナ感染症についての発表において、今日の感染者数は○○人と書いてあるのだが、何人調べたかの母数は書いてない場合が多い。要するに検査数を操作すれば、感染者数はどうにでもなるのである。さらに、母数に対する感染者割合を東京都のデータで見てみると、感染率が大きく上下している。相当意図的に数字を出しているなと推測している。
PCRで使うプライマーについても問題がありそうなのだが、それはそうとしてPCR試験陽性者と発病者を感染者という名称で括っているのが、実に良くない。よく比較の対象とされるインフルエンザ、流行時には通勤電車の中で多くの人がインフルエンザウイルスを吸い込み、上気道にウイルスを持っている筈である。しかし、発病するのはその中の一部、インフルエンザ感染者という場合は、発熱、咳、頭痛など症状を示して病院へ行き、インフルエンザの検査で陽性となった人のみをいう。無症状者は感染者ではないのである。従って、本来のコロナ感染者は発表数よりかなり少なくなる。
いまひとつ ct 値の問題がある。これは最近良く議論されているので皆さんもご存知だと思うが、要するにウイルスの遺伝子を検出するために何回増幅を掛けるかという問題である。初期の頃、日本では45回という途方もない数字が使われていた。45回も増幅すれば1本の遺伝子断片が約35兆本に増えることになる。これは余りにも酷い。国立感染症研究所は「ウイルスRNA1コピー」の増幅が確認できるポイントが概ね38か39サイクルであり、試験ごとに多少のずれが生じるため40サイクルとしている。機器、測定システムの性質上、40サイクルからの増幅を確認するためには、それよりも5サイクル上まで増幅反応を行う必要があるため、45サイクルとした」と答えていたようだが、上気道に1個のウイルスがいたら感染者かという問いには答えていないようだ。後は想像に任せるが、要するに通達を出してct 値を操作すれば、感染者の数などどうにでも出来るわけである。
最後の一つ、これが私にまだ理解できていない問題である。キャリー・マリス博士、PCR法の発明で1996年ノーベル賞を受賞した研究者だが、「PCRを感染症の診断に使ってはならない」という言葉を残して、謎の死を遂げたといわれている。PCR法によるコロナ診断に批判的な方々がこの言葉を良く引用されるのだが、詳しい理由を述べている人はいない。上に述べたいくつかの理由を指しているのだろうと、半分くらい納得はしてきたのだが、いまひとつ腑に落ちない。以下、私論である。正しいかどうかは分からないが、こんな場合もあるのではと考えたことを書き留めておく。
ヒトは病害菌やウイルスの感染を未然に防ぐシステムを持っている。免疫といわれるシステムが頭に浮かぶが、体内に侵入される前に存在する防御システムがある。例えば、ヒトにおいて涙や鼻水、母乳などに含まれているリゾチームは、真正細菌の細胞壁を構成する多糖類を加水分解して真正細菌つまりバクテリアの感染を防いでいるといわれている。とは言うものの、ヒトの皮膚や粘膜上には多数の常在菌が存在しているのも事実である。また余り知られていないが、ヒトは体表面にRAase(RNA分解酵素)を分泌している。カビも細菌もまた菌体外にRAaseを分泌している。さらに、ヒトが体表面にプロテアーゼ(タンパク質分解酵)を分泌しているかどうかは寡聞にして知らないが、種々の細菌が菌体外にプロテアーゼ素を分泌することは知られている。
何をイメージしているかといえば、ヒトの上気道と呼ばれる場所には一定の感染防御システムがあるのではないか。そこにはホストである人やカビや細菌が一つの生態系を構成しているわけである。そして、色々な細菌やカビ、あるいはヒトの細胞が相互に破壊しあいながらも、一定の秩序を維持しているのである。つまり、上気道の粘膜上には各生物が分泌する加水分解酵素、プロテアーゼ、RNase、あるいは脂質分解酵素が存在するに違いない。呼吸を介してここにコロナウイルスが付着した時、ウイルスを構成している外被のタンパク質や脂質膜部分が分解を受け、不活性化するケースがあると考えるのが合理的である。そうするとウィルスの外被はが破壊されて内容物であるウイルスの遺伝子すなわちmRNAがむき出しになるに違いない。外被を失ったウイルスmRNAをヒトや周りの微生物が分泌したRNaseが攻撃して切断すれば、もはや感染力は失われることになる。
しかしながら、上気道からサンプリングしてPCRを実施する場合、フォワードプライマーとリバースプライマー及び両プライマーに挟まれた領域が壊されていなければ、PCR検査では陽性となる。つまり、コロナウイルスを吸い込んだにも関わらず、上気道においてこれを破壊し、感染力を失ったコロナウイルス遺伝子断片を持っているだけのヒトを、コロナウイルス感染者であると判断しているのではないかという疑問である。プライマーの特異性や ct 値の問題は良く議論されているが、断片化したウイルス遺伝子からの増幅に基ずく誤判定の可能性は聞いたことがない。キャリー・マリス博士の「PCRを感染症の診断に使ってはならない」という言葉に、この可能性が含まれるのかどうか、判断は読者にまかせます。この部分がPCRを再考するというタイトルで書きたかった部分です。
それにしても、ワクチンは絶対に安全だと言う関係者の方々より、一寸待て、危険だと訴える人々の方が人格、学識、識見に富んでいるように思えるのは、私だけだろうか。免疫のシステムは、我々が考えるよりはるかに複雑で矛盾に富んだものであるようだ。そのシステムに対し、まだ私は完全に理解していない。従って何が起こるか分からないと真摯に言う人の方が信頼に値すると考えている。