名は体を表すか?

 以前にも書いた記憶があるのだが、似て有らざるものにどう名前を付けるかと言う問題は思った以上に難しい。例えば鳥類において、モズに似て一寸小振りのモズがいるのだが、名はチゴ(稚児)モズという。とりあえず情緒のある名前であるとしておこう。タカ(鷹)の大きめの鳥にはオオタカという名が付けられている。サギ(鷺)の仲間は、コサギ、チュウサギ、チュウダイサギ、ダイサギなどと余り味気のない名が付けられている。もっともアマサギ(猩々鷺)とかゴイサギ(五位鷺)などもいるので、サギ全部が味気ない名を持っているわけではない。

 植物においては、エンドウによく似た植物に、カラスノエンドウとかスズメノエンドウという名を与えているし、アカシアに似た植物であるハリエンジュにはニセアカシアと言う接頭語をつけている。本来の種より一寸小ぶりの種にはヒメという接頭語を(ヒメウツギ、ヒメツルソバ、ヒメオドリコソウ、ヒメジョオン、ヒメスミレ、ヒメフウロなど)、大振りの植物にはオニという接頭語を付ける(オニユリ、オニバス、オニタビラコ、オニスゲ、オニゲシなど)。有毒な種に関してはドクを付けることもある。ドクムギ、ドクニンジンなどだ。

 これが昆虫になると少しばかり風合いの違う命名がなされる場合が多い。接頭語としてニセ、チビ、ケブカ、メクラ、メナシ、アシブト、ハラビロなど現在では大声で言いにくいもの、ホソクビ、クビナガ、アシボソ、コシボソなど大声で言ってもよさそうなもの存在する。接尾語としては、ダマシ、モドキが多い気がしている。昆虫は種類が余りにも多いので、情緒ある名前をなどという余裕がないのかもしれない。

 命名すると言う行為は、ある集合からある特性を持つものを切り分ける行為を含んでいる。現象はコトバによって分節され認知されるなど、ソシュールのような難しいことを言うつもりはないが、言葉はある現象を意味するわけだ。当たり前ではないかと言われそうだが、その当たり前が当たり前に行われていない現実があるためにこういうことを書いている。

 新型コロナ感染症というものが流行っているそうだ。日本での死者数の多い病気の順番で言えば、多いほうから35〜6番目辺りにあるそうで、さほど問題にするような感染症ではない可能性が高い。しかし、なぜか発狂してしまったマスコミによってことさら怖い印象づけが行われているため、世はコロナ恐怖症に陥っている。そしてこの感染症に有効なのはコロナワクチンだけであるという誘導が行われている。これは私のこの感染症に対する感想であって、読者の同意は求めないし、各人がこの病気を恐れても一向に構わない。以前に書いたが、この感染症対策に必要なのは、罹った時に飲めば効く薬でありワクチンではないという考えも変わっていない。

 そこでコロナワクチンについてだが、結構否定的な意見があるにも関わらず、これを待ち望む人の多さには呆れ果てているというわけだ。もちろんこれも各人の自由であり他人が口を挟む必要はないのかもしれない。だが、このコロナワクチンは本当にワクチンだろうかと考えてみると、どうもきわめて怪しいのである。ワクチンは薬に分類されると思うので、日本薬学会の用語解説を参照するのが良いだろう。ではどう書いてあるか引用しよう。

 《免疫反応の抗原となる微生物やその産物を含むものであり,感染症の予防を目的として注射や経口投与により生体に能動免疫をつくりださせる製剤.生きた弱毒病原体(生ワクチン),不活化病原体(またはその一部),病原体代謝産物(毒素,毒素の不活化物であるトキソイド)が使用される.ワクチンの接種により生体(ヒト,家畜など)の体内に能動的につくられる抗体(体液性免疫,細胞性免疫,または両者)が病原体の感染・伝播・流行を阻止する.生ワクチンにはBCG,痘そう(天然痘),ポリオ,麻しん(はしか),風しん,おたふくかぜワクチンなどがある.不活化ワクチンとしては,百日咳,ジフテリア(トキソイド),破傷風(トキソイド),インフルエンザ(HA),日本脳炎ワクチンなどがある.(2005.10.25 掲載) (2009.11.6 改訂)》 日本薬学会の用語解説ページより

 新型コロナウイルスに対するワクチンと比べて違和感を感じないだろうか。ワクチンの定義のよれば、生きた弱毒病原体、不活化病原体(またはその一部)、病原体代謝産物(毒素,毒素の不活化物であるトキソイド)であると明記してある。などという曖昧な解釈を認めるような文言もない。もっとも、ウィキペディアなど一部の改定の早いところでは、ウイルスベクターワクチン、mRNAワクチン、DNAワクチンなどの項目を挙げているので、私が知らないだけでワクチンの定義の拡大が行われたのかもしれない。しかしながら、旧ワクチンのグループと新ワクチンのグループには、作用メカニズムに大きな違いが存在する。

 旧ワクチンのグループにおいては、抗原抗体反応を引き起こす異物は外部から導入される。ところが、新ワクチンのグループの特徴は、抗原抗体反応を引き起こす異物が、注入される遺伝情報を持つ遺伝子の情報にしたがって人の体内で作られる点にある。自分の体内で自分のものではない異物(抗原)を作らせるのが、新型ワクチンと呼ばれているものである。この違いは思った以上に大きい。旧ワクチンでは、抗原抗体反応を起こす抗原の量は、投与量である程度制御できるが、新型ワクチンではどれくらいの抗原が体内で作られるかの制御は個人差が大きくて難しそうに思える。さらに接種された遺伝子のフラグメントが、体のどの組織において異物を作るのかがよく分からない。

 個人的意見だが、この新グループワクチンには別の名称を与えたほうが誤解を招かないと思う。もっともこれはワクチンに対して慎重な意見を持つ私の感想に過ぎない。推進する立場の人たちは、健康に役立ってきたワクチンという誤解を利用したほうが都合がいいと考えるだろう。何を考えても、いつも少数派から抜けきれないな。ふふ、ニセワクチン、ゴカイリヨウワクチン、ドクワクチン、ワクチンモドキ、ワクチンダマシ、ワクチンダマシモドキ、YouTubeならバン間違いなしだ。そうか、バンワクチンでも良いか。

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