薬剤散布の1日

 農薬絶対反対という方々には怒られるかもしれないが、今日はクワとカキに薬剤を散布した。両植物が隣接しているし、隣にはナシ園もあるため、散布はできるだけ風の止まる時間帯に行うことにしている。ポジティブリスト制度のもとでは、ドリフトに伴う残留農薬の基準がとても厳しい。この件については項を改めて書くことになると思うが、アメリカの基準が日本で通用するかどうかの問題である。

 6時前から、きのう軽トラの背中に積んでいたシイタケ原木を山に運ぶ。すぐに戻って、クワ菌核病防除剤のロブラール水和剤をローリータンクに200 ℓ作り動噴(動力噴霧器)で散布するのだが、気がついたら動噴の燃料が切れている。ガソリンスタンドに走り、ガソリンを購入して給油、散布開始が30分ほど遅れてしまった。

 天気は薄曇り、風はほとんどなかったため約100本のクワへの散布は1.5時間ほどで終了した。ロブラールの散布は収穫の14日前までにしか行えないので、収穫は5月の12日以降ということになる。その頃からマルベリー狩りの観光農園をやれればいいなと思っている。

 クワへの散布が終わった後、すぐに家に帰りタンクと動噴の洗浄、続いてカキ用の薬液を作った。この時期、うどん粉病・炭疽病・落葉病の予防にキノン銅フロアブル剤が、フジコナカイガラムシ防除のためモスピランを使うことを勧められるのだが、このモスピランはネオニコチノイドに属しミツバチへの影響が問題となっている。モスピランを避けるとすれば、ダイアジノンなどの有機リン系殺虫剤ととアップロードの組み合わせが考えられる。モスピランは成虫、卵の両方に有効だが、ダイアジノン等は成虫にしか効かないという。卵に対してはアップロードを添加する必要があるわけだ。さらに考えるべき条件として使用時期の制限がある。

 薬剤は一通り買ってきたものの、昨夜かなり悩んで考えた。私が植えているカキは、売るためのものではなく自家消費と知り合いの人たちの柿狩り用のものである。少し収穫が減っても問題はない。そんなわけで、キノン銅剤とアップロード水和剤だけを散布し、ダイアジノンは撒かないことにした。卵からの生育を抑えれば、虫はさほど増えないだろうというムシのいい考えである。商業的に作っていればこんな判断はできないと思うが、柿の栽培は趣味であるからこれで良い。

 後は、ドリフトに気をつけながら撒布した。散布後、タンクの洗浄と動噴の洗浄をして終了。判断の結果は秋にならないとわからない。いや、秋になってもわからない可能性が高い。収穫は、今後の天気、台風、雨量、気温、防除だけでなく、柿の品種にも大きく影響されるからだ。柿生産で生活をしているとすれば、こんな判断ははできない。安全策を取るだろう。農薬の使用についてはいろいろな意見があるが、どれが正しい意見であるかを判断するのはあまりにも難しい。

 午後からは、少し休んでワケギの収穫、その後ヒユナ栽培用の畝を作った。紫外線が強かったらしく、なんとなく目が疲れている。

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