咳と発熱

 一昨日、皆がセンター試験で大変な作業をされている頃、私は山で切った藪の解体と焼却をしていた。世間からある意味で卒業すると、世の喧噪とは全く縁のない世界で過ごせるようだ。聞こえてくる人為的な音は、遠くで働いている人のチェーンソーの音と、真上を通過してゆく東京行きのジェット機、山の向こう側を走っている久大線の列車の音だけである。自然界では確実に季節が進んでいるらしく、混群を作っている山雀と四十雀の囀りが聞こえる。近くにある大きな椿にはメジロが群れているし、遠くからは多分アカゲラと思われるドラミングも聞こえる。カラスとヒヨドリは言うに及ばず、意外に人懐っこいジョウビタキが何度も様子を見にやってくる。

 それはどうでも良いとして、葛と荊の焼却でだいぶ煙を吸い込んだ。このせいで、魅力的なバリトンになっていると思っていた。昨日は朝の最低気温が-5℃近くまで下がり、葉菜は凍り付きパリパリの状態、ダイコンも凍ってしまっていたため出荷中止。のどの調子が思わしくないと思いながらも、ナフコに行って単管と直行ジョイントを買い込み新しい薪棚を作った。これが5つめであるため結構手早く作ることができたのだが、夕方寒くて寒くてたまらなくなった。熱を測ると38.7℃、この体温を見た瞬間に、手と足と肩が急激に痛くなった。

 そういうわけで、今日は働いていない。いまの体温も38.6℃、寝ていた方が良いだろうとは思うが、寝過ぎてだんだん腰が痛くなってきている。ちょっと起きて休んでいる状態だ。現役の頃、発熱は土曜日の夜、或いは大晦日で、月曜日或いは3日には起きて仕事に行っていた。少し時間に余裕ができたため、発熱のタイミングが狂い始めているらしい。皆様、風邪にはご用心!

  なんだか知らないが、咳も酷い。3日ほどゴホンゴホンとやっていると、腹筋の運動をやらされたときよりも痛くなってしまった。息をしても腹筋の存在がわかる。過去の経験から、私と咳の親和性は高いらしく、一度出始めると最低一月、長いときは半年ほど出続ける。面白いことに、咳が出ている期間は、胃腸の調子が良いような気がする。咳をすると言うことは、かなりなエネルギーを使っているということだろう。昨夜、余り眠れずに午前2時過ぎに起き出した。かといって、ChemDrawを起動してピリミジン塩基の生合成を入力する気にもならない。どうしようかと考えていたら、猛烈に空腹であることに気付いた。台所に行き昨夜のポトフの残りからキャベツの芯を拾い出して食べ、賞味期限ぎりぎりの豆乳を飲んで諦めてまた寝た。最後の晩餐がもしこれであったら何となく淋しいなと考えながら。

 いくつか予定が立て込んでいるので、何時までも寝ているわけにはいかないのだが、いまもまだ熱がある。あと2〜3日は、すべてをないことにして静養しよう。

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