2ヶ月余り、山仕事にはまっている。耳納山系の東の端近くに2,000坪程度の栗畑を持っているのだが、いわゆる法面の手入れが15年以上滞っている(私が買って7年目)。道路脇の斜面に生えた木が、台風時に土を抱えて倒れるようになってきた。放置すれば、道路の損壊を引き起こしかねない。数年前から、大きな木だけでも切っておこうと考えていた。この作業、昨年の冬に終わらせるつもりだったのだが、年末に右足を捻挫したのが原因で今年に持ち越していたものである。
10月の終わり頃から、1日1 m前進を目途に木を切り竹を切りしているのだが、まだ終わらない。放置していた間に生長した雑木は、直径が20㎝を越えるものもある。その木に葛や蔓草そして荊が巻き付き樹冠の部分で数本以上の木が連結されているのである。1本の木を倒すのでも、風向き、枝振りと幹の伸びた方向だけではなく、足場の確保や電線の位置などを考えながらのかなり危険な作業なのに、10 m 以上に連なったジャングルを処理するのは、手に余るというのが本音である。しかし、やるしかない。我々がホームセンターなどで通常手にする材木はさほど重たいものではないように感じるが、山に生えている生木は多量の水を含んでおり思った以上に重たい。時には命の危険を感じざるを得ない。
要するに、急な法面自体がすべてそで群落とマント群落の様相を示している。言い換えれば温帯ジャングル状態である。そしてその中にイノシシが移動に使っている獣道が何本も通っている。これらの木や草を全部切り払うのは、法面の土壌保護の観点からは望ましくないとは思いながらも、とにかく一旦切り払わない限り大きな木の根元にも行けない。山林用チップソーをつけた刈り払い機で下草を刈った後、金曜日のジェイソンのようにチェーンソーを振り回し、荊と葛のジャングルを切り開いていくのである。
足場は悪いし、荊は痛い、刈り払い機でソデ群落を切っても、チェーンソーを振り回して樹冠?をなしている蔓を切っても、耐えられないほどのゴミと切りくずが飛んでくる。ゴーグルと、時にはマスクを掛けるているとはいえ、1時間もすればゴミだらけになる。疲れると注意力が落ちて危険なので、この作業2時間以上は続けない。
作業が終わり、一気に視界が開ける時の爽快感は格別なのだが、この季節でも虫刺されは発生する。マダニは冬でも活動するというし、ブヨもまだ油断できない。デスクワークは楽だったなと思う反面、毎日汗をかく生活もなかなか捨てがたい。