老後用にと考えて建てた家は、お世辞にも広くない。その中心には薪ストーブを設置した広めの居間(当世風にいえばリビング)がある。そこに収穫した富有柿8コンテナと愛宕柿(干し柿用渋柿)1コンテナがのさばっている。今日は朝から段々と冷えてきたため、ストーブを焚こうかと思うのだが、ここで暖めると柿が一気に柔らかくなってしまいそうで不安である。あと1件だけ注文が来ているが、この注文にはまだ木になっているもので対応できる。では8コンテナを自家消費できるか。血糖降下剤を飲んでいる身としては、それはちょっと危険である。
食べきれないほどあるのだから熟したものはさっさと捨てたらと思わないでもないのだが、勿体なくてなかなか踏ん切りがつかない。あきらめるのは、柿が柔らかくなってショウジョウバエがたかり始めた時である。今朝は2コンテナを捨てた。明日も同じくらい捨てざるを得ない。
噂では、今年はいつまでも暖かかったため柿の熟すのが非常に早く、収穫が間に合わないという。一部の柿農家は穴を掘って埋めているという話も聞こえてくる。この見切りの良さ、ここがプロと新米の違いとは思うものの、やはり捨てがたい。自分で育てたものは可愛いからななどと言い訳をしているが、本当は小ゲチいだけの爺かも知れない。