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 野菜畑を200坪ほど維持している。たかが200坪と思っていたが思った以上に大変である。今年は異常に雨が少なく雑草の生長が遅いので、何とかコントロールできている。ダイコン、山東菜、カラシナ、ワサビ菜、ターサイ、タマネギ、ジャンボニンニクなどを植えているのだが、この畑には4~5匹のモンシロチョウがいつも舞っている。従って、何もしなければ穴だらけの野菜になってしまう。

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 世の中では農薬の評判は良くないが、様子を見ながらBt剤を使っている。Bt剤とは鱗翅目昆虫だけに病原性を持つ細菌とその毒素蛋白を製剤化したもので、ヒトやその他の生物に対する毒性が極めて低い生物農薬である。この農薬を使用しても、有機栽培の野菜として出荷できる。こんな事を書くと、怒り始めるヒトがいて困るのだが、朝から日没までチョウを追い続けるわけにもいかない。他にもすることは沢山あるのです。

 この畑にはモンシロチョウだけではなく、スジグロシロチョウあるいはヤマトスジグロシロチョウモ飛来する。(昔はエゾスジグロシロチョウと呼ばれていたものが、北海道の中部から東部に分布するエゾスジグロシロチョウと北海道西部から九州中部に棲息するヤマトスジグロシロチョウに分類された)

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多分、スジグロシロチョウ

 この2種類のチョウは、区別が難しい。ダイコンに興味を示す様子から判断するとスジグロシロチョウのように思えるが、サイズから見るとヤマトスジグロシロチョウのようにも思える。スジグロシロチョウの仲間の雄は、発香鱗と呼ばれる鱗粉を持ちレモンに似た香りを発している。35年ほど昔の話だが、当時はスジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウと分類されていた2種のチョウを捕え、発香鱗の部分をエーテル抽出してガスクロで分析したことがある。もはや記憶が曖昧で断言はできないが、香気成分であるゲラニアールとネラールの比率に差があったと記憶している。但し、基本となる分類が正確であったかどうかの検証できなかったため、残念ながらこの比率の差が、個体差である可能性を排除できなかったし、食草由来である可能性も残った。さらに、この2つの化合物はEZ異性体であるため、光で異性化する可能性も捨てきれない。とすれば、チョウの生存期間と異性体比の変化も見なければならないだろう。

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 この畑にはヒョウモンチョウもよくやってくる。ヒョウモンチョウの仲間も素人には区別が難しい。写真を撮って見たのだが、多分ツマグロヒョウモンの雄であると思っている。ホトケノザの花から吸蜜していた。

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ホトケノザで吸蜜中のツマグロヒョウモンの雄
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