田植えが終わって10日余り、殆ど天気予報が当たらない。昔、気象台、気象台、気象台と3回唱えてフグを食べれば大丈夫という与太話があったが、ここ数日の間、翌日の天気さえ当たらなかった。大雨だ大雨だという予報を信じて水田の水を落として待っていたが、少しも降らない日が続いた。近所の田んぼでは水不足で田植えができずに困っている。まあ久しぶりに当たった昨夜の雨で、何とかなるだろう。それにしても気象庁は、あたる可能性の低い一週間先の天気をどうして発表するのだろう。
田植えが済んで初期除草剤を使いたいのだが、直後に雨が降ると使えない。薬剤の流亡に伴う薬剤の魚毒性が問題になるからだ。薬剤には5㎝の水深で使えと書いてある。それはそうだが、水田の表面はでこぼこしており条件を満たすのは甚だ難しい。(代掻きが下手なせいもある)とはいえ、薬のイネに対する安全許容範囲と雨の予想を信じて、水深4㎝くらいに合わせて散布した。イネの高さは10㎝余り、その夜に20㎜程度の雨が降ってもイネは浸からないし、その程度の雨による希釈なら薬も効くだろうという読みである。
こう書くと、水の管理は難しくはなさそうだがこれが結構難しい。湛水減水深と定義される浸透による水の漏出があるからだ。通常20〜30㎜といわれているが、3反の田んぼで30㎜の水深減は、27トンの水に相当する。何もしなくても、27トン、つまり1時間に約1トンの水を入れてやらないと元の水深は維持できない。この透水量と降雨量を考えながら、あふれないように水口の水量を調節するわけである。従って、私のような新米は、働くわけでもないのに日に何度も水田に出没するわけだ。
ちなみに、今回使用した初期除草用農薬は、「ショウリョクジャンボ」という名称の、ジャンボ剤である。ジャンボ剤とは散布機を使わずに手で投げ込むことができるようにした製剤である。ちなみに、このジャンボ剤が含んでいる農薬成分は、「ダイムロン」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリルウレア)、「イマゾスルフロン」(1-(2-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イルスルホニル)-3-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)ウレア)、それに「カフェンストロール」(N,N-ジエチル-3-メシチルスルホニル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミド)、「ベンスルタップ」(S, S’-2-ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルホン酸)の4種である。