薪ストーブ

  一寸ばかり無理をして薪ストーブを設置した。家の周辺に果樹園があるというより、果樹園の中に家があるといった立地である。秋から冬にかけて剪定した枝を盛大に積み上げて燃やす風景が見られる。それをくださいといえば、燃やす手間が省けるからと喜ばれる程である。乾燥する手間がかかるとはいえ、燃料の心配はいらない。

  そして一応転居した8日に火入れ式を行った。薪は師匠の家の軒下に積んであった3年乾燥の梨の木である。気持ちよく燃えた。確かに、ファンヒーターや電気ストーブに比べて柔らかな暖かさである。臭いは殆どないし、まず静かである。翌朝まで暖かいという神話は本当ではないとはいうものの、11時過ぎに大きめの薪2本を入れて寝た。外気温は-2℃、霜柱が立った寒い夜であったが、朝7時の室温は13℃だった。

  11日、起床してまずストーブに火を入れた。乾燥しきった薪はすぐに燃え始め、柔らかな暖かさを発し始める。この日は柿の剪定をしようと計画していたのだが、この気持ち良さにつられて、ストーブの前を離れる気にならない。時々薪を補充しながらうつらうつらとしていたら、いつの間にか夕方である。環境がよすぎるとヒトはダメになるという。捕食者のいない島の鳥は飛べなくなってブクブクと太るという。不精者の私にとって、薪ストーブは天敵かもしれない。今後、火を入れるのは夕方からにしよう。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク