転居

  ようやく新居へと住所を移した。定年帰農ならぬ退職就農である。この退職就農という言葉には、二つの不利な条件が含まれている。一つは定年まで勤めていない、つまり給料を最後までもらっていないということを意味する。さらに、定年帰農という言葉には、親の作っていた農地を継承するような響きがあるが、退職就農であれば、退職した後に農地を購って就農したことを反映させている。確かに、都市部の土地に比べれば農地はとても安いとはいえ、買う面積は遙かに広い。さらに農業機械は十二分に高いという現実がある。それに加えて小さいとはいえ、家を建ててしまった。何とも心細い出発となってしまった。

  今月の6日に引っ越しを予定し、5日にトラックを借りる予定だったのだが、この日の夕方はとても寒くてかなり強い雪が降っていた。夜の雪道を慣れないトラックで走るのはいくぶん心配で1日予定を遅らせた。6日にトラックを借り黄昏れる頃に積み込みを終えた。そこから75Kmの夜道を走って荷物を運んだ。夜でも明るい福岡市を抜けて次第に暗くなる夜道を走っていると、完全に夜逃げ気分はである。いや、夜逃げはしたことはないので、擬似夜逃げということにしておこう。荷物を下ろしてまた福岡まで戻ったのが11時頃である。

  翌朝、さて仏壇と神棚を運ぼうとトラックに乗ったら、バッテリー上がりでエンジンが動かない。そういえば夕べ、ヘッドライトが暗かったなと思いながらJAFを呼んだ。緊急用のバッテリーでエンジンは動いたが、オルタネーターの作動が不安定である。多分ベルトの問題だろうと思ったが、近所のスタンドや乗用車の販売店で片付く問題ではない。箱崎埠頭にある三菱ふそうの工場に運び込んだ。修理の終了は午後5時、気が付いたら予定がまた1日延びていた。70歳近い爺が、トラックを借りて自力で移ろうなどという計画が無謀である。引越業者がいるではないかといわれそうだが、まあそれなりの理由もあるのです。8日にようやく移転半了、まあぼちぼち続けます。

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