稲刈り・・・Part 2

  月曜日の夜、師匠から電話があった。火曜日の朝からもう一枚の田んぼを刈るという。「あんたが来られんなら俺が刈っとく」といわれても、師事する師匠に何もかもさせるわけにはいかない。10歳年上の師匠である。幸いなことに私の仕事は火曜日だけは時間が取れる。火曜の朝、5時に起きてまず職場へ、年休の届けを提出して田んぼへ直行した。4隅を刈って、道路に面した部分からゴミを拾う。ジュースの缶などがコンバインの刈り刃に噛み込まれると、そこで作業は止まってしまう。この田んぼは近くに道の駅があり、かなりな数の車が行き交うのである。夏場には行楽で発生したゴミと缶ジュース・缶コーヒーの空き缶が、いくつも投げ込まれていた。

  稲刈りそのものは順調に進んだが、何カ所かにウンカによる坪枯れが発生していた。イモチ病とウンカに対する防除剤を8月下旬に散布しており、多分大丈夫と考えていた。少し倒れているイネに気付いてはいたが、今年は夏場の日照不足のせいで、茎の充実が不十分だったことが原因であると安心していたのである。まあ大きな被害にならなかったので良しとしよう。

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中央やや左、株基まで茶色の部分がごく軽度の坪枯れ、この程度のものであっても、枯れた部分の収穫はほぼゼロ

  だが、この問題はこれからも続く。いわゆる減農薬栽培の問題とも通底する課題である。現在販売されている農薬の多くが、収穫の1週間前までの散布を認めている。2週間前にすれば殆どの農薬があてはまるだろう。つまり、散布後に前者は1週間、後者は2週間経てば、国の基準以下のレベルでしか残留しないということである。私は、無農薬栽培が最良のものだとは思っていない。残留農薬についての国の基準にある程度の信頼を持っている。しかしながら、自明のこととして、残留する農薬は少ない方が望ましい。従って、生育初期から中期までの散布は農事暦などを参考にして行い、害虫密度を下げる。この時期は気温が高いため土壌微生物による分解が活発であるだけでなく、可視光線・紫外線ともに強いため植物体上での光分解も早く進む。収穫が近づくと、最終散布をできるだけ前倒しして、散布から収穫までの期間を長くとるようにと考えている。もっとも、相手は生き物であり思惑通りに行くとは限らない。少しの減収は我慢することにする。

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