内緒は不可能

3/8 3/9

   三月の声を聞いたというのに、昼間の温度が10℃前後と真冬に近い。にもかかわらず、季節を読んだスギの木は大量の花粉を飛ばす。山の畑の側に40年程の樹齢を持つスギの木があるのだが、この木からもろに花粉が飛んでくる。風媒花は受粉率が低いなどと書いてある本が多いが、風媒花は花粉の量を増やして受粉の確率を確保していると書くのが正しそうだ。

  ここしばらく送別会を初めとして種々の会合が重なり、ブログの更新が遅れ気味である。とはいえ、畑へは律儀に出没している。この時期はさすがに収穫するものが少ないとはいえ、ワケギと早生のタマネギが食べ頃である。いまならタマネギの葉っぱもまだ柔らかい。

  先日から、今度建てる家には薪ストーブを入れるといっていたら、薪が集まってきた。師匠の家から薪割り器も届いた。田舎では隠し事はできない。わが農舎の棚になにがあるかまで皆ご存じのようで、地区全体が1つの家族のようなものである。物心ついた頃から、地域社会の異邦人として暮らしてきた私にとっては、異次元の世界である。こうした人間関係を鬱陶しいと思うか、何でも知られているのだから気楽だと思うか、それは人によるだろう。私にとっては気楽に生きられる世界だと感じている。

  師匠からよばれた。「近くの田を売るという話がある、買わんか」という。いま持っている田んぼには、側道を広げる計画がありかなり狭くなってしまう。もう少し欲しいなと思っていたところである。話に乗ったら、すぐ売り主のところに連れて行かれた。なんと、師匠の親戚である。前置きも駆け引きもない、すぐ決まった。次の日、農業委員会へ提出する書類を受け取りに再訪したら、見慣れた車が止まっている。家に入ると、わが家のお向かいのおばさんがお茶を飲んでいる。あはは、親戚です。あの田んぼの横は私の田、水の駆け引きはしとってやるよ。あと1年は、働くっちゃろ。全てお見通し!!

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