禍福は糾える縄のごとく

  ウンカとは雲霞、浮塵子とも書く。カメムシ属ヨコバイ亜目の属する昆虫で、セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカなどがイネに対する主害虫となる。セジロウンカとトビイロウンカは日本では越冬ができず、6〜7月頃に東南アジア・江南地方で生長した成虫が、季節風に乗って西日本の各地に飛来する。

  ヒメトビウンカは土着のウンカで、長距離の移動はしないそうだ。どの種も何回かの世代を重ねながら、9月の半ば過ぎから雲霞のごとくイネの茎に取りつき、吸汁しながら坪枯れという現象を引き起こす。江戸時代に起こった享保の大飢饉や天保の大飢饉は、冷害とウンカの虫害が重なったのが原因と言われている。

  夏の風物詩であった虫送り神事で送られる虫の代表がこのウンカ類である。優れた防除剤が出現したとはいえ、気を抜くと痛い目に遭う。幸いにして私の水田、現時点では坪枯れはない。

  すぐ横に耕作放棄した田んぼがあるのだが、8月下旬に草刈をされた。その時、その田んぼ?にいたカメムシが、一気にうちの田んぼに移住してきた。水田の中を歩くだけで、カメムシのにおいが凄かった。斑点米になるのが嫌で、仕方なくカメムシの薬を9月に撒いた。カメムシとウンカは近縁の昆虫である。カメムシに効く薬はウンカにも効く。これが幸いしたようだ。明日は10/12(土曜日)、稲刈りである。

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