サル痘

 この病気が脅威であるのかそうでないのか、よく分からない。WHOが緊急事態宣言を出した、さあ大変だとなるのだろうか。WHOによれば、サル痘は欧米などを中心に75の国と地域で1万6000人あまりの感染者が確認され5人が亡くなっているという。WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したのだが、WHOの専門家委員会では、サル痘パンデミックの勧告の可能性について議論し、発令に対して反対9人、賛成6人と意見が分かれたにもかかわらず、テドロス氏が緊急事態発令を無理押ししたようだ。この人は、新型コロナの時も煽りに煽った経緯があり、今一つ信用できない。

 このウィルス、基本的なことはウィキペディアに記載してある。知識としてはそれで十分だろう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/サル痘

https://ja.wikipedia.org/wiki/ポックスウイルス科

 気になる点といえば、このウィルス感染者がいわゆる先進国に多数見られることである。厚生労働省のページを見ると、「サル痘は1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認された。オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。」「自然宿主はアフリカに生息するげっ歯類が疑われているが、現時点では不明である。」と書いてある。ところが、流行っているサル痘の患者は、下に示すように北半球の先進国に多い。(データが一寸古い)

表1:2022年1月から2022年6月15日までのWHO地域別サル痘確定例。
2022年6月15日17時(CEST)現在のデータ

 私は研究者であったが故に、憶測で物事を決めつけることはしないように心がけている。データ(正しく集められたデータ)が、次なる推論の基礎であるということだ。それでも陰謀論者と言われている。上のデータから何が見えるか、患者の分布が異常に異常である。合理的な説明が必要だと考える。どうして北半球の先進国といわれる国で、同時多発的な流行が起こっているのか。病気の性質からして、アフリカで感染が始まるのが妥当だと考える。さらに、患者の内訳を見ると、多くが20代〜30代の男性であり、女性の極めて少ない。従って、今回の感染者は、ゲイやバイセクシュアルなど男性とセックスをする男性(MSM)の間で発生したケースが多いのではないかと推定されているらしい。NHKがそう言っているのだから「そうなんだ」、とその意見を受け入れても良いんだが、何だかエイズの始まりの頃に似ている気がする。何とも言えない違和感があるな。

 いま一つ、何故いま流行るのかという問題が残る。ウィルスは昔からいた、感染した人も時々見られた、ゲイやバイセクシュアルな男性の数が倍増したわけでもないだろう。ウィルスが変異を起こして感染力が増した、その可能性は捨てきれない。ただ、このウィルスは2本鎖DNAウィルスで、遺伝子はほとんど変化しないことが知られている。

 万一ウィルスの遺伝子がが変異を起こして感染力が増したのであれば、若い世代への天然痘ワクチンの接種が有効だとは思う。天然痘ウィルスとサル痘ウィルスはよく似ているためである。とは言っても、この段階で特段奨める気はない。色々ありますからね。我々老人は子供の頃に接種済みである。日本は優れたワクチンを持っているはずです。分かります、私は反ワク原理主義ではないんです。

 少し以上に気になるのは、新型コロナワクチンとの関連である。この時期に流行り始め、北欧や北アメリカでの流行が著しいことなどを、うまく説明できる。でも、これ以上は書かない。またもや陰謀論者扱いされそうだから。

 それはそうと、WHOのテドロス事務局長がインターポールに逮捕されたという噂が流れている。バンクーバータイムズと言う新聞社が、この話の出所のようだ。でもこの新聞社、新聞社とは言うものの過去にはかなり陰謀論的記事を書いている信用度は低い新聞社のようだ。ニューズウィークのファクトチェックによれば、このニュースはガセネタであるという。とはいえ、近頃アメリカのファクトチェックもなかなか信用できない。どっちが正しいのか、しばらく情報を追跡する必要がありそうだ。私の中ではガセネタ説が99.9%、本当である説が0.1%くらいかな。でも万一、0.1%が当たったとすれば、大事件である。クラウス・シュラブの事は書かない。

https://www.newsweek.com/fact-check-was-who-director-general-arrested-crimes-against-humanity-1727928

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