PCR陽性のヒトを感染者と呼び、この感染者とされたヒトを、自粛対象者として自粛させたり隔離したりする政策が行われているのだが、これが本当に正しいのかもう一度考えている。昨年の初め頃、PCRを無闇にするべきではないという意見と徹底的にやるべきだという意見があって、とても囂しかったのを記憶している。ダイアモンド・プリンセス号での感染が大きく扱われていた頃だ。
あの頃はこのウイルスでどのような症状がでるのか、伝染性はどれくらいか、後遺症はどうなるのかなど、全く解らなかっただけでなく、武漢で感染者とおぼしきヒトがバタバタと倒れていく映像を見せられて、誰もがかなり神経質になっていたのは間違いないだろう。私も同じように感じていたのは間違いないが、頭のどこかでこれはやらせではないかという疑いを持っていた。誰もがスマホを持つ時代になっているとはいえ、倒れる瞬間をそんなにタイミング良く撮れるものだろうか?などと考えていた。本当かどうかはいまひとつ疑問だが、クライシスアクターなどという人々が存在するという情報は持っていたからだ。
しかしながら、あの時点でコロナはやらせかもしれないなどという発言をすれば、まずまともな社会生活はできないということを感じる程度の常識は持っていた。日本人の感性は戦前と同じだなと改めて思っていたのだが、この感想は間違いでその後の世界の動きを見ていると、どこの国においても状況は同じであった。マスコミによるコロナコロナの大合唱で、人種差別、感染者差別、意見の違う人差別など、思い掛けないような事件が連鎖するのを見て、これは根の深い何かが底流にあるに違いないと思い始めた。ちょうど去年の5月頃である。批判するわけではないが、大多数のヒトがマスコミが手を変え品を変えして出してくる話題に引きずられて、先の事件の検証も考察もなしに恐怖感で満たされていくだけであったように思う。
思い出して欲しいのだが、ダイアモンド・プリンセス号に関係するヒトの総数は何人でで、何人が感染し、何人がなくなったか、おおまかにでも記憶しているヒトは殆どいない。ただ、怖い怖いの印象だけである。
ずっと追いかけていたのだが、大まかにいえばいえば次のようになる。世界57カ国から船員が1,068人, 乗客が2,645人の計3,713人が乗船(時期によって少々の出入りはある)しており、新型コロナ感染症と確定された患者が712人、死亡した人が14名であった。感染者の死亡率は2.0%、全乗船者数に対する死亡率は0.38%である。具体的な値は見つけることが出来なかったが、なくなった方は殆どが高齢の方々である。新型コロナ感染症でどんな症状が出るのか、どんな薬が効くのかなど、病気の全貌が全く見えない中でこの死亡率であれば、しばらくすれば大したことがない病気であるということで落ち着くだろうと少し楽観的に見始めたのが、8月頃である。ただ、血栓がいろんな臓器で発生するというという点で、嫌な病気だなという印象は拭えなかった。その頃から、この感染症でなくなる人よりも、コロナ恐怖症、社会的な発狂状態に由来する死亡者の方が多くなるのではないかと危惧していた。
その後、クラスター、クラスター、第2波だ第3波だ、マスク、マスク、濃厚接触、新たな変異株が現れたなどと大騒ぎが続いているのはご存知の通りである。その頃、この感染症を終わらせるには、いわゆるワクチンではなく、効果のある治療法と有効な治療薬が必須であるとこのブログに書いたのだが、WHOを始めとして各国の政府は効果がありそうな薬剤には目もくれず、マスコミも一体となって国民全体をワクチン接種へと追い込んでいる様は、冷静に見ていると悪寒を感じるほどである。
新型コロナ感染症については、世間の人が注目する以前から結構注目していた。理由は、2002年に中国の広東省を起源とする重症な重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acute respiratory syndrome)の集団発生があったのだが、この時、当時在籍していた大学で感染防止のための対策案と感染者が学内で出た時の行動指針を作らされた。そのSARSウイルスは今回問題となっているコロナウイルスの近縁な仲間である。こういう経緯もあって、それからSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスやMERS (中東呼吸器症候群)ウイルスについてずっとフォローを続けていた。その間、このタイプのRNAウイルスに対して、RNAワクチンの開発が行われてきたが、動物実験において被験動物がすべて死亡するという事態が続き開発は停止状態となっていると聞いていた。
などという悠長な回顧記事を書こうとしていたら、突然事態が急変した。余りの急変に付いて行くのが間に合いそうにないほどである。一つは新型コロナウイルスの起源について、もう一つが新型コロナワクチンについて、さらにもう一つが新型コロナ感染症の治療(予防薬)についてである。各項目の中に思いがけない(一般的な意味で)事件が満載である。世の常識的な人にとっては寝耳に水のような話だと思うが、去年の春頃から陰謀論として打ち捨てられていた話の方が本当で、常識論が陰謀論であったという結末になりそうな状況である。もっとも日本のマスコミでは殆ど扱われていない。
まず、アメリカにおける新型コロナウイルスの起源についての報道に急転回があった。昨年の春、トランプ大統領がこのウイルスの起源は武漢ウイルス研究所であると表明した時、ほぼすべてのマスコミはこれを全く非科学的な陰謀論であるとして糾弾した。そして、コウモリを起源とする新たなウイルスが人に対する感染性を持ったものであり、それが科学的真実であるという自然発生説を報道しまくった。勿論この頃から、このウイルスは人工のものであり自然発生切では説明が困難な遺伝子配列があることを表明していた研究者は何人もいたのだが、彼らの論文は学術雑誌にアクセプトされなかった。
ところが、アメリカの有力紙であるワシントンポスト紙が5月になってこのウイルスの起源は武漢ウイルス研究所であるという説にくら替えをした。これに続き、多くの新聞社のみならず武漢ウイルス研究所起源説を陰謀論としてバンしてきたフェイスブックとYouTubeも、この起源説を投稿から排除しないと方針を転換した。ただ、気になるのは、なぜマスコミが武漢ウイルス研究所起源説を否定したのかという点に関して、トランプ氏が発言したものだからだというようなことを書いている。多くのマスコミが大統領選挙において反トランプの立場にいたことは周知の事実である。大統領選挙を念頭において政治的思惑から科学的な事実をねじ曲げたとすれば、これもまた大問題であろう。まあ、反省して事実を報道する路線に戻ったと思いたいが、まだ信じ過ぎるのは時期尚早である。
6月に入って堰を切ったように武漢ウイルス研究所起源説が流布し始めた。これと同時に、1984年からアメリカ国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID) 所長をつづけてきたアンソニー・スティーヴン・ファウチ氏が、余りにも危険であるという理由でアメリカ国内では禁止されたウイルスへの機能獲得実験を武漢ウイルス研究所に依託し、研究費も投入していたことが明らかになり、事態は急に進展し始めた。先走った議論かもしれないが、現在流行しているコロナウイルスは、人工的に作られた生物兵器であると断定する記事も出始めている。
現役の人は目の前の仕事で忙しく、海外記事に目を通すなど無理かもしれないが、今の日本のマスコミだけに情報を依存していたら、浦島太郎になってしまう。続きは明日にでも書くことにする。