喜ぶべきか?

 突然来客があった。近所でちょっとだけ変わった商売をしているSさんである。変わった商売といっても立派な農家で、出荷先が他の方とはちょっと違うようだと云うだけである。(これも正しいかどうかまだ不明・感想にすぎない)そのSさんが朝7時過ぎに現れて、私のカキ畑の柿を出荷して欲しいという。何となく分からない。周りのカキ畑には3L、4L サイズの立派な柿がいくらでもなっている。皆、市場に出しているのだから、それを分けてもらえば済むことだと思った。3月までは仕事をしていたと云えば言い訳になるが、摘果不十分でいくぶん小振りである。いや、いくぶん小振りであるというのは誉めすぎで、貧弱であると云った方がいいかもしれない。世の中、3L、2L、L、M、Sと云うサイズがあるが、我が柿園の柿はMが殆どである。余所ではまず見られないS、SSサイズの柿もたくさんある。すくなくとも、世の中には大きすぎる柿ではなくMまたは大きめのSサイズの柿が欲しいと指定してくる業者さんがいるらしい。

 SM指定(?)で来た注文だと云われても、何処か引っかかる。この柿ね、あんたの畑で採ってきた柿やけど、このサイズがいいんですとニコニコされても、お前の栽培は下手だと云われているような、・・・??と云うニヤニヤしながらの交渉で、4個で750~850グラムの柿を出荷することになった。

 そう云うわけで、午後から1本の木に実っている果実を全部ちぎった。コンテナ6個が満杯になった。これを分別し、出荷用の袋に詰め、シール作業が終わったのは午後8時を過ぎていた。

 出荷できないサイズの柿がコンテナで2個分以上残った。明日の作業を考えると勿体ないとは思うが、中身は捨てるしかない。これを捨てたらイノシシにエサをやるようなものだと思うのだが、師匠の意見は違っていた。この季節、イノシシにとって柿は食べ放題である。そげな質の悪い柿は食わん。私、出荷できない、イノシシも食わない柿を毎日食べているらしい。

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