ただただ、只は強い!

  先日、ブルーベリーの成木50本を無料でくれるという話が飛び込んできた。柿畑の一部をブルーベリー園にしようと考えていた矢先の話である。何しろ「只」である。日頃、「只」はいかん、正当な価格で買うべきだなどと偉そうに云っているにもかかわらず、すぐに心変わりしていただきますと答えてしまった。ただし、ブルーベリーは農園に植えてあるので、自分で掘り上げて持っていくというのが条件であった。「只」につられて、朝6時前に起きて出かけた。先方さんが親切にユンボもスコップも貸して下さった。

  ブルーベリーは、水分は必要だが水はけの良さも必要である。植えてあった場所は、昔の水田を畑地化したところである。20 cmも掘ると土の色が黒っぽくなる。畑地にしたと云っても、まだ還元層が残っているようである。そのため、ブルーベリーの根っこは下に伸びず横に広がって伸びていた。挿し木用の枝を採るために育てていた親木であるとのことで、少し樹勢が落ちてきたので処分する予定だという。そう云うことなら、人助けならぬ木助けになると気合いを入れて掘り始めたのだが、これが思った数倍以上に大変である。苗屋さんも大変な仕事だ。

  全部で200本程度と聞いていたのだが、現場に着いたら300本近くある。ユンボで掘り上げた成木の不要な枝と根を切り、麻袋に詰めて縄で縛る。途中で何度かめげかけたが、初対面の相棒たちがいる以上、いち抜けたとは言い難い。夕闇迫る頃、何とか終わった。生憎、雨交じりの寒い日であったため、ようやく止まりかけていた咳がまた酷くなった。それにしても改めて感じた、貯金を使い果たした私にとって「只」の魅力は思った以上に強い。

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