栗 雑感

  クリが不作である。1つは台風による落果が原因だが、あと2つほど理由がある。クリ園の奧、ことさら森の中というわけではないが冬には鹿がが出没するらしい。そうしたことを余り気にせずに、この部分にぽろたんという品種を植えた。この品種、加熱するとぽろっと渋皮がとれるのが売りの品種なのだが、樹勢が余り強くない。さらに、鹿がこの品種の樹皮を剥がして食べてしまうのである。栗園内部で品種による植栽位置の見直しをしなければならないらしい。

  もう一つは、カミキリムシの害である。今年、6本の木が折れた。福岡ではシロスジカミキリの害が多いと聞くが、私のクリ園ではゴマダラカミキリをよく見かける。いずれにしても木から幼虫の出す木屑を見つけ、そこに殺虫剤を注入すれば防げるのだが、週二日の週末農業ではいま一つ手が回らない。来年以降の宿題にしておこう。

  真脇遺跡やチカモリ遺跡では環状木柱列としてクリの大木が使われていたし、三内丸山遺跡でも直径1メートルを超すようなクリの大木が使われていたという。私のクリ園のクリには、一本残らずカミキリムシが寄生している。シロスジカミキリの分布は本州以南、ゴマダラカミキリの分布は日本全土である。縄文海進は終わっていたとはいえ、三内丸山遺跡が栄えた時代は現在より暖かかったらしい。そうであれば、これらのカミキリも間違いなく分布していたと思うのだが、虫害を受けずにそこまで大きくなった木が何本もあったと言うことだろう。そんな神々しい木を見てみたいものである。

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