雨の降る日は天気が悪い

 雨の降る日は天気が悪い。犬が西向きゃ尾は東、猫がワンワン鳴くものか。などと続けて、庶民感覚での当たり前のことを云う成句がある。もっともわが家の犬はニャーニャーとは鳴かないものの、頭を北に向け尾を西に向けて寝ていることが多い。幾分曲がっているところが飼い主に似ているといわれれば、苦笑いして認めるしかない。

 今日はけっこう寒い。雨も降っている。やる気ゼロである。昨日、少しきつかったが次のジャガイモ植え付け用の畝を立て、ワケギとジャンボニンニクの畑の草を取り、別の畑の耕耘を終わらせておいて正解だった。朝から薪ストーブに火を入れ暖かくなった室内ででれっとしている。問題はこんなときに起こるものである。このサイトを何気なく開いたら、昨日のカルコンシンターゼ、アミノ酸配列の行処理がおかしいらしく、改行が上手くいっていないではないか。天気が悪いしもう一度やる気が起きない、何でこんなことになったのだろうなどと思いながら、ウツラウツラしていた。やはりやり直す気にならない。必要な方はhttp://noisyminority.jugem.jpの方にまともに表示されているようなので、今回はそちらを参照して下さい。

 しかしながら、こんな鬱陶しいものを見ていただいた方には感謝しかない。少しだが、肩の力を抜いてリラックスして下さい。以下の動画はNicki Parrott. ニッキ・パロットというオーストラリア出身のジャズベーシスト・ボーカリストの演奏です。日本では余り知られていませんが、楽しそうな演奏と歌が良いですね。

 現在という時代は、明らかに存在する現実を見ずにマスコミの報道を鵜呑みにする人たちで溢れている。疑うということの大切さを若いうちから教えておく必要がありそうだ。昔、私が講義の中で「俺の喋ることの80%は嘘だ」と言ったら、凄い反響があった。80%は控えめな値を云ったつもりだったが、学生たちにとってみればそれはとんでもないことで、本当のことを教えろと云うわけである。他の先生方は90%くらいは嘘を言っていると思うけどな、俺はましなほうだよ。そういって、一つの事実であっても見る方向が違えば全く違った結論が導かれる。真実などというものがあると思うな。事実しかない。但し、事実であっても、俺の事実と君たちの事実は当然違う。君らが書いた答案、君らにとっては合格するに値するものであっても、こちらにとっては評価しようもないものであることがよくある。事実は真実の敵であり、その事実には幾通りもの見方に基づく事実がある。

 でもなかなか理解してもらえない。近ごろの若者はという言説は使うべきではない、大人も年よりも同じだと思う。社会全体が知的な包容力を失い、思考の発酵過程を評価しないのである。誰もがすぐに結論を求め、解決法を求める。何が正しいかを即決しようとするのである。我々は生きていく上で多くの問題を抱え込む。ほとんどの問題は、放っておくといつの間にか解決する。解決するのに必要なのは時間だけである。この辺りに問題があると記憶しておけばそれで良い。時間をかけても解決しない問題こそが考えるに値する問題であろう。この問題は考えても解決しないのだから、いったん飲み込むしか方法はない。もちろん消化できないから、ときどき咀嚼し直して、また飲み込む。これを20年も続けると、何か見えてくるに違いない。そこで、諦めるかまだ続けるかを決めれば良い。

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